2011年2月19日土曜日

感染症の病気 『サイトメガロウイルス 』

サイトメガロウイルスはよくみられるヘルペスウイルスで、一般に、胎児のときに感染した乳児や、


免疫機能が低下している人に病気を引き起こします。


ヘルペスウイルスの1種であるサイトメガロウイルス(CMV)による感染症は、


非常によくみられるもので、血液検査をすると、


成人の60〜90%は過去にCMV感染症にかかったことがあるといわれます。


普通は感染しても症状は出ませんが、胎児のときに感染した乳児や、


エイズや臓器移植などで免疫機能が低下している人は症状が重くなります。


臓器移植を受けた人は、移植の過程で免疫抑制薬の投与を受けているので、


特にCMVに感染しやすい傾向があります。


CMVは感染しやすく、


感染者の尿や唾液(だえき)中に何カ月間にもわたって検出されることもあります。

ウイルスは、子宮頸管粘液、精液、便、母乳にも排出されるので、


性的および非性的な感染の両方があります。

汚染血液の輸血によって感染することもあります。


症状は、感染後すぐに現れます。


CMVは一生涯にわたって感染した人のさまざまな組織の中で休眠状態になって存続し、


いろいろな刺激が潜伏しているCMVを再活性化して、病気を起こすこともあります。


症状


CMVに感染しても、大半の人には何も症状はありません。たまに、

健康な人が感染して熱や具合の悪さを感じることがあるくらいです。


10代や20代の若い人の場合は、発熱やけん怠感など伝染性単核球症と似た症状が起こることがあります。


CMVに汚染された血液の輸血を受けた人では、2〜4週間後に発熱やときに肝炎が起こります。


免疫機能が低下している人がCMVに感染すると、症状が重くなりがちで、死亡することもあります。


エイズ患者では、CMV感染症は最もよくみられるウイルス性の合併症です。


このウイルスは眼の網膜に感染することが多く(CMV網膜炎)、失明の危険があります。


脳に感染して脳炎を起こしたり、腸や食道に潰瘍ができたりすることもあります。


妊婦が感染すると、流産、死産、新生児の死亡を起こします。


死亡は、出血、貧血、肝臓や脳への重大な障害が原因です。


聴覚障害や精神遅滞といった障害が新生児に現れることもあります。


診断と治療


CMV感染症は徐々に発症するため、すぐには気づかないこともあります。


ただし、免疫機能が低下している人では、医師はまずCMV感染症の可能性を考えます。


CMV感染症の疑いがあれば、体液や組織を検査してウイルスを検出します。


新生児の場合は尿の培養で、またそれ以外の人は血液や肺の検体を培養して診断します。


CMV網膜炎の人は、検眼鏡(眼の内部を検査するための装置)で特有の異常を発見できます。


軽度のCMV感染症は、たいていの場合、治療をしなくても自然に治ります。


命や失明の危険がある場合には、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドフォビル、


ホスカルネットなどの抗ウイルス薬を使用します。


CMV網膜炎には、徐放性ガンシクロビルを含む小さな装置を眼の中に埋めこんだり、


フォミビルセンを直接眼に注射する治療が行われています。


これらの薬剤は深刻な副作用がある上、感染症そのものを治す薬ではありませんが、


進行を遅らせることができます。


免疫機能が回復したり、免疫抑制薬の使用を中止したりすれば、たいていの場合、


治療を行わなくてもCMV感染症は治まります。






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感染症の病気 『エプスタイン‐バー(EB)ウイルス』 

エプスタイン‐バー(EB)ウイルスは、


伝染性単核球症をはじめとする種々の病気を引き起こします。


EBウイルスによる感染症は大変よくみられる病気です。


たいていはかぜや他の軽いウイルス感染症に似た症状を起こしますが、


10代や20代の若い人の場合は、


異なった症状でより重いEBウイルス感染症にかかることがあります。


これは「伝染性単核球症」と呼ばれます。


名前の通り血液中に白血球の1種である単核球が増える病気で、


EBウイルスに感染している人とキスをしたり親密な接触を行ったりして感染します。


EBウイルスはまれに、バーキットリンパ腫や鼻やのどにできるある種の癌など、


珍しい型の癌を起こす原因になることがあります。


特定のウイルス遺伝子が、感染した細胞の細胞分裂周期を変化させ、


細胞を癌化させることから起こると考えられています。


