原因になっている障害を治療することで、痛みはなくなるか最小限になります。
たとえば骨折をギプスで固定したり、感染を起こした関節に抗生物質を投与すれば、痛みは軽くなります。
しかし基礎疾患が治療できたとしても、痛み止め(鎮痛薬)は痛みを早くコントロールするために依然として必要とされています。
医師は痛みのタイプや持続期間、そして起こりうる効果とリスクを考慮して鎮痛薬を選びます。
ほとんどの鎮痛薬は侵害性の痛みに対しては効果がありますが、神経障害性の痛みに対してはさほど効果がなく、別の薬が必要となります。
ある種の痛み、特に慢性の疼痛に対しては薬を使わない治療も重要です。
鎮痛薬は3つのカテゴリーに分類できます。
オピオイド(麻薬系)鎮痛薬、非オピオイド鎮痛薬、補助鎮痛薬(通常は別の目的で投与されますが、痛みも緩和する薬)です。
オピオイド鎮痛薬
オピオイド(麻薬系)鎮痛薬は、最も作用が強い鎮痛薬で、癌や重症疾患によって生じる急性の激しい痛みや慢性の痛みに対する治療の中心になっています。
オピオイドは痛みのコントロールに非常に効果的なため、好んで使用されます。
癌以外の慢性の痛みの治療に対するオピオイドの使用も、受け入れられるようになってきていますが、まだ一般的ではありません。
オピオイドはだれに対しても適切なわけではありません。
すべてのオピオイドは、ケシから抽出される天然物質のモルヒネと化学構造が類似していますが、他の植物から抽出されたものや、研究室で合成されるものもあります。
オピオイドの副作用はたくさんあります。急性の痛みに対してオピオイドを服用した人は、しばしば眠くなります。
この眠気が好都合な患者もいますが、そうでない人もいます。
オピオイドを服用する患者の多くは、この効果に耐性ができていき、眠気を催さなくなります。
眠気を感じ続ける人は、メチルフェニデートのような中枢神経刺激薬を服用して、昼間目覚めているようにします。
オピオイドは、特に高齢者では、錯乱を起こす場合もあります。
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2011年9月13日火曜日
2011年9月12日月曜日
脳・脊髄・神経の病気『痛みの種類』 ③
心因性の痛み
これは全体または大部分が心理的障害に関連して起こる痛みです。
心理的に混乱している人に持続性の痛みがあり、その人に痛みの原因になる疾患が見つからない場合、この痛みは心因性とされます。
純粋な心因性の痛みはまれです。
より一般的には、心因性の痛みにも肉体的な原因がありますが、患者が経験する痛みや障害の程度は、同じ病状をもつ大部分の人よりはるかに強い傾向があります。
心因性の痛みは、慢性疼痛症候群ともいわれることもあります。
心理的要因はしばしば障害を助長し、痛みの訴えを誇張します。
どのような痛みも、心理的要因により悪化することがあります。
心因性の痛みが疑われる場合でも、医師は痛みを助長する物理的な原因がないかどうかを検査します。
痛みが心理的要因によって引き起こされたり悪化することは、痛みが存在しないという意味ではありません。
痛みを訴える患者のほとんどは、肉体的な原因が見つかっていなくても実際に痛みを感じています。
心理的要因によって悪化する痛みにも治療は必要で、しばしば心理学者や精神科医が治療チームに加わります。
他の種類の慢性的な痛みの治療と同じく、このタイプの痛みの治療も患者によって異なり、医師はそれぞれの患者のニーズに応じた治療を試みます。
慢性の心因性の痛みがある患者の治療目標は、痛みを和らげ、身体的・心理的機能を改善することです。
医師は徐々に身体的・社会的活動を増やすため、患者に合わせたアドバイスを与えます。
薬物療法や薬以外の治療、たとえばバイオフィードバック、リラクゼーション訓練、注意そらし技法、催眠療法、経皮的電気神経刺激法(TENS)、理学療法などが用いられます。
心理カウンセリングも必要とされます。
