2011年2月15日火曜日

感染症の病気 『真菌感染症 ウイルスによる感染症2 続き』

免疫はワクチン接種を受けることによっても得られます。


ウイルス感染症に対抗する薬を「抗ウイルス薬」と呼びます。

抗ウイルス薬は、ウイルスの複製を抑える作用をもっています。

ウイルスは非常に小さく、感染した細胞内で細胞自体の代謝経路を使って複製するので、抗ウイルス薬で攻撃できる代謝機能は限られます。

一方、細菌は比較的大きな生物で、一般に細胞の外で自己増殖するので、抗生物質で攻撃可能な代謝機能が多くあります。

これらの理由から、抗ウイルス薬の開発は抗生物質に比べて非常に難しいのです。

また、抗ウイルス薬は人の細胞に対して毒性をもったりします。

ウイルスが抗ウイルス薬に耐性をもつようになることもあります。


抗生物質はウイルス感染症には効きませんが、ウイルス感染症に加えて細菌感染症もある場合には、しばしば抗生物質が必要になります。


おそらくウイルス感染症で最もよくみられるのは、鼻、のど、気道の感染症です。

のどの痛み、副鼻腔炎、かぜ、インフルエンザなど、これらをまとめて「上気道感染症」と呼びます。

幼児では、クループ、気管の炎症(喉頭炎)、肺内部の気道の炎症(細気管支炎、気管支炎)もよくみられます。


狂犬病ウイルス、西ナイルウイルス、数種の脳炎ウイルスなど一部のウイルスは神経系を侵します。

ウイルス感染症は皮膚にも起こり、いぼやその他の小さな病変をつくります。

また、特に乳幼児はさまざまなウイルスに日常的に感染します。


ヘルペスウイルスによる感染症もよくみられます。

人に感染するヘルペスウイルスは8種類あります。

このうち、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、水痘帯状疱疹ウイルスの3種類は、感染して皮膚に水疱(すいほう)をつくります。

エプスタイン‐バー(EB)ウイルスは伝染性単核球症を起こします。

サイトメガロウイルスは、新生児や免疫機能の低下した人に重度の感染症を引き起こしますが、免疫機能が正常な人の場合は、伝染性単核球症に似た症状が現れます。

ヒトヘルペスウイルス6型と7型は、突発性発疹として知られている小児の病気を引き起こします。

ヒトヘルペスウイルス8型は、エイズ患者に発症するカポジ肉腫という癌との関連が示唆されています。


ヘルペスウイルスはすべて、宿主細胞の中で休眠(潜伏)状態になるため、感染は終生続きます。

そして、ウイルスがときどき活性化すると、病気の症状が現れます。

再活性化は最初の感染のすぐ後に起こることもあれば、何年もたってから起こることもあります。


続き>>天然痘の脅威がよみがえる?

