2011年4月12日火曜日

消化器の病気 『消化性の病気 -胃腸炎 続き』 

胃腸炎 予防  

胃腸炎の原因となる感染症は、ほとんどの場合人から人へと広がります。


特に、感染した便に直接または間接的に接触することにより広がるので、



排便後にせっけんと水でていねいに手洗いをすることが最も効果的な予防法です。


食べものからの感染を予防するには、肉類や卵を十分に加熱調理し、


食べきれない料理は調理後すぐに冷蔵庫に保管します。


乳製品とリンゴジュースは殺菌処理されたものだけを飲むようにします。


乳児の胃腸炎を防ぐには、母乳を与えることが簡単で最も効果の高い方法です。


胃腸炎 治療



多くの場合、胃腸炎に対して必要な治療は、水分を十分に補給することだけです。


嘔吐している場合でも、少量ずつに分けてできるだけ多く水分を摂取します。


嘔吐や下痢が長びいたり極度の脱水症に陥った場合には、点滴で水分と電解質を補給することが必要となります。


特に小児は脱水症になりやすいので、適量の塩分と糖分が入った飲みものを与えます。


これには、水分と電解質の補充を目的とした市販の清涼飲料水が適しています。


炭酸飲料、お茶、エネルギー補給用のスポーツドリンク、カフェインの入った飲みもの、フルーツジュースは不適切です。


成人で強い嘔吐がある場合は、注射か座薬の制吐薬が処方されることがあります。


しかし幼い小児には普通、制吐薬を使いません。


症状が緩和したら、調理して軟らかくしたシリアル、バナナ、ご飯、すりおろしたリンゴ、トーストなどの刺激のない食べものを徐々に摂取するようにします。


刺激のない食べものを取った後12〜24時間たっても下痢が続く場合で、重篤な細菌感染症を示すような血便がみられないときは、


ジフェノキシレートが処方されたり、ロペラミド、次サリチル酸ビスマスなどの市販薬を服用するよう指示されます。



これらの薬も幼い小児には用いません。


抗生物質はそれ自体が下痢を起こし、また、抗生物質に耐性をもつ細菌を発生させる原因になるので、一般には治療薬として不適切です。


ある細菌が胃腸炎の原因であるとわかっている場合でも普通は使用しません。


しかしカンピロバクター属、赤痢菌属、ビブリオ属など、特定の細菌が原因である胃腸炎には使用されます。






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消化器の病気 『消化性の病気 -胃腸炎 続き』 

胃腸炎 症状


どのような症状がどの程度の強さで生じるかは、体内に入った細菌や毒素の種類と量によって異なります。


また個人の抵抗力によっても症状は違います。


普通は、食欲不振、吐き気、嘔吐が急に始まり、ときには劇的に進行することもあります。


腸がゴロゴロ鳴り、腹部のけいれん痛も起こります。


最もよくみられる症状は下痢で、便に血液や粘液が混じることもあります。


腸が腸内ガスでふくらんで痛みを伴います。


発熱や、全身の体調不良、筋肉痛と極度の疲労感が生じることもあります。


激しい嘔吐や下痢があると、脱水症が起こります。


脱水症の症状は脱力、尿量減少、口渇などで、乳児の場合は泣いても涙が出なくなります。


多量の嘔吐や下痢をすると血液中のカリウム濃度が低下します(低カリウム血症)。


血液中のナトリウム濃度も低下します(低ナトリウム血症)。


特に、塩分が少ないかまったく入っていない水やお茶などの飲みもので水分を補給すると、低ナトリウム血症を起こしやすくなります。


水分量と電解質バランスは非常に重要で、特に若年者、高齢者、慢性疾患がある人ではこれが損なわれると危険な状態になります。


胃腸炎 診断


胃腸炎は症状から診断がつきますが、その原因を突き止めるのは簡単ではありません。


職場の同僚が同じ時期に似たような症状を起こしていることもあります。


調理が適切でなかった料理や、腐敗した食品、生の魚介類、冷蔵庫から出して長時間放置されたマヨネーズなど、汚染された食べものは胃腸炎の原因になります。


海外、特に特定の国への最近の旅行は、原因の手がかりになることがあります。