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心理的に混乱している人に持続性の痛みがあり、その人に痛みの原因になる疾患が見つからない場合、この痛みは心因性とされます。
純粋な心因性の痛みはまれです。
より一般的には、心因性の痛みにも肉体的な原因がありますが、患者が経験する痛みや障害の程度は、同じ病状をもつ大部分の人よりはるかに強い傾向があります。
心因性の痛みは、慢性疼痛症候群ともいわれることもあります。
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どのような痛みも、心理的要因により悪化することがあります。
心因性の痛みが疑われる場合でも、医師は痛みを助長する物理的な原因がないかどうかを検査します。
痛みが心理的要因によって引き起こされたり悪化することは、痛みが存在しないという意味ではありません。
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心理的要因によって悪化する痛みにも治療は必要で、しばしば心理学者や精神科医が治療チームに加わります。
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慢性の心因性の痛みがある患者の治療目標は、痛みを和らげ、身体的・心理的機能を改善することです。
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脳・脊髄・神経の病気『痛みの種類』 ②
神経障害性の痛み
神経障害性の痛みは神経、脊髄、脳で生じた異常で起こる痛みです。
神経障害性の痛みは、ヒリヒリ、チクチクする感覚、または寒さやものに触れた場合の神経過敏です。
これには幻肢痛、ヘルペス後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィ、カウザルギー(灼熱痛)などが含まれます。
幻肢痛とは、体の一部(通常は手や足)が切断されたにもかかわらず、そこに痛みを感じるものです。これは幻肢感とは異なります。
幻肢感は切断した部分がなお残っているかのように感じるもので、これはより多くの患者にみられます。
一方、幻肢痛は四肢のどこかが悪いために起こるのではなく、切断面より上部の神経系に生じた変化が原因で起こります。
神経の信号を、失った四肢から来た信号と脳が誤って解釈するためです。
切断された下肢のつま先、足首、足が、または切断された上肢の指や手が痛むように感じます。
この痛みは、締めつけられるような、焼けるような、または幻肢がつぶれた感じに似ていますが、それまで経験したいずれの感じとも異なる痛みの場合もあります。
この幻肢痛は、時がたつとともに発症回数が少なくなる場合も、ずっと持続する場合もあります。
この痛みにはマッサージが有効な場合もありますが、薬での治療が必要なこともあります。
ヘルペス後神経痛は帯状疱疹(たいじょうほうしん)が原因で起こり、神経組織の炎症を引き起こします。
この痛みは、絶え間なく深くうずくか、または焼けるようだったり、鋭い断続的な痛みだったり、寒さやものに触れた場合の神経過敏のようでもあります。
痛みで衰弱することもあります。
反射性交感神経性ジストロフィ(複雑性局所疼痛症候群、タイプ1)とカウザルギー(複雑性局所疼痛症候群、タイプ2)は、慢性的な痛みが続く症候群です。
これらは焼けるような痛みが持続し、かつ痛みと同じ部位に何らかの異常所見を伴うものと定義されています。
この異常所見には、発汗の増加または減少、浮腫、皮膚の色の変化、皮膚、髪、爪、筋肉、骨の損傷(筋肉の萎縮や骨量の減少を含む)などがあります。
どちらの症候群も、けがをした後に起こるのが典型的です。
反射性交感神経性ジストロフィは、神経以外の組織が損傷した結果として起こります(たとえば肩手症候群)。
カウザルギーは神経組織の損傷が原因で起こります。
反射性交感神経性ジストロフィやカウザルギーのいくつかのタイプは、交感神経系の活動が亢進すると悪化します。
