2011年2月17日木曜日

感染症の病気 『単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症』 

単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚や粘膜に小さな痛みのある水疱が繰り返し発生します。


単純ヘルペスウイルスにはHSV-1とHSV-2の2つの型があります。

HSV-1は唇にできる単純ヘルペス(口唇ヘルペス)や、眼の角膜にできるびらん(単純ヘルペス角膜炎)の原因となるウイルスです。

HSV-2は陰部ヘルペスの原因となります。

この違いは絶対的なものではなく、HSV-1が陰部ヘルペスを起こすこともあります。

これらの感染症は、患部を直接さわることによってうつりますが、慢性感染症の場合は、びらんができていない時期でも口や陰部に接触すると感染することがあります。


HSV感染症では、皮膚や粘膜にとても小さな水疱が集団で出現します。

いったん治まっても、ウイルスは感染部位へ神経線維を供給する神経細胞が集まった神経節の中で休眠(潜伏)状態になって存在し続けます。

その後、ウイルスは周期的に再活性化し、増殖を始め、神経線維を伝わって皮膚へ戻り、以前の感染部位と同じ部位に水疱を出現させます。

見た目に明らかな水疱がなくても、皮膚や粘膜にウイルスが存在することもあります。


潜伏していたHSVが再活性化して口唇ヘルペスや陰部ヘルペスになるときは、発熱、月経、精神的ストレス、免疫機能の低下などが引き金になっていることがあります。

口唇ヘルペスは、歯科治療を受けた後や唇が過度に日焼けした後など、物理的外傷に引き続いて起こることがあります。

誘因が不明な場合もよくあります。





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2011年2月16日水曜日

感染症の病気 『ウイルスによる感染症 かぜ2』 

かぜ 予防


かぜを起こすウイルスにはたくさんの種類があり、それぞれが時がたつにつれ少しずつ変化するため、有効なワクチンはまだ開発されていません。

衛生面に気をつけることが最善の予防策です。

多くのかぜウイルスは感染者の分泌物に触れることで広がるので、かぜを引いている人とその家族、職場の同僚などは、手洗いを頻繁に行うことが大切です。

くしゃみやせきをするときはティッシュペーパーで口を覆い、済んだらきちんと捨てます。

かぜを引いている人は、できれば別の部屋に寝た方がよいでしょう。

せきやくしゃみが出る場合は、他の人にうつすといけないので、学校や仕事を休むべきです。

複数の人が使う共有物や室内の手で触れる部分のふき掃除も、かぜのウイルスが広がるのを抑えるのに有効です。


エキナシアやビタミンCの大量摂取(1日2000ミリグラムまで)はかぜに効くといわれますが、実際にかぜを予防するかどうかは証明されていません。

インターフェロンを鼻に噴霧すると、ライノウイルスによるかぜにかかる率が下がります。

しかし、インターフェロンは鼻を刺激して出血を起こしたり、また他のウイルスには効きません。

かぜ 治療


かぜを引いたら温かく安静にして、他の人にうつさないようにします。

熱があったり症状が激しい場合は、外出を控えます。

水分を摂取し、加湿して蒸気や霧を吸入することは、分泌物をゆるくして外へ出しやすくします。


現在市販されている抗ウイルス薬はかぜには効きません。

治験段階にあるプレコナリルという抗ウイルス薬は、かぜの期間を短縮し、症状緩和に効果があるとされ、近い将来発売されるようになるでしょう。

抗生物質については、鼻水やせきで色のついた粘液が出たときでさえ、かぜには効きません。


エキナシア、亜鉛製剤、ビタミンCがかぜに効くとよくいわれます。

小規模の研究では、これらを有効とするものもありますが、厳密に管理された大規模臨床試験での有効性は確認されていません。


かぜの症状を緩和する薬がいくつか市販されています。

しかし、それらの薬はかぜを治すわけではなく、かぜ自体は1週間ほどでいずれにせよ治ってしまうので、こうした薬は症状によって飲んでも飲まなくてもよいとされるものです。

症状別にそれぞれ異なるタイプの薬剤があります。

血管収縮薬には鼻づまりを緩和する作用があり、抗ヒスタミン薬には鼻水を止める作用があります。

せき止めシロップには、たんをゆるくしてせきが出やすくなるようにするものと、せき自体を抑えるものがあります。

ほとんどが数種の薬剤を組み合わせた混合薬として市販されていますが、個別に入手することもできます。抗ヒスタミン薬は眠気を起こすことがあり、高齢者には特に問題となります。