症状が重い場合や48時間以上継続する場合は、便を検査して、白血球数や、細菌、ウイルス、寄生虫などの有無を調べます。


まれに、嘔吐物や食べもの、血液の検査から原因が特定できることもあります。


症状が数日以上継続する場合は大腸ファイバー(柔軟な観察用チューブ)で大腸を検査し、潰瘍性大腸炎などがないかを確認します。








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消化器の病気 『消化性の病気 -胃腸炎』 

胃腸炎とは、通常は微生物による感染症や毒性の化学物質の摂取によって起こる胃腸疾患です。


胃腸炎では下痢が起こりますが、その程度は軽症から重症までさまざまです。


また、食欲不振、吐き気、嘔吐、けいれん痛、腹部不快感などの症状も伴います。


普通、健康な成人では症状が軽く、不快感と多少の体調不良が起こるだけですが、


病気で衰弱している人や、若年者、高齢者では、脱水症(水分バランス: 脱水を参照)が起きたり、


体液の電解質バランスが崩れたり(ミネラルと電解質: はじめにを参照)して命にかかわることがあります。


胃腸炎 原因


胃腸炎を起こす細菌の中には人から人へと広がるものがあり、特に、下痢をした人が排便後によく手を洗わないと感染しやすくなります。


また、感染した人の便で汚染された食べものや飲料水から感染が広がることもあります。


広がる対象は1人のこともあれば大勢の場合もあり、この場合、大勢の人が突然発症することを流行といいます。


種類にかかわらずほとんどすべての食品は、加熱や殺菌が不十分だと細菌で汚染されて胃腸炎の原因になります。


ときには、泳いだ池の水が動物の便で汚染されていたり、プールの水が他の人の便で汚染されていたなど、汚染された水を予想外の状況で飲んで感染することもあります。


また、その他の感染経路として、感染性の微生物を保有している動物に接触して胃腸炎を起こすことがあります。


細菌の種類によっては、腸壁の細胞から電解質と水を分泌させるような毒素を産生するものがあります。


コレラ菌が産生する毒素がその例で、コレラの主症状である水様性の下痢を起こします。


コレラ菌以外のビブリオ属の菌は生の貝類に含まれていることが多く、コレラ同様の下痢を起こしますがその症状は幾分軽くてすみます。


大腸菌はありふれた細菌ですが、その毒素によって旅行者下痢症や病院の乳児室での集団下痢を起こすことがあります。


大腸菌やカンピロバクター属、赤痢菌属、サルモネラ属の細菌のうち一部の種は、腸の粘膜に侵入する性質をもっています。


粘膜に入りこんだこれらの菌は、細胞を破壊して小さな傷(潰瘍[かいよう])をつくります。


その傷から出血が起きたり、タンパク質や電解質、水分を含む体液が大量に漏れ出ることになります。


細菌のほかにも、ロタウイルス、ノーウォークウイルスなど胃腸炎を起こすウイルスが数種類あります。


冬季に気候が温暖な地域で起こる下痢は、原因の大半がロタウイルスで、乳児や幼児では症状が重く入院が必要になります。


腸に寄生する一部の寄生虫、特にランブル鞭毛虫(べんもうちゅう)は腸粘膜に取りついたり侵入したりする寄生虫で、吐き気、嘔吐、下痢、全身の体調不良を引き起こします。


ランブル鞭毛虫の感染症はジアルジア症と呼ばれ、寒い地域に多い傾向がありますが、世界中のどの地域でもみられます。


この感染症が慢性化すると、栄養を体内に十分吸収できない状態が続きます。


これを吸収不全症候群といいます。その他の腸の寄生虫にはクリプトスポリジウムがあり、これは水様性の下痢を起こします。


ときに腹部のけいれん痛や、吐き気、嘔吐も伴います。


この寄生虫による感染症はクリプトスポリジウム症と呼ばれ、健康な人では症状は軽度ですが、免疫力が低下した人では重症になることがあり、ときには命にかかわります。


ランブル鞭毛虫もクリプトスポリジウムも、ほとんどの場合、汚染された水を飲むことによって感染します。


胃腸炎は、毒性のある化学物質を摂取することによっても起こります。


この場合は感染による胃腸炎ではありません。


毒性のある化学物質は、毒キノコなどの植物や特定の魚介類に含まれています。