交感神経はストレス状態や緊急事態、つまり攻撃・逃避行動に対し体を活動準備状態にします。
このため、医師は交感神経ブロックによる治療を勧めます)。
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神経障害性の痛みは神経、脊髄、脳で生じた異常で起こる痛みです。
神経障害性の痛みは、ヒリヒリ、チクチクする感覚、または寒さやものに触れた場合の神経過敏です。
これには幻肢痛、ヘルペス後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィ、カウザルギー(灼熱痛)などが含まれます。
幻肢痛とは、体の一部(通常は手や足)が切断されたにもかかわらず、そこに痛みを感じるものです。これは幻肢感とは異なります。
幻肢感は切断した部分がなお残っているかのように感じるもので、これはより多くの患者にみられます。
一方、幻肢痛は四肢のどこかが悪いために起こるのではなく、切断面より上部の神経系に生じた変化が原因で起こります。
神経の信号を、失った四肢から来た信号と脳が誤って解釈するためです。
切断された下肢のつま先、足首、足が、または切断された上肢の指や手が痛むように感じます。
この痛みは、締めつけられるような、焼けるような、または幻肢がつぶれた感じに似ていますが、それまで経験したいずれの感じとも異なる痛みの場合もあります。
この幻肢痛は、時がたつとともに発症回数が少なくなる場合も、ずっと持続する場合もあります。
この痛みにはマッサージが有効な場合もありますが、薬での治療が必要なこともあります。
ヘルペス後神経痛は帯状疱疹(たいじょうほうしん)が原因で起こり、神経組織の炎症を引き起こします。
この痛みは、絶え間なく深くうずくか、または焼けるようだったり、鋭い断続的な痛みだったり、寒さやものに触れた場合の神経過敏のようでもあります。
痛みで衰弱することもあります。
反射性交感神経性ジストロフィ(複雑性局所疼痛症候群、タイプ1)とカウザルギー(複雑性局所疼痛症候群、タイプ2)は、慢性的な痛みが続く症候群です。
これらは焼けるような痛みが持続し、かつ痛みと同じ部位に何らかの異常所見を伴うものと定義されています。
この異常所見には、発汗の増加または減少、浮腫、皮膚の色の変化、皮膚、髪、爪、筋肉、骨の損傷(筋肉の萎縮や骨量の減少を含む)などがあります。
どちらの症候群も、けがをした後に起こるのが典型的です。
反射性交感神経性ジストロフィは、神経以外の組織が損傷した結果として起こります(たとえば肩手症候群)。
カウザルギーは神経組織の損傷が原因で起こります。
反射性交感神経性ジストロフィやカウザルギーのいくつかのタイプは、交感神経系の活動が亢進すると悪化します。
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脳・脊髄・神経の病気『痛みの種類』
痛みには数種類のタイプがあります。
侵害性の痛み(たとえば、手術後の痛みや癌による痛み)、神経障害性の痛み(たとえば、座骨神経痛)、心因性の痛みです。
侵害性の痛み
これは体の組織が損傷を受けたときに起こる痛みです。
この損傷は、切り傷、打撲、骨折、挫滅創、やけどなど、組織を傷つけるすべてものを指します。
典型的なこのタイプの痛みは、うずくような、鋭い、ズキズキする痛みです。
痛みの大半はこのタイプです。
この組織の損傷による痛みの受容器(侵害受容器)は、
ほとんどが皮膚と内臓に分布しています。
手術後に経験する痛みは、ほとんどが侵害性の痛みです。
このタイプの痛みは持続的なことも断続的なこともあります。
体を動かしたり、せきをしたり、笑ったり、深呼吸したときや、
包帯交換のときにこのタイプの痛みは増強します。
癌による痛みも、そのほとんどがこのタイプの痛みです。
腫瘍(しゅよう)が骨や臓器に浸潤すると、軽い不快感を起こすか激痛を引き起こします。