EBウイルスはまた、慢性疲労症候群に関係しているともいわれていますが、


根拠は不十分であり、議論の分かれるところです。


診断と合併症


EBウイルスが起こす症状は多岐にわたりますが、


その理由はウイルスの株の違いという以外、まだはっきりとは解明されていません。


5歳以下の小児では、感染しても症状は現れないケースが大半です。


思春期の若者や成人の場合、症状は出ることもあれば出ないこともあり、


感染してから症状が出るまでの潜伏期間は30〜50日ほどです。


伝染性単核球症の主な症状は、極度の疲労、発熱、のどの痛み、


リンパ節の腫れの4つですが、誰でも4つの症状がすべて現れるとは限りません。


まず、けん怠感が数日から1週間ほど続き、その後、発熱し、のどが痛み、


リンパ節が腫れてきます。


熱は午後から夕方にかけて最も高くなり、39.5℃近くまで達します。


のどがひどく痛み、のどの奥に膿(うみ)のようなものがあることがあります。


リンパ節は広い範囲で腫れますが、特に首のリンパ節が腫れるケースがよくあります。


疲労感は初めの2〜3週間で顕著ですが、6週間以上続くこともあります。


伝染性単核球症では、50%以上に脾臓(ひぞう)の腫れがみられます。


症状はほとんどありませんが、外傷が加わると破裂するおそれがあります。


肝臓にも軽い腫れがみられます。


黄疸(おうだん)や眼の回りの腫れが起こることもあります。


発疹はまれですが、


EBウイルスに感染している人がアンピシリンという抗生物質を服用すると、


発疹が出ます。


ほかに非常にまれな合併症として、けいれん発作、さまざまな神経障害、脳炎、


脳や脊髄を包む膜の炎症(髄膜炎)があります。


病気の期間は人によりますが、急性期は2週間ほどで、


その後は大半の人が通常の活動ができるようになります。


ただし、疲労感はさらに数週間続くことがあり、数カ月以上になることもあります。


エプスタイン‐バー(EB)ウイルス診断


伝染性単核球症の症状は、他のウイルス感染症や細菌感染症の症状と似ているので、


診断の確定には、EBウイルスに対する抗体を検出するための血液検査を行います。


血液中に「異型リンパ球」と呼ばれる特徴的な単核の白血球が多数存在することが、

伝染性単核球症の最初の徴候であることもあります。


エプスタイン‐バー(EB)ウイルス 治療


伝染性単核球症の場合、熱、のどの痛み、けん怠感がなくなるまでは、


安静を保つ必要があります。


脾臓の破裂を避けるため、脾臓の腫れが顕著でなくても、


6〜8週間は重いものを持ち上げたり、

人と接触するスポーツをしたりするのは避けましょう。



熱やのどの痛みは、

アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(アスピリンやイブプロフェン)


で和らげることができますが、

アスピリンはライ症候群という命にかかわる病気を起こす危険があるので、


小児には使用しないようにします。


気道がひどく腫れる場合は、ステロイド薬で治療します。


現在入手可能な抗ウイルス薬は、どれも伝染性単核球症には効かないので、


使用すべきではありません。








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2011年2月18日金曜日

感染症の病気 『帯状疱疹(たいじょうほうしん) 診断 治療』 

帯状疱疹 診断


水疱が出現する前に帯状疱疹と診断するのは難しいですが、体の片側だけに痛みが漠然と帯状に出ることが手がかりになります。

侵される神経によっては、盲腸、腎臓結石や胆石、大腸炎で起こる痛みと似た痛みが生じます。


しかし、ひとたび水疱が神経根に沿って特徴あるパターンで現れれば、診断に迷うことはありません。


検査はほとんど行われませんが、診断を確定するために使われることもあります。

帯状疱疹 治療

帯状疱疹に効く抗ウイルス薬は数種類あります。


よく使われるのは、ファムシクロビル、バラシクロビル、アシクロビルなどの経口抗ウイルス薬で、特に高齢者や免疫機能の低下している人に投与されます。


これらの薬剤は病気を治すわけではありませんが、症状を緩和し、病気の期間を短縮する効果があります。

コルチコステロイド薬を併用すると効果的との報告もあります。


細菌による二次感染症を防ぐには、皮膚を清潔に保ち、乾いた状態にしておくことが大切です。


鎮痛薬が必要になることもあります。


非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンを使用しますが、オピオイド系の経口薬が必要になることもよくあります。