感染症の病気 『真菌感染症 ウイルスによる感染症 』

ウイルスは真菌や細菌よりさらに小さく、生きた細胞に侵入しないと増殖(複製)ができない感染性微生物です。

ウイルスは細胞に付着して侵入し、細胞内で自身のDNAやRNAを放出します。

このDNAやRNAは、ウイルス自身を複製するために必要な情報を含んだ遺伝子コードです。

ウイルスの遺伝物質が細胞を支配するようになり、強制的にウイルスを複製します。

感染した細胞は、正常な機能ができなくなるので通常は死にますが、細胞が死ぬ前に新しくできたウイルスが放出され、他の細胞に感染していきます。


ウイルスの中には、細胞を殺さずにその機能を変えてしまうものがあります。

あるものは細胞に感染して、正常な細胞分裂を制御不能にし、癌(がん)化させてしまいます。

また、遺伝物質を宿主の細胞の中に潜ませて休眠状態になり(潜伏感染)、細胞が障害を受けると再び増殖を始めて病気を起こすようなものもあります。


普通、ウイルスはそれぞれ決まったタイプの細胞にのみ感染します。

たとえば、かぜのウイルスは上気道の細胞だけに感染します。

また、大半のウイルスは感染する植物や動物の種類が決まっており、人だけに感染するウイルスもあります。

ウイルスはさまざまな経路で感染します。

口から入るもの、呼吸により吸いこまれるもの、蚊やダニなどの昆虫や寄生虫が刺すことによって感染するものなど多岐にわたります。


ウイルスに対して、体は数々の防御機能を備えています。

皮膚のような物理的バリアーは、ウイルスが簡単に侵入できないように防御します。

ウイルスに感染した細胞はインターフェロンという物質を放出し、まだ感染していない細胞がウイルスに感染しないよう抵抗性を高めます。


ウイルスが体内に侵入すると、体の免疫防御機能が稼働します。

これらの防御機能では、まず、リンパ球などの白血球が、ウイルスやウイルスに感染した細胞を攻撃して破壊する術を身につけます。

体がこの闘いに勝った場合、リンパ球は侵入したウイルスを「覚えて」いて、次に同じウイルスが感染したときには、より早く効果的に対処できるようになります。

このしくみを「免疫」と呼びます。


続きます>>>>











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2011年2月14日月曜日

感染症の病気 『真菌感染症 スポロトリクム症 』

スポロトリクム症は、スポロトリクス‐シェンキィという真菌による感染症です。


この真菌はバラやメギの茂み、ミズゴケ、敷きわらなどで繁殖し、農業従事者、植木屋、


園芸家などが感染するケースがほとんどです。


小さな刺し傷などから侵入します。


主に皮膚や付近のリンパ管に感染し、非常にまれですが、骨、関節、


肺などの組織に感染することもあります。


スポロトリクム症 症状 診断


皮膚の感染症では、最初に指に小さな硬いこぶ(結節)ができ、


徐々に大きくなり、潰瘍になります。


その後、数日から数週間かけて、感染症はリンパ管を通って指から手、腕、


リンパ節へと、結節と潰瘍を生じながら広がっていきます。


この段階になっても、痛みはほとんどなく、他の症状もありません。


肺に感染すると肺炎になり、軽い胸痛とせきが出ます。

肺への感染症は、肺気腫など別の病気をもっている人に多くみられます。

関節に感染すると腫れて、動かすときに痛みます。まれに、他の部位への感染症がみられます。


特有の小さな結節と潰瘍がある場合、医師はスポロトリクム症を疑います。

診断は、感染組織のサンプルを採取して培養し、スポロトリクス‐シェンキィを検出して確定します。


スポロトリクム症 経過 治療


皮膚のスポロトリクム症の進行はたいへん遅く、命にかかわることはめったにありません。


治療にはイトラコナゾールを服用します。


ヨウ化カリウムが代わりに使用されることがありますが、効果が劣る上、


発疹や鼻水、眼、口、のどの炎症などの副作用もあります。


肺と骨の感染症もイトラコナゾールで治療します。


命にかかわる全身性の感染症には、アムホテリシンBを静脈注射します。






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感染症の病気 『真菌感染症 パラコクシジオイデス症 』

パラコクシジオイデス症は南アメリカブラストミセス症とも呼ばれ、


パラコクシジオイデス‐プラジリエンシスという真菌が起こす感染症です。


パラコクシジオイデス症は、主に皮膚、口、のど、リンパ節を侵す真菌感染症ですが、


肺、肝臓、脾臓にも起こります。


パラコクシジオイデス症 症状 診断


パラコクシジオイデスに感染すると、リンパ節が腫れ、膿が出ますが、痛みはほとんどありません。


最もよく感染するのは、首や腕の付け根のリンパ節です。


痛みを伴う潰瘍が口の中にできることがあります。


肺が侵された場合は、せきと呼吸困難が起こります。


診断には、組織のサンプルを採取し、顕微鏡で調べます。


パラコクシジオイデス症 経過 治療


症状は長く続きますが、死に至ることはまれです。


治療にはイトラコナゾールを使用します。


アムホテリシンBも有効ですが、副作用があるので、非常に重症な場合にのみ使用します。







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感染症の病気 『真菌感染症 ムコール症 』

ムコール症はフィコミコーシスとも呼ばれ、ケカビ目の真菌が起こす感染症です。


ムコール症は胞子を吸いこむことによって起こります。

主に鼻と脳を侵す重度の感染症で、場合によっては死に至り、コントロール不良な糖尿病患者など、免疫機能が低下している人に起こります。

肺に感染することも多く、まれに皮膚や消化管も侵します。


ムコール症 症状 診断


鼻と脳を侵すムコール症の症状としては、痛み、発熱、眼窩(がんか)の感染(眼窩蜂巣炎)による眼球突出などがあります。

鼻から膿が出て、口の天井(口蓋[こうがい])、眼窩や副鼻腔周辺の顔の骨、2つの鼻孔を仕切っている壁の破壊も起こります。

脳に感染すると、けいれん発作、部分麻痺(まひ)、昏睡(こんすい)が起こります。


肺のムコール症は、発熱、せき、ときに呼吸困難を起こします。


ムコール症の症状は他の感染症とよく似ているので、すぐに診断を下すことは容易ではありません。

組織中の真菌を確認し、培養して診断します。


ムコール症 経過 治療


ムコール症の治療には、一般にアムホテリシンBを静脈内投与するか髄液の中に直接注射します。

感染組織は手術で取り除きます。

糖尿病の場合には、血糖値を正常範囲まで下げる治療を行います。

ムコール症は死亡率の高い、非常に重い病気です。








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2011年2月13日日曜日

感染症の病気 『真菌感染症 ヒストプラスマ症 』

ヒストプラスマ症はヒストプラスマ‐カプスラーツムという真菌が起こす感染症で、主に肺を侵しますが、全身に広がることもあります。


農作業に従事する人などが胞子を吸いこむことが多く、大量の胞子を吸いこんだ場合には重症になります。

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している人は、全身性のヒストプラスマ症によくかかります。