アスピリンはライ症候群にかかる危険性が高くなることから、小児には勧められません。

せき止め薬についても、せきを無理に抑えてしまうと気道にたまった分泌物や異物を除去できなくなるので、安易な使用は避けるべきです。

ただし、睡眠を妨げるような激しいせきや、せきによる強い不快症状がある場合は、せき止め薬を使用してもよいでしょう。





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感染症の病気 『ウイルスによる感染症 かぜ』 

かぜはウイルスによる鼻、副鼻腔、のど、上部気道の粘膜の感染症です。


かぜは最もよくみられる病気の1つです。

さまざまな種類のウイルスがかぜの原因となりますが、100の亜型をもつライノウイルスが関係することが多いとされています。

ライノウイルスによるかぜは春と秋に多いなど、季節によって異なるウイルスがかぜの原因となっています。


かぜは、感染している人の鼻水など、かぜのウイルスを含んだ分泌物に手が接触することで主にうつります。

分泌物がついた手で、口、鼻、眼などをさわると、ウイルスが体内に侵入して、新たにかぜにかかります。

感染している人のせきやくしゃみで飛び散った飛沫(ひまつ)を吸いこんで感染することもあります。

かぜは症状が出てから最初の1〜2日間が最も感染力があります。

体が冷えるとかぜを引く、またはかぜを引きやすくなるということはありません。

体調の良しあしや食習慣、あるいは扁桃腺肥大やアデノイドなど鼻やのどの異常も、かぜの引きやすさに直接関係はないようです。


かぜ(感冒)症状 診断


かぜの症状は、感染してから1〜3日後に現れます。

最初に鼻やのどに不快感があり、くしゃみや鼻水が出て、やや体調が悪くなったように感じます。

熱が出ることはあまりありませんが、初めに少し出ることもあります。

鼻水は初めのうちは透明で水っぽく、煩わしいほどたくさん出ます。

やがて粘液性をもち、色は黄緑色に濁って、出る量も減ってきます。

せきもよくみられます。

症状は4〜10日でなくなりますが、せきは2週目に入っても続くことがよくあります。


合併症が起こると、病気が長びきます。

喘息(ぜんそく)の人の場合、ライノウイルス感染で喘息発作が誘発されることがあります。

かぜが原因となって中耳炎や副鼻腔炎などの細菌感染症が起こることもあります。

これは、鼻が詰まるとこれらの部位における分泌物の正常な排出が阻止されるため、たまった分泌物の中で細菌が増殖しやすくなるからです。

二次的な気管支炎や肺炎など、下部気道の細菌感染症が起こる人もいます。


たいていの場合、かぜは典型的な症状から診断できます。

高熱、激しい頭痛、発疹、呼吸困難、胸痛などがある場合は、その感染症は単なるかぜではないことが示唆されます。

かぜの診断に検査は必要ありませんが、合併症が疑われる場合は、血液検査やX線検査を行うことがあります。




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2011年2月15日火曜日

感染症の病気 『ウイルスによる感染症 』 

>天然痘の脅威?


天然痘(痘瘡[とうそう])は天然痘ウイルスが引き起こす感染性、致死性ともに非常に高い病気です。このウイルスは動物には感染せず、人にのみ感染します。


今から200年以上前に、世界で初めてのワクチンとして天然痘ワクチンがつくられました。このワクチンは優れた効き目があったので世界中で使われ、天然痘患者は着実に減少し続け、1977年に報告されたのが最後の患者となりました。


そして1980年には、世界保健機関(WHO)が天然痘の根絶を宣言し、ワクチンの廃止を勧奨するに至りました。


ワクチンの予防効果は時間の経過とともに消えていくので、現在天然痘の免疫をもっている人は、以前ワクチンを受けたことのある人を含めてほとんどいないことになります。


本来はそれで問題はないはずですが、ウイルスのサンプルが米国とロシアの研究機関にそれぞれ保存されていること、さらにロシア軍が生物兵器としての使用目的で天然痘ウイルスを大量に所持しているという報告もあり、懸念材料になっています。