※帯状疱疹後神経痛とは


帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹ウイルスに感染した神経が支配する皮膚領域に起こる慢性的な痛みをいいます。


この痛みは、帯状疱疹にかかった後数カ月から数年にわたってしつこく続きますが、その間ウイルスが活発に増殖しているわけではなく、なぜ痛みが続くのかはよくわかっていません。


帯状疱疹後神経痛の痛みは、絶え間なく続く場合もあれば間が空くこともあり、夜間に悪化したり、暑さや寒さでひどくなったりすることもあります。


痛みで他のことが手につかなくなる場合もあります。


帯状疱疹後神経痛は主に高齢者に多く起こります。


50歳以上で帯状疱疹にかかった人の25〜50%に、ある程度の帯状疱疹後神経痛がみられます。


しかし、帯状疱疹にかかった人の全体からみれば、帯状疱疹後神経痛を発症するのは10%程度にすぎず、激しい痛みを訴えるケースも非常に限られています。


ほとんどの場合、痛みは1〜3カ月で治まりますが、10〜20%のケースで1年以上続きます。


まれに10年以上続くこともあります。


これまで多くの治療法が試されてきましたが、決め手となるような治療法は確立していません。


コルチコステロイド薬を脳脊髄液へ直接投与するのが効くといわれています。


ほとんどの場合、痛みは軽く特別な治療は必要ありませんが、中には強力な鎮痛薬が必要となる人もいます。









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感染症の病気 『帯状疱疹(たいじょうほうしん) 症状 合併症』 