癌治療としての手術や放射線療法でも、このタイプの組織の損傷による痛みを起こします。
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これは体の組織が損傷を受けたときに起こる痛みです。
この損傷は、切り傷、打撲、骨折、挫滅創、やけどなど、組織を傷つけるすべてものを指します。
典型的なこのタイプの痛みは、うずくような、鋭い、ズキズキする痛みです。
痛みの大半はこのタイプです。
この組織の損傷による痛みの受容器(侵害受容器)は、
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手術後に経験する痛みは、ほとんどが侵害性の痛みです。
このタイプの痛みは持続的なことも断続的なこともあります。
体を動かしたり、せきをしたり、笑ったり、深呼吸したときや、
包帯交換のときにこのタイプの痛みは増強します。
癌による痛みも、そのほとんどがこのタイプの痛みです。
腫瘍(しゅよう)が骨や臓器に浸潤すると、軽い不快感を起こすか激痛を引き起こします。
癌治療としての手術や放射線療法でも、このタイプの組織の損傷による痛みを起こします。
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2011年9月11日日曜日
脳・脊髄・神経の病気『痛みの評価』
医師は病歴と痛みの特徴を聞くことによって、原因を突き止め、治療計画を立てます。
痛みの重症度を評価する方法として、0(なし)から10(重度)の数字で表したり、弱・中・強・激痛のどれにあたるかを問診したりします。
小児では、ニコニコ顔、しかめ面、泣き顔など一連の表情が並んでいる絵を見せて、痛みの程度を調べる方法も用いられます。
痛みの有無や重症度を確定できる検査はありません。
医師は、けがや病気によって痛みが起こっているのかどうかを必ず調べます。なぜなら心理的要因も考えられるからです。
急性の障害(傷、やけど、肉離れ、骨折、ねんざ、盲腸炎、腎臓結石、心臓発作など)だけでなく、慢性疾患にも痛みは多くみられます(癌[がん]、関節炎、鎌状赤血球貧血、腸炎症性疾患など)。
心理的障害(うつ病や不安症など)があると痛みが悪化することがあります。
原因がほとんど、またはすべて心理的障害によると確定される痛みもあり、心因性疼痛と呼ばれます。
また、痛みが急性か慢性かも調べます。急性の痛みは突然起こり、普通長くは続きません。
痛みが強いと、不安、心拍数や呼吸数の増加、血圧の上昇、発汗、瞳孔の散大などが起こります。
慢性の痛みは数週間から数カ月続きます。
慢性の痛みという用語は、病気やけがで1カ月以上続く痛み、数カ月から数年にわたって再発を繰り返す痛み、癌などの慢性疾患に伴う痛みなどを指します。
通常、慢性の痛みによって心拍数、呼吸数、血圧、瞳孔などが影響を受けることはありませんが、代わりにうつ、睡眠障害、体力、食欲、性欲の減退、体重減少などがみられることがあります。
慢性の痛みで治療を受けている人の多くは、短時間の、しばしば非常に強い痛みの再燃を経験します。
これは周期的な痛みの治療スケジュールを突破して出てくる痛みなので、突破痛(または破綻痛)と呼ばれます。
典型的な突破痛は突然始まり、長くて1時間程度続き、いつもの慢性痛がひどくなったような痛みです。
この痛みには個人差があり、多くの場合予測不可能です。
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小児では、ニコニコ顔、しかめ面、泣き顔など一連の表情が並んでいる絵を見せて、痛みの程度を調べる方法も用いられます。
痛みの有無や重症度を確定できる検査はありません。
医師は、けがや病気によって痛みが起こっているのかどうかを必ず調べます。なぜなら心理的要因も考えられるからです。
急性の障害(傷、やけど、肉離れ、骨折、ねんざ、盲腸炎、腎臓結石、心臓発作など)だけでなく、慢性疾患にも痛みは多くみられます(癌[がん]、関節炎、鎌状赤血球貧血、腸炎症性疾患など)。