もしこれらの筋からウイルスが漏れ出すようなことがあれば、感染の広がりは壊滅的なものになるでしょう。


天然痘ウイルスは、感染者が吐く息やせきの飛沫を含んだ空気を吸うことで、人から人へ感染します。


感染者が着用した衣服や使用した寝具と接触しても感染は広がります。


通常は感染者と密接に接触したことで感染するのが主で、学校や職場での集団感染はまれです。


ウイルスが外界で生きられるのは2日以内で、温度や湿度が高い場合はさらに短くなります。


天然痘の症状は感染の12〜14日後から始まり、発熱、頭痛、腰痛が起きて非常に具合が悪くなります。

激しい腹痛が起こり、せん妄状態になることもあります。


2〜4日すると、顔、腕、口の中に赤く平らな斑点ができ、すぐに胴体や脚へ広がります。


患者が感染力をもつようになるのは、この発疹が出てからです。

斑点は1〜2日後に水疱になって膿がたまり、8〜9日後にはかさぶたになります。


天然痘にかかった人の約30%が死亡しますが、多くの場合2週目に亡くなります。


治った人には、大きな醜いあばたが残ることがあります。


診断にあたっては、特有の斑点がある人で、特にその頃この病気の発症例がみられていれば天然痘を疑い、水疱や膿疱から採取したサンプルを培養または顕微鏡で検査し、ウイルスを検出して診断を確定します。


天然痘の脅威には予防接種で対処するのが最も有効です。

感染の危険にさらされた時点から数日以内にワクチンを接種すれば、発病を防ぐか、かかっても症状を軽くすることができます。

疑わしい症状のある人は、感染の拡大を防ぐため隔離の必要があります。

周囲で身近に接触する人たちに関しては、具合が悪くなって発疹が出ない限り感染を広げる危険はないので隔離の必要はありませんが、厳重な観察下におき、少しでも症状が出たら隔離します。


予防接種も、特に免疫機能が低下しているような人では危険です。

健康な人でも、まれではあるものの、天然痘ワクチンの副作用が起こることがあります。


以前に接種を受けたことのある人の方が、初めての人より副作用の出方は少なく、初めて接種を受けた人は約100万人に1人、以前に受けたことがある人は約400万人に1人の割合で、予防接種による死亡例がみられます。


天然痘に特定の治療法はありませんが、現在いくつかの抗ウイルス薬が研究されています。

呼吸と血圧の管理が治療の中心となり、細菌感染症が起こった場合はその治療を行います。






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感染症の病気 『真菌感染症 ウイルスによる感染症2 続き』

免疫はワクチン接種を受けることによっても得られます。


ウイルス感染症に対抗する薬を「抗ウイルス薬」と呼びます。

抗ウイルス薬は、ウイルスの複製を抑える作用をもっています。

ウイルスは非常に小さく、感染した細胞内で細胞自体の代謝経路を使って複製するので、抗ウイルス薬で攻撃できる代謝機能は限られます。

一方、細菌は比較的大きな生物で、一般に細胞の外で自己増殖するので、抗生物質で攻撃可能な代謝機能が多くあります。

これらの理由から、抗ウイルス薬の開発は抗生物質に比べて非常に難しいのです。

また、抗ウイルス薬は人の細胞に対して毒性をもったりします。

ウイルスが抗ウイルス薬に耐性をもつようになることもあります。


抗生物質はウイルス感染症には効きませんが、ウイルス感染症に加えて細菌感染症もある場合には、しばしば抗生物質が必要になります。


おそらくウイルス感染症で最もよくみられるのは、鼻、のど、気道の感染症です。

のどの痛み、副鼻腔炎、かぜ、インフルエンザなど、これらをまとめて「上気道感染症」と呼びます。

幼児では、クループ、気管の炎症(喉頭炎)、肺内部の気道の炎症(細気管支炎、気管支炎)もよくみられます。


狂犬病ウイルス、西ナイルウイルス、数種の脳炎ウイルスなど一部のウイルスは神経系を侵します。

ウイルス感染症は皮膚にも起こり、いぼやその他の小さな病変をつくります。

また、特に乳幼児はさまざまなウイルスに日常的に感染します。


ヘルペスウイルスによる感染症もよくみられます。

人に感染するヘルペスウイルスは8種類あります。

このうち、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、水痘帯状疱疹ウイルスの3種類は、感染して皮膚に水疱(すいほう)をつくります。

エプスタイン‐バー(EB)ウイルスは伝染性単核球症を起こします。

サイトメガロウイルスは、新生児や免疫機能の低下した人に重度の感染症を引き起こしますが、免疫機能が正常な人の場合は、伝染性単核球症に似た症状が現れます。

ヒトヘルペスウイルス6型と7型は、突発性発疹として知られている小児の病気を引き起こします。

ヒトヘルペスウイルス8型は、エイズ患者に発症するカポジ肉腫という癌との関連が示唆されています。


ヘルペスウイルスはすべて、宿主細胞の中で休眠(潜伏)状態になるため、感染は終生続きます。

そして、ウイルスがときどき活性化すると、病気の症状が現れます。

再活性化は最初の感染のすぐ後に起こることもあれば、何年もたってから起こることもあります。


続き>>天然痘の脅威がよみがえる?

