2011年5月31日火曜日

消化管救急 『虫垂炎 続き』

虫垂炎 診断


症状と触診から虫垂炎を疑います。


血液検査では感染を示す中等度の白血球数増加を認めます。


虫垂炎の早期では腹部X線検査、超音波検査、


CT検査などの画像診断は意味がありません。


虫垂炎が強く疑われる場合はすぐに試験開腹を行います。


虫垂炎 治療


手術による虫垂の切除が基本です。


開腹の結果、虫垂に異常が認められなかった例も15%近くありますが、


腹痛の原因を特定するまで手術を遅らせると致死的となることがあります。


化膿した虫垂は、症状が出現してから24時間以内に破裂しますので、


虫垂炎とわかればすぐに切除します(虫垂切除術)。


虫垂炎が原因とはわからなくても、通常、虫垂を切除します。


早期に手術をすれば、虫垂炎によって死亡する危険は非常に低くなります。


普通2~3日の入院で退院でき、回復も早く、完治します。


虫垂が破裂すると、経過は非常に悪くなります。


50年前は虫垂の破裂によって死亡するケースが多くありました。


しかし現在では、手術と抗生物質によって、


虫垂炎による死亡率はほとんどゼロに近づいていますが、


繰り返し手術をしなくてはならなかったり


回復に時間がかかるケースがあります。













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消化管救急 『虫垂炎 』

虫垂炎は虫垂に炎症と感染症が起きた状態です。


虫垂は小腸から大腸への移行部近くに突き出た、指の形をした小さな管です。


虫垂には若干の免疫機能がありますが、生存に欠かせない臓器ではありません。


ヘルニアを除くと、虫垂炎は突然の激しい腹痛および


腹部手術の原因となる最もありふれた病気です。


虫垂炎は10~30歳に多く発症します。


原因はまだ完全にはわかっていませんが、おそらく虫垂に何かが詰まることから始まり、


炎症と感染症を起こすのではないかと考えられています。


炎症を治療しないまま放置しておくと、虫垂は破裂します。


すると細菌を含んだ腸の内容物が腹腔内へ漏出して腹膜炎を起こし、


命取りになることもあります。


また虫垂が破裂すると膿瘍(感染による膿がたまったもの)を形成します。


女性では卵巣や卵管が感染して、卵管が詰まり、不妊の原因となります。


また細菌が血流に乗って全身に広がると敗血症になり、命を脅かすこともあります。




虫垂炎 症状


虫垂炎の症状は、吐き気、嘔吐、右下腹部の激しい痛みなどとよくいわれていますが、


こうした症状を訴える人は半数もいません。


上腹部やへその回りが突然痛み出し、次に吐き気や嘔吐が起こります。


数時間もすると吐き気は止まり、痛みが右下腹部に移ってきます。


この部分を押して離したときに痛みがひどくなります(反跳痛)。


発熱は37.7~38.3℃です。


乳児や小児では特に、痛みは右下腹部というよりも腹部全体に広がります。


高齢者や妊婦は痛みがそれほど強くなく圧痛もありません。


虫垂が破裂すると、痛みがひどくなり高熱が出ます。


感染症が悪化すると、ショック状態(ショックを参照)に陥ります。




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2011年5月30日月曜日

消化管救急 『腹膜炎 続き』

腹膜炎 診断

診断は急を要します。

あお向けと立位のX線検査をして、


腹腔内に遊離ガスが認められれば、

消化管が穿孔している可能性があります。

場合によっては腹腔穿刺で膿を採取し、


感染臓器を特定し、原因菌を同定します。


これによって適切な抗生物質を選択します。


腹腔穿刺は比較的簡単で、


患者がベッドで起き上がっていても横になっていても行えます。


しかし最も信頼できる診断法は試験開腹です。


腹膜炎 治療


虫垂炎、消化性潰瘍の穿孔、憩室炎の可能性があれば、


ただちに試験開腹を行います。


急性膵炎、女性の骨盤内臓器の炎症性疾患、


突発性腹膜炎が原因と考えられれば、緊急手術は行われません。


しばしばいくつかの抗生物質が一度に投与されます。


またチューブを鼻から胃または腸へ入れて、たまっている水やガスを出します。


失った水分と電解質は静脈からの投与で補給します。












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消化管救急 『腹膜炎 続き』

腹膜炎 症状


嘔吐、発熱(38℃以上)、腹部の圧痛がみられます。


その他の症状は、感染症が炎症に続いて生じたかどうか、