心理的障害(うつ病や不安症など)があると痛みが悪化することがあります。
原因がほとんど、またはすべて心理的障害によると確定される痛みもあり、心因性疼痛と呼ばれます。
また、痛みが急性か慢性かも調べます。急性の痛みは突然起こり、普通長くは続きません。
痛みが強いと、不安、心拍数や呼吸数の増加、血圧の上昇、発汗、瞳孔の散大などが起こります。
慢性の痛みは数週間から数カ月続きます。
慢性の痛みという用語は、病気やけがで1カ月以上続く痛み、数カ月から数年にわたって再発を繰り返す痛み、癌などの慢性疾患に伴う痛みなどを指します。
通常、慢性の痛みによって心拍数、呼吸数、血圧、瞳孔などが影響を受けることはありませんが、代わりにうつ、睡眠障害、体力、食欲、性欲の減退、体重減少などがみられることがあります。
慢性の痛みで治療を受けている人の多くは、短時間の、しばしば非常に強い痛みの再燃を経験します。
これは周期的な痛みの治療スケジュールを突破して出てくる痛みなので、突破痛(または破綻痛)と呼ばれます。
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この痛みには個人差があり、多くの場合予測不可能です。
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脳・脊髄・神経の病気の『痛み』
痛みには鋭い痛みや鈍痛、間欠的なものと持続的なもの、ズキズキする痛みから一定したものまでいろいろあります。
中にはうまく説明できないような痛みもあります。
また1カ所の場合もあれば広い範囲に及ぶものもあり、強さもわずかなものから耐えられないものまでさまざまです。
痛みの受け止め方も人によって驚くほど異なります。
小さな切り傷や打ち身の痛みでも耐えられない人がいるかと思えば、大きな事故や刃物の刺し傷でもほとんど痛みを訴えない人もいます。
痛みに耐える力はその人の気分や性格、状況などによって変わってきます。
スポーツ選手などはひどい打撲を受けても試合中は興奮していて気づかず、試合が終わった後、特に負けたときにひどく痛んだりするものです。
年齢によっても痛みの感じ方は変わります。
年をとるにしたがってあまり痛みを訴えなくなるのは老化により痛覚が鈍くなるからだといわれています。
一方、単に高齢者は若い人より我慢強いだけかもしれません。
痛みの経路: けがによる痛みは、全身に散らばっている特別な痛みの受容体でまず感知されます。
受容体はメッセージまたは信号を電気的インパルスに変換して、神経から脊髄(せきずい)、さらに脳へと伝えます。
中には信号が反射反応を誘発することもあります。
これは信号が脊髄に届いた途端に運動神経経路を伝って元の痛みの場所へ送り返され、脳の関与を受けずに筋肉の収縮を起こす反応です。
うっかり熱いものに触れた途端に手を引くのがその例です。
この反射反応のおかげで取り返しのつかない損傷にならなくてすむのです。痛みの信号は脳へも送られます。
脳が信号を処理してそれを痛みと解釈して初めて、私たちは痛みを感じるのです。
痛みの受容体とその神経経路の分布は体の各部によって異なります。
そのため痛みの感覚は、けがをした場所と種類によって変わってきます。
たとえば皮膚には受容体が非常に多いため、傷の場所はどこか、刃物のように鋭いものか鈍いものか、熱いのか冷たいのかなどまで正確な情報を伝えることができます。
これに対して、腸の受容体は限られており不正確です。
腸をつまんでも、切っても、やけどをさせても痛みの信号を出さないことがあります。
ところが引っぱられたり圧迫されたりすると、たとえガスがたまったというような比較的無害なことでもひどい腹痛を起こすことがあります。
脳は腸の痛みがどこからくるかはっきり特定できず、そのため腸の痛みは一点に限らず広い範囲の痛みとして感じられることが多いのです。
痛みを感じた場所が、問題のある場所と正確に一致しない場合もあります。
それは別の場所の痛みがその場所で生じているように感じることがあるからです。