感染症の病気 『真菌感染症 ウイルスによる感染症 』

ウイルスは真菌や細菌よりさらに小さく、生きた細胞に侵入しないと増殖(複製)ができない感染性微生物です。

ウイルスは細胞に付着して侵入し、細胞内で自身のDNAやRNAを放出します。

このDNAやRNAは、ウイルス自身を複製するために必要な情報を含んだ遺伝子コードです。

ウイルスの遺伝物質が細胞を支配するようになり、強制的にウイルスを複製します。

感染した細胞は、正常な機能ができなくなるので通常は死にますが、細胞が死ぬ前に新しくできたウイルスが放出され、他の細胞に感染していきます。


ウイルスの中には、細胞を殺さずにその機能を変えてしまうものがあります。

あるものは細胞に感染して、正常な細胞分裂を制御不能にし、癌(がん)化させてしまいます。

また、遺伝物質を宿主の細胞の中に潜ませて休眠状態になり(潜伏感染)、細胞が障害を受けると再び増殖を始めて病気を起こすようなものもあります。


普通、ウイルスはそれぞれ決まったタイプの細胞にのみ感染します。

たとえば、かぜのウイルスは上気道の細胞だけに感染します。

また、大半のウイルスは感染する植物や動物の種類が決まっており、人だけに感染するウイルスもあります。

ウイルスはさまざまな経路で感染します。

口から入るもの、呼吸により吸いこまれるもの、蚊やダニなどの昆虫や寄生虫が刺すことによって感染するものなど多岐にわたります。


ウイルスに対して、体は数々の防御機能を備えています。

皮膚のような物理的バリアーは、ウイルスが簡単に侵入できないように防御します。

ウイルスに感染した細胞はインターフェロンという物質を放出し、まだ感染していない細胞がウイルスに感染しないよう抵抗性を高めます。


ウイルスが体内に侵入すると、体の免疫防御機能が稼働します。

これらの防御機能では、まず、リンパ球などの白血球が、ウイルスやウイルスに感染した細胞を攻撃して破壊する術を身につけます。

体がこの闘いに勝った場合、リンパ球は侵入したウイルスを「覚えて」いて、次に同じウイルスが感染したときには、より早く効果的に対処できるようになります。

このしくみを「免疫」と呼びます。


続きます>>>>











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2011年2月14日月曜日

感染症の病気 『真菌感染症 スポロトリクム症 』

スポロトリクム症は、スポロトリクス‐シェンキィという真菌による感染症です。


この真菌はバラやメギの茂み、ミズゴケ、敷きわらなどで繁殖し、農業従事者、植木屋、


園芸家などが感染するケースがほとんどです。


小さな刺し傷などから侵入します。


主に皮膚や付近のリンパ管に感染し、非常にまれですが、骨、関節、


肺などの組織に感染することもあります。


スポロトリクム症 症状 診断


皮膚の感染症では、最初に指に小さな硬いこぶ(結節)ができ、


徐々に大きくなり、潰瘍になります。


その後、数日から数週間かけて、感染症はリンパ管を通って指から手、腕、


リンパ節へと、結節と潰瘍を生じながら広がっていきます。


この段階になっても、痛みはほとんどなく、他の症状もありません。


肺に感染すると肺炎になり、軽い胸痛とせきが出ます。

肺への感染症は、肺気腫など別の病気をもっている人に多くみられます。

関節に感染すると腫れて、動かすときに痛みます。まれに、他の部位への感染症がみられます。


特有の小さな結節と潰瘍がある場合、医師はスポロトリクム症を疑います。

診断は、感染組織のサンプルを採取して培養し、スポロトリクス‐シェンキィを検出して確定します。


スポロトリクム症 経過 治療


皮膚のスポロトリクム症の進行はたいへん遅く、命にかかわることはめったにありません。


治療にはイトラコナゾールを服用します。


ヨウ化カリウムが代わりに使用されることがありますが、効果が劣る上、


発疹や鼻水、眼、口、のどの炎症などの副作用もあります。


肺と骨の感染症もイトラコナゾールで治療します。


命にかかわる全身性の感染症には、アムホテリシンBを静脈注射します。






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