また感染症の種類や広がりによっても異なります。


腹痛は限局したものもあれば腹部全体に及ぶものもありますが、


いずれの場合もひどく痛みます。


腹膜炎は、ただちに治療をしなければすぐに合併症が起こります。


放置しておくと、1つまたは複数の膿瘍が形成され、


感染症が組織の瘢痕(癒着)を残して腸管を閉塞します。


その結果、便を押し出す腸の力(ぜん動)が止まります(イレウス)。


血流から体液がにじみ出て腹腔へたまります。


重度の脱水症を来し、


血流から電解質(ナトリウムやカリウムなど)が失われます。


これに続いて、呼吸障害、腎不全、肝不全、


広範囲にわたる血栓症などの主要な合併症が起こります。




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2011年5月29日日曜日

消化管救急 『腹膜炎 』

腹膜炎は、通常は感染症を伴う腹腔と腹膜の炎症です。


腹膜炎は、腹腔内の感染した臓器から細菌を含んだ内容物が広がって起こります。


胃、腸、胆嚢、虫垂が穿孔して起こることが多く、


また別の部位からの感染が血流を介して腹膜へ広がることもあります。


腹膜(腹腔と臓器を覆っている膜)は感染には非常に強いので、


腹腔内細菌汚染が続かなければ、腹膜炎が進行することはなく、


治療によって腹膜も回復します。


性的に積極的な女性では、


骨盤内臓器の炎症性疾患が腹膜炎の原因であることがよくあります。


子宮や卵管の感染症は淋菌やクラミジアなど数種類の細菌によって起こり、


腹腔内へ広がります。


腹膜炎はいくつかの理由で手術後にも発症します。


手術中に胆嚢や膀胱、腸が傷つくと、細菌が腹腔内へ漏出したり、


腸の吻合手術時に内容物が漏れ、それらが原因で腹膜炎になることもあるのです。


腹膜透析(腎不全の治療)を受けている人にも、腹膜炎はよく起こります。


腹腔に留置したドレーン(排液管)を通して細菌が入ることが原因です。


肝不全や心不全では、腹腔に水がたまって(腹水)、それによって感染します。


腹膜炎は、感染症がなくても腹部臓器の炎症によって起こります。


たとえば膵臓の炎症(急性膵炎)により腹膜炎を発症することがあります。


また手術用の手袋についているタルク(滑石)やデンプンでも腹膜炎は起こります。


突発性腹膜炎は腹腔に水がたまっている(腹水)場合に起こります。


過剰な飲酒によって肝疾患を患っている人に多い疾患です。


この場合、腹水の感染は明らかな感染源がないのに起こります。




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消化管救急 『イレウス 続き』

イレウス 症状 診断


イレウスの症状は腹部膨満、嘔吐、重度の便秘、食欲不振、


けいれん性の腹痛です。


イレウスになると、腸音がほとんどまたはまったく聞こえなくなります。


腹部X線検査では腸管のふくらみをみることができます。


場合によっては大腸内視鏡(柔軟な観察用チューブによる大腸の検査)


で腸の様子をみます。



イレウス 治療


イレウスによってたまったガスや液体などを排出する必要があります。


そこでチューブを肛門から大腸まで入れて腸内の圧力を緩和します。


加えて、チューブを鼻から胃または小腸まで入れて吸引し、


腸内の圧と拡張(膨満)を緩和します。


腸の機能が正常に戻るまでは飲食はできません。


必要な水分や電解質(ナトリウム、塩化物、カリウム)


は静脈からの投与で補給します。













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消化管救急 『イレウス』

イレウス(麻痺[まひ]性腸閉塞、脱力性腸閉塞)


は腸壁が一時的に正常の収縮運動をしなくなった状態です。


腸閉塞と同様、イレウスは腸の内容物の通過を妨げます。


ただ、機械的腸閉塞症と違ってイレウスの場合は腸が破裂することはまれです。


イレウスは腹部手術の24~72時間後に起こります。


また腹部の感染症や、


腸に行く血管に血栓ができて血流量が少なくなるアテローム動脈硬化、


腸の動脈や静脈の外傷なども原因となります。


腎不全や血液中の電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症)


といった腸以外の病気によってイレウスが起こることもあります。


そのほかにも薬(特にオピオイド系鎮痛薬と抗コリン作用薬)


や甲状腺機能低下症が原因となることもあります。







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