痛みが離れた部位に感じられるのは、体のいくつかの場所からの痛みの信号が、同じ神経経路を通って脊髄から脳へと伝わることがあるからです。
たとえば心臓発作の痛みは首、あご、腕や腹部の痛みとして感じられることがあります。
胆嚢発作の痛みは肩の後ろの痛みとして感じることがあります。
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また1カ所の場合もあれば広い範囲に及ぶものもあり、強さもわずかなものから耐えられないものまでさまざまです。
痛みの受け止め方も人によって驚くほど異なります。
小さな切り傷や打ち身の痛みでも耐えられない人がいるかと思えば、大きな事故や刃物の刺し傷でもほとんど痛みを訴えない人もいます。
痛みに耐える力はその人の気分や性格、状況などによって変わってきます。
スポーツ選手などはひどい打撲を受けても試合中は興奮していて気づかず、試合が終わった後、特に負けたときにひどく痛んだりするものです。
年齢によっても痛みの感じ方は変わります。
年をとるにしたがってあまり痛みを訴えなくなるのは老化により痛覚が鈍くなるからだといわれています。
一方、単に高齢者は若い人より我慢強いだけかもしれません。
痛みの経路: けがによる痛みは、全身に散らばっている特別な痛みの受容体でまず感知されます。
受容体はメッセージまたは信号を電気的インパルスに変換して、神経から脊髄(せきずい)、さらに脳へと伝えます。
中には信号が反射反応を誘発することもあります。
これは信号が脊髄に届いた途端に運動神経経路を伝って元の痛みの場所へ送り返され、脳の関与を受けずに筋肉の収縮を起こす反応です。
うっかり熱いものに触れた途端に手を引くのがその例です。
この反射反応のおかげで取り返しのつかない損傷にならなくてすむのです。痛みの信号は脳へも送られます。
脳が信号を処理してそれを痛みと解釈して初めて、私たちは痛みを感じるのです。
痛みの受容体とその神経経路の分布は体の各部によって異なります。
そのため痛みの感覚は、けがをした場所と種類によって変わってきます。
たとえば皮膚には受容体が非常に多いため、傷の場所はどこか、刃物のように鋭いものか鈍いものか、熱いのか冷たいのかなどまで正確な情報を伝えることができます。
これに対して、腸の受容体は限られており不正確です。
腸をつまんでも、切っても、やけどをさせても痛みの信号を出さないことがあります。
ところが引っぱられたり圧迫されたりすると、たとえガスがたまったというような比較的無害なことでもひどい腹痛を起こすことがあります。
脳は腸の痛みがどこからくるかはっきり特定できず、そのため腸の痛みは一点に限らず広い範囲の痛みとして感じられることが多いのです。
痛みを感じた場所が、問題のある場所と正確に一致しない場合もあります。
それは別の場所の痛みがその場所で生じているように感じることがあるからです。
痛みが離れた部位に感じられるのは、体のいくつかの場所からの痛みの信号が、同じ神経経路を通って脊髄から脳へと伝わることがあるからです。
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脳・脊髄・神経の病気の診断!『診断の検査』 ⑦
筋電図
筋電図は、小さな針を筋肉に挿しこんで、筋肉が休んでいるときと収縮しているときそれぞれの電気的活動を記録したものです。
正常なら、休んでいる筋肉は電気活動を起こしません。
わずかでも収縮があれば活動電位が発生し、強く収縮するほど電位が増大します。
筋電図検査は神経伝導試験と併せて、筋肉、末梢神経、脊髄神経根、神経筋接合部の病気の診断に利用されます。
神経と筋肉との接合を弱める病気があると、筋肉に異常な電気活動が起こります。
このような病気には、手根管症候群と糖尿病性神経障害があります。
神経は正常で筋肉自体に異常があると、異なる筋電図がみられます。
多発筋炎は、このような筋肉疾患の1例です。
神経伝導試験