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、激しい痛みを伴う水疱が皮膚に出現します。


水ぼうそう(水痘)と帯状疱疹は、いずれも水痘帯状疱疹ウイルスが起こす病気です。


水痘帯状疱疹ウイルスの初回感染では水ぼうそうになり、何年もたってからウイルスが再び出現した場合には帯状疱疹になります。


水ぼうそうにかかると、ウイルスは血流に入り、脳神経や脊髄(せきずい)神経の神経節に広く感染し、そこで休眠状態となって存続します。


ウイルスは二度と症状を引き起こさないこともあれば、何年もたってから再び活性化することもあります。


再活性化したウイルスは神経線維を伝わって皮膚へ戻り、痛みのある水ぼうそうに似たびらんを生じます。


びらんはほとんど必ず、感染した神経線維の集まりが分布する体の片側の皮膚に限って帯状に発生します。


この部位を皮膚分節と呼びます。


HSV感染症と異なり、帯状疱疹の発症は一生に一度といわれています。


帯状疱疹はどの年齢にも起こりますが、50歳以上によくみられます。


再活性化の原因は不明ですが、エイズやホジキン病、免疫抑制薬の使用などで免疫機能が低下している場合に起こることがあります。


ただし、帯状疱疹が起こったからといって、ほかに重い病気があるとは限りません。


帯状疱疹 症状 合併症


帯状疱疹にかかると、水疱ができる3〜4日前から体調が悪くなり、悪寒、発熱、吐き気、下痢、排尿障害がみられます。


皮膚に痛み、ピリピリした感覚、かゆみが起こることもあります。


その後、縁が赤い小さな水疱がかたまって発生します。


水疱ができるのは、感染した神経が支配する領域の皮膚に限られます。


ほとんどの場合、水疱は胴体の左右どちらかの側にだけできますが、他の部位にも少数の水疱ができることもあります。


患部はどんな刺激にも敏感に反応し、軽く触れただけでも激しく痛みます。


小児の場合は、成人に比べて症状は一般に軽い傾向にあります。


水疱は出現してから5日ほどで乾いてかさぶたになります。


かさぶたができるまでは、水疱には水痘帯状疱疹ウイルスが入っているため、他の人にうつると水ぼうそうになることがあります。


水疱が広い範囲に及んだり、2週間以上も治らない場合は、免疫機能が正常に働いていないことが考えられます。


帯状疱疹は一度かかると終生免疫が得られ、再発するのは5%以下です。


皮膚に瘢痕が大きく残ることもありますが、ほとんどの場合、後遺症もなく回復します。


ただし、特に高齢者の場合は帯状疱疹後神経痛に移行し、患部に慢性的な痛みが続くことがあります。


眼を支配する顔面神経に症状が出た場合はかなり深刻で、適切な治療をしないと視力に影響が出ることがあります。









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2011年2月17日木曜日

感染症の病気 『単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 診断 治療』 

HSV 診断


HSV感染症の診断は、通常は難しくありません。

不確かなときは、綿棒で患部をこすり、検査室で培養してウイルスを同定します。

水疱からこすり取った検体を顕微鏡で検査することもあります。

ウイルス自体は顕微鏡ではみえませんが、ウイルス感染症に特徴的な大型化した感染細胞(巨細胞)が確認されることがあります。

HSVに対する抗体を調べる血液検査や、びらん部分の生検も診断に有効です。

新しいタイプの血液検査では、HSV-1感染症とHSV-2感染症の区別も可能です。


HSV 治療


HSV感染症を根絶できる抗ウイルス薬は今のところまだありません。

また、口や陰部のヘルペス感染症では、初回感染のときに治療しても、神経への慢性感染を予防することはできません。

治療を施すことで、再発時の不快感をある程度緩和し、病気の期間を1〜2日短縮することは可能です。

治療の開始は早いほどよく、最初にピリピリした感じや不快感が現れてすぐ、まだ水疱が現れないうちに始めるのが効果的です。

頻繁に痛みが起こる場合には、抗ウイルス薬による持続治療で再発の回数を抑制できます。


ペンシクロビルのクリームを塗ると、単純ヘルペスの回復が1日ほど早まります。

ドコサノールやテトラカイン含有の市販薬にも、ある程度の効果はありますが、アシクロビル、バラシクロビル、またはファムシクロビルを数日間内服するのが最も効果的な治療方法です。

重症のHSV感染症は、アシクロビルの静脈注射で治療します。

単純ヘルペス角膜炎の人には通常、トリフルリジンの点眼薬を投与します。


口唇や陰部の再発ヘルペスで、さほど不快感が強くない場合には、患部をせっけんと水で優しく洗い、清潔を保つことで十分な治療になります。

氷で冷やすと気持ちが良く、腫れも引きます。


単純ヘルペスは感染力があるので、口唇ヘルペスに感染している人は、ただれが発生している間はキスなどはしない方がよいでしょう。

陰部ヘルペスに感染している人は、必ずコンドームを使用すべきです。

目に見える水疱がなくても、ウイルスは陰部の表面に存在しており、セックスパートナーに感染する可能性があります。







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感染症の病気 『単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症 症状 合併症』 

口に初めてHSVが感染したときは、通常、口の内側にびらんができます(ヘルペス性歯肉口内炎)。

さらに、全身にけん怠感を覚え、発熱、頭痛、全身の痛みが出てきます。

口内炎は10〜14日ほど続き、ものを食べたり飲んだりするのが非常に辛くなるほど、症状はかなり重くなります。

口の初回感染の場合、歯肉の腫れが唯一の症状であったり、症状がないこともあります。

ヘルペス性歯肉口内炎は小児に最もよくみられます。


口のHSV感染症の再発は口唇ヘルペスと呼ばれ、かぜがきっかけとなって現れることがよくあります。

発疹は唇に発生しますが、まず、唇にピリピリした痛みが生じ、数分から数時間すると赤くなって腫れてきます。

そして、水疱ができて破れ、びらんが残ります。

びらんの部分はすぐにかさぶたになり、かさぶたは1週間ほどで取れて治ります。

たまに、ピリピリした痛みと発赤だけが生じ、水疱ができないこともあります。

また、びらんの小集団が歯肉や口蓋(こうがい)にできることもあります。

これも1週間ほどで治ります。


HSVによる陰部の初回感染症では症状が重くなり、痛みを伴った水疱がたくさんできて、長びきます。

熱が出て全身のけん怠感があり、排尿時に焼けるような痛みを感じることもあります。

一方、感染しても症状が出ない場合もたまにあります。

陰部ヘルペスの再発症状では、水疱ができる数時間前から2〜3日前に、そ径部にピリピリした感覚や不快感、かゆみ、うずくような痛みなどの症状が起こります。

次に、周りが赤く縁になって痛みのある水疱が陰部の皮膚や粘膜にでき、すぐに破れてびらんになります。

水疱が太もも、尻、肛門周辺にできることもあります。

女性の場合は外陰部にできることがあり、見てすぐにわかり、強い痛みを伴います。

腟(ちつ)や子宮頸部(しきゅうけいぶ)など体の内側にできた場合は、見えないことに加えて、痛みもそれほど感じません。

陰部ヘルペスの再発はたいていの場合、1週間ほどで治ります。


免疫機能が低下している人では、陰部ヘルペスや口内ヘルペスが再発すると、びらんが徐々に大きく広がり、治るのに何週間もかかることがあります。

感染が体内で進行し、食道から肺へ広がることもあります。

食道に潰瘍(かいよう)ができると、食べものを飲みこむときに痛み、肺が感染すると、せきや息切れを伴う肺炎になります。


HSV-1やHSV-2が指の皮膚の小さな傷から入ると、指先が赤く腫れて痛みます(ヘルペス性ひょう疽)。


HSV-1が眼の角膜に感染することもあります(単純ヘルペス角膜炎)。

単純ヘルペス角膜炎になると、痛みのあるびらんができ、視力障害が起こります。

やがて角膜が濁り、視力がひどく損なわれ、角膜移植が必要となります。


アトピー性湿疹のある大人や乳幼児では、湿疹の部分に命にかかわるHSV感染症が起こることがあります(ヘルペス性湿疹)。

このため、アトピー性湿疹がある人は、活動性のヘルペス感染症にかかっている人に近寄ることは避けなくてはなりません。


HSVは皮膚と体表のみに感染するのが普通ですが、まれに脳などの内臓にも感染します(ヘルペス脳炎)。

ヘルペス脳炎は、錯乱、発熱、けいれん発作などで始まり、致死的な病気です。


まれに、妊娠している女性から胎児や新生児にHSV感染症がうつることがあります(新生児ヘルペス)。

感染は通常、産道で感染性の分泌物と接触する出産時に起こります。

母親の腟に、目に見えるびらんがある場合に感染は起こりやすいのですが、明らかなびらんがない母親から感染するケースも多数あります。

まれに、妊娠中にHSVが胎児に感染することもあります。

HSVに感染して生まれた新生児の状態は重篤で、病気が広がって、すでに脳や皮膚に感染していることもあります。

治療をしないと3人に2人は死亡し、治療を行っても多くの場合、脳障害が残ります。








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感染症の病気 『単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症』 

単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症では、皮膚や粘膜に小さな痛みのある水疱が繰り返し発生します。


単純ヘルペスウイルスにはHSV-1とHSV-2の2つの型があります。

HSV-1は唇にできる単純ヘルペス(口唇ヘルペス)や、眼の角膜にできるびらん(単純ヘルペス角膜炎)の原因となるウイルスです。

HSV-2は陰部ヘルペスの原因となります。

この違いは絶対的なものではなく、HSV-1が陰部ヘルペスを起こすこともあります。

これらの感染症は、患部を直接さわることによってうつりますが、慢性感染症の場合は、びらんができていない時期でも口や陰部に接触すると感染することがあります。


HSV感染症では、皮膚や粘膜にとても小さな水疱が集団で出現します。

いったん治まっても、ウイルスは感染部位へ神経線維を供給する神経細胞が集まった神経節の中で休眠(潜伏)状態になって存在し続けます。

その後、ウイルスは周期的に再活性化し、増殖を始め、神経線維を伝わって皮膚へ戻り、以前の感染部位と同じ部位に水疱を出現させます。

見た目に明らかな水疱がなくても、皮膚や粘膜にウイルスが存在することもあります。


潜伏していたHSVが再活性化して口唇ヘルペスや陰部ヘルペスになるときは、発熱、月経、精神的ストレス、免疫機能の低下などが引き金になっていることがあります。

口唇ヘルペスは、歯科治療を受けた後や唇が過度に日焼けした後など、物理的外傷に引き続いて起こることがあります。

誘因が不明な場合もよくあります。





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