また、ヒ素、鉛、水銀、カドミウムなどの化学物質で汚染された水や食べものを摂取したときにも胃腸炎が起こります。


かんきつ類やトマトなどの酸性食品を大量に摂取すると胃腸炎を起こす人もいます。



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2011年4月11日月曜日

消化器の病気 『消化性の病気 -胃食道逆流症 続き』 

食道逆流症 予防 治療


胃食道逆流症の症状を軽減する方法はいろいろあります。

就寝時には頭部を15センチメートルほど高くすると、胃酸が食道に逆流するのを防げます。

(1)脂質やチョコレートなどの特定の食べもの、
(2)喫煙、
(3)抗コリン作用薬、一部の抗うつ薬、カルシウム拮抗薬、硝酸塩など特定の薬は、


下部食道括約筋が弛緩する傾向を強める作用があるので、避ける必要があります。

部食道括約筋がしっかり閉じるよう、ベタネコールやメトクロプラミドなどのコリン作用薬が処方されることがあります。

コーヒー、アルコール、そのほか胃酸の産生を強く促すような物質や、胃に長くとどまる食べものも避けるようにします。


胃炎や消化性潰瘍の治療に使用される薬は、胃食道逆流症の予防と治療にも有効です。

たとえば就寝前に制酸薬を服用すると多くの人で効果がみられます。

制酸薬は食道に逆流する胃酸の量を減少させて、食道潰瘍の痛みを緩和します。

しかし、胃食道逆流症に最も有効な薬は、胃酸産生の抑制作用が強いプロトンポンプ阻害薬です。

胃食道逆流症ではごく少量の胃酸でも強い症状が現れることがあるからです。

潰瘍が治るまでには薬物療法を4〜12週間続ける必要があります。

潰瘍はゆっくり治っていきますが、再発する傾向があります。

慢性で重度の潰瘍では、治った後に食道の狭窄が残ります。


食道の狭窄には、薬物療法や器具による拡張が行われます。

器具による拡張では、風船状の器具であるバルーンや、

直径が徐々に大きくなるブジーという器具を狭窄部位に挿入します。

拡張が成功すればほぼ制限なく何でも食べられるようになります。


バレット食道では、治療によって症状が軽くなっても、

粘膜細胞の変化は消える場合もあれば消えない場合もあります。

そのためバレット食道の患者は、

癌化していないことを確認するため2〜3年ごとに内視鏡検査を受けるよう指示されます。


薬物療法で症状が改善しない場合や、

症状が改善しても食道炎が持続する場合は手術が必要になります。

また、薬を何年も飲み続けることを好まない人では、

手術が適していることもあります。

腹腔鏡を用いた、侵襲が最小限ですむ手術も可能です。

ただし、腹腔鏡手術を受けた人の20〜30%が嚥下困難、

腹部の膨張感、食後の腹部不快感などの副作用を経験します。












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消化器の病気 『消化性の病気 -胃食道逆流症 続き』 

胃食道逆流症 診断


胃食道逆流症は、その特徴的な症状から診断でき、


普通は詳しい検査を行わなくても治療を開始できます。

診断が確定できない場合や、治療をしても症状が改善されない場合には、


詳しい検査を行います。

診断を確定し合併症の有無を確認するため、


内視鏡(柔軟な観察用のチューブ)による検査、X線検査、


下部食道括約筋の圧力測定(食道内圧測定)、


食道のpH(酸性度)測定などの検査を必要に応じて行います。


内視鏡検査で食道炎やバレット食道が確認されると、


胃食道逆流症の診断が確定します。


また内視鏡検査は食道癌がないことを確認するためにも有効です。

X線検査では、バリウム溶液を飲んだ後に横になり、


頭部が足より低くなるよう寝台を傾けた状態で、


バリウム溶液が胃から食道に逆流するかどうかを観察します。


このとき医師は、逆流を起こしやすくするため腹部を少し押すこともあります。


バリウム造影X線検査では、食道潰瘍や食道狭窄の有無もわかります。


下部食道括約筋の圧力測定では括約筋の筋力がわかります。


これにより、括約筋の機能が正常と比較して低下していないかを確認できます。


