口臭とは
口臭(息の臭さ)には、本当に口臭がある場合と、
実際には口臭がないのに口臭があると思いこむ場合とがあります。
口臭があるときは、たいてい歯と歯の間に食べもののかすがたまり、
口の中が不潔な状態になっていて、歯肉の病気にもつながります。
揮発性油を含むタマネギやニンニクなどの食品のにおい成分は、
血流に乗って肺に入り、息となって吐き出されます。
これらのにおいは、歯磨きでも消すことはできません。
病気の中には、口臭を生じるものがあります。
肝不全によって起こる口臭はネズミのようなにおいがし、
腎不全による口臭は尿のようなにおいがします。
治療を行っていない重症の糖尿病の人の口臭は、
マニキュア除光液(アセトン)のようなにおいがします。
肺膿瘍では、非常にひどい口臭がします。
腸の病気は口臭の原因にはなりません。
食道や胃にできた腫瘍のために、
臭いにおいの液体やガスが口の中に逆流することがあります。
思いこみによる口臭は、心因性口臭と呼ばれます。
実際には口臭がないのに自分の吐く息が臭いと思いこんでいるわけです。
心因性口臭になりやすい人は、体のごく正常な感覚でも大げさに心配しすぎる傾向のある人です。
心因性口臭は、
統合失調症などの重症の精神障害によって起こる場合があります。
強迫観念がある人は汚いと感じる意識が非常に強く、
妄想がある人は自分の臓器が腐っているという妄想を抱きます。
これらの障害のある人はいずれも、自分の息が臭いと思いこみます。
身体的原因に対しては、原因に応じた治療や原因の除去を行います。
たとえば、ニンニクやタマネギなどの、においの強い食品を食べないようにして、
歯磨きをていねいに行えば口臭を減らすことができます。
日課として、舌の上側や裏側を舌ブラシで磨くのも効果があります。
また、防臭効果のあるマウスウオッシュや口臭防止スプレーも市販されています。
これらの製品に含まれる成分の中で、最も防臭効果が高いのはクロロフィル(葉緑素)です。
ただし、これらの製品の防臭効果はせいぜい2~3時間しか持続しません。
心因性口臭のある人の中には、医師や歯科医師に口臭がないと明言してもらうと治る人もいます。
問題が解消しない場合は、心理療法士などの診察を受けるとよいでしょう。
歯周炎:プラークの形成から歯の喪失へ
健康な歯肉と骨(歯槽骨)は、歯を正常な位置にしっかりと支えています。
たまったプラークは、歯肉を刺激して炎症を引き起こします。
時間がたつにつれて、歯肉が歯から離れて歯肉と歯の間に歯周ポケットが作られ、
このポケットにさらにプラークがたまります。
歯周ポケットはますます深くなり、プラークは硬くなって歯石になります。
歯の表面に、どんどんプラークがたまります。
歯石が歯根まで覆うようになり、
最終的に歯を支えている骨を破壊してしまいます。
支えを失った歯はぐらつき、抜け落ちます。
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2012年5月10日木曜日
歯周病!『歯周炎』 Ⅲ
歯周病!『歯周炎』 Ⅱ
歯周炎 