ヒストプラスマ症 症状 診断


ヒストプラスマ症にかかっても、ほとんどの人は症状がありません。


しかし、急性、進行性播種性、慢性空洞性の3種類のタイプでは、症状が現れます。


急性ヒストプラスマ症では、胞子を吸いこんでから3〜21日後に具合が悪くなり、熱やせきなどの症状が出ます。


たいていの場合、治療しなくても2週間もすれば症状は消え、6週間以上続くことは非常にまれです。


このタイプの場合、命にかかわることはまずありません。



進行性播種性ヒストプラスマ症は、健康な成人がかかることはほとんどなく、たいていは乳児や、エイズ患者など免疫機能が低下している人に起こります。


症状は初めのうちははっきりせず、疲労感、脱力感、全身のけん怠感から始まってゆっくり進行することもあれば、急激に悪化することもあります。


肝臓、脾臓、リンパ節の腫れがみられ、口の中や腸に潰瘍(かいよう)ができることもあります。


まれなケースでは、副腎が侵され、アジソン病を発症することがあります。


治療を行わないと、このタイプのヒストプラスマ症は致死率が90%と非常に高く、治療を行っても、エイズ患者では急速に死に至ることがあります。


慢性空洞性ヒストプラスマ症は数週間かけてゆっくり進行する肺の感染症で、せきが出て、呼吸がだんだん苦しくなってきます。


体重減少、軽い発熱、全身のけん怠感などの症状もみられますが、多くは治療をしなくても2〜6カ月以内に回復します。


ただし、呼吸困難が次第に悪化することがあり、大量喀血が起こる場合もあります。


こうした肺の障害や細菌による肺感染症が起こると、やがて死に至ることがあります。


診断には、感染した人からたん、骨髄、尿、血液などのサンプルを採取します。


肝臓、リンパ節、口内の潰瘍からサンプルを採取することもあります。


これらのサンプルは培養検査に出し、調べてもらいます。


ヒストプラスマ症 経過 治療


急性のヒストプラスマ症では、薬物治療が必要になることはめったにありません。


進行性播種性の場合は治療が必要で、アムホテリシンBの静脈内投与やイトラコナゾールの内服が有効です。


慢性空洞性のヒトプラスマ症では、イトラコナゾールやアムホテリシンBで真菌を除去することはできても、


感染症により破壊された部分が瘢痕(はんこん)になり、慢性閉塞性肺疾患にみられるような呼吸困難が残ります。

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たがって、できるだけ早く治療を開始して、肺の障害を最小限にする必要があります。












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感染症の病気 『真菌感染症 クリプトコッカス症 』

クリプトコッカス症は、クリプトコッカス‐ネオフォルマンスという真菌が起こす感染症です。


クリプトコッカスは世界中に存在していますが、エイズの流行が始まるまでは、この感染症は比較的まれでした。

エイズのほか、ホジキン病やサルコイドーシスの患者、長期にわたってコルチコステロイド薬による治療を受けている人も感染することがあります。


クリプトコッカス症は主に脳と脊髄を覆っている組織(髄膜)に起こります。


髄膜炎のほか、肺や皮膚にも発症し、それ以外の器官を侵すこともあります。


クリプトコッカス症 症状と診断


クリプトコッカス症の症状は概して軽く、はっきりしないことが多いですが、髄膜炎の場合は頭痛と錯乱が起こります。


肺に感染した場合も、症状はまったくないか、せきや胸痛があるくらいです。


肺の重症感染症の場合は、呼吸困難が起こります。


診断には、組織と体液のサンプルを採取して調べます。


血液と髄液の検査で、クリプトコッカスに対する抗体を調べることもあります。


クリプトコッカス症 経過 治療


免疫機能が正常であり、クリプトコッカスによる感染が肺の一部に限られている人では、通常は治療の必要はありません。


免疫機能が低下している人では、フルコナゾール、アムホテリシンB、あるいはフルシトシンなどを用いて治療します。








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