神経伝導試験では、運動神経や感覚神経が信号を伝える速度を測定します。
この試験はまた、筋力低下などの症状が神経の病気によるものかどうかを判定するときにも行われます。
もし筋力低下が神経の病気によって起きている場合は(神経が手首の靭帯[じんたい]に締めつけられている手根管症候群など)、神経伝導速度は遅くなります。
筋力低下が筋肉の異常による場合は、神経伝導速度は正常のままです。
脳または脊髄の病気が原因の場合は、神経伝導速度と筋電図の結果はともに正常です。
正常な神経と正常な筋肉をつなぐ接続部(神経筋接合部)に機能異常があるときにも、筋力低下が起こります。
この例には、重症筋無力症、ボツリヌス中毒、ジフテリアなどがあります。
検査する神経に弱い電気刺激を与え、インパルスを出させます。
計測は、皮膚の表面に複数の電極を貼るか、または侵されているとみられる神経経路に沿って針を数本挿しこんで行います。
インパルスは神経に沿って進み、最後に筋肉に到達して収縮させます。
このインパルスが筋肉に到着するまでの時間と、電極や針から筋肉までの距離を計測して神経伝導速度を算出します。
神経と筋肉の間の接合部が正常に機能しているかどうかを調べるために、1本の神経に繰り返し刺激を加える場合もあります。
接合部では、神経インパルスは神経から筋肉へ移動しなければなりません。
もしこの接合部が重症筋無力症などで正常に機能していない場合は、神経伝導試験で神経に繰り返し刺激を与えると、筋肉の反応が次第に弱まっていきます。
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筋電図は、小さな針を筋肉に挿しこんで、筋肉が休んでいるときと収縮しているときそれぞれの電気的活動を記録したものです。
正常なら、休んでいる筋肉は電気活動を起こしません。
わずかでも収縮があれば活動電位が発生し、強く収縮するほど電位が増大します。
筋電図検査は神経伝導試験と併せて、筋肉、末梢神経、脊髄神経根、神経筋接合部の病気の診断に利用されます。
神経と筋肉との接合を弱める病気があると、筋肉に異常な電気活動が起こります。
このような病気には、手根管症候群と糖尿病性神経障害があります。
神経は正常で筋肉自体に異常があると、異なる筋電図がみられます。
多発筋炎は、このような筋肉疾患の1例です。
神経伝導試験
神経伝導試験では、運動神経や感覚神経が信号を伝える速度を測定します。
この試験はまた、筋力低下などの症状が神経の病気によるものかどうかを判定するときにも行われます。
もし筋力低下が神経の病気によって起きている場合は(神経が手首の靭帯[じんたい]に締めつけられている手根管症候群など)、神経伝導速度は遅くなります。
筋力低下が筋肉の異常による場合は、神経伝導速度は正常のままです。
脳または脊髄の病気が原因の場合は、神経伝導速度と筋電図の結果はともに正常です。
正常な神経と正常な筋肉をつなぐ接続部(神経筋接合部)に機能異常があるときにも、筋力低下が起こります。
この例には、重症筋無力症、ボツリヌス中毒、ジフテリアなどがあります。
検査する神経に弱い電気刺激を与え、インパルスを出させます。
計測は、皮膚の表面に複数の電極を貼るか、または侵されているとみられる神経経路に沿って針を数本挿しこんで行います。
インパルスは神経に沿って進み、最後に筋肉に到達して収縮させます。
このインパルスが筋肉に到着するまでの時間と、電極や針から筋肉までの距離を計測して神経伝導速度を算出します。
神経と筋肉の間の接合部が正常に機能しているかどうかを調べるために、1本の神経に繰り返し刺激を加える場合もあります。
接合部では、神経インパルスは神経から筋肉へ移動しなければなりません。
もしこの接合部が重症筋無力症などで正常に機能していない場合は、神経伝導試験で神経に繰り返し刺激を与えると、筋肉の反応が次第に弱まっていきます。
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