この検査の結果は、外科手術が必要かどうかを判断するのに役立ちます。


胃食道逆流症を最も確実に診断できる検査は食道のpH測定だと考えている医師もいます。


この検査では、先端にセンサーがついた、


柔軟な細いチューブを鼻から食道へと入れます。


チューブの反対側の端は酸性度を自動的に測定・記録する装置につながっていて、


患者はこの装置がついたベルトを身に着けます。


検査時間は24時間が一般的です。


これにより、逆流がどの程度起きているかを調べることができ、さらに、


症状と逆流との関係も確認できます。


これは特に、症状が胃食道逆流症の典型的なものでない場合に役立ちます。


胃食道逆流症に対して手術を行う可能性がある場合は、


食道のpH測定を必ず行います。




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消化器の病気 『消化性の病気 -胃食道逆流症 続き』 

胃食道逆流症 症状  合併症


胃食道逆流症で最も多くみられる症状は胸やけ(胸骨の裏側の焼けるような痛み)です。


ときには痛みが首、のど、顔面にまで広がります。


胸やけに伴って、胃の内容物が口まで戻ってくることもあります。


逆流によって食道に炎症が起こると(食道炎)、出血することがあります。


出血量は普通はわずかですが、大量になる場合もあります。


出血した血液は、吐血となるか、黒いタール状の便(黒色便)となって排泄されます。


出血が大量に起こった場合は便が鮮紅色になります。


逆流を繰り返すと食道の粘膜が傷ついてただれ、潰瘍ができます。


食道潰瘍があると、ちょうど胸やけと同じ位置、


つまり胸骨の裏側やすぐ下に痛みが生じます。


胃食道逆流症によって食道が狭くなる(狭窄)と、


固形の食べものが次第に飲みこみづらくなります。


また、気道が狭窄するので息切れがし、


呼吸時にゼイゼイという音がするようになります。


このほか胸痛、のどのヒリヒリした痛み、声のかすれ、唾液分泌過剰、


のどに何か詰まったような感じ(心因性嚥下障害)、副鼻腔炎などの症状もみられます。


胃から食道への逆流が繰り返し起こって食道下部が長期にわたって刺激を受けると、


食道の内面を覆っている細胞の状態が変化します。


この状態をバレット食道といいます。


このような細胞の変化は、特に症状がなくても起きていることがあります。


この異常な細胞は前癌状態であり、まれに食道癌へと進行することがあります。





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消化器の病気 『消化性の病気 -胃食道逆流症 』 

胃食道逆流症(GERD)とは、


胃酸と消化酵素が胃から食道に逆流することで、


その結果、食道に炎症が起こって痛みが生じます。


胃は、自分自身の酸による損傷を受けないよう、胃粘膜により保護されています。


しかし食道にはこのような保護粘膜がないため、


胃酸や消化酵素が食道へと頻繁に逆流すると、


症状が現れたり食道粘膜に損傷が生じたりします。


食道の最下部には下部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があって、


胃の内容物が食道に逆流しないように防いでいますが、


この括約筋が正常に機能していないと胃酸と消化酵素の逆流が起こります。


重力があるため、立っているときや腰掛けているときは、


胃から食道への逆流はあまり起きません。


横になると逆流が起きやすいのはこのためです。


喫煙やチョコレートなど特定の食べものは括約筋の働きを低下させるため、


逆流が起きやすくなります。


また、食後は胃の内容物の量が多く、酸性度も高いため、


やはり逆流が起きやすくなります。


アルコールとコーヒーも胃酸の産生を亢進させます。


糖尿病やオピオイドの使用などによって胃に内容物が


長くとどまっている場合も逆流が起きやすい傾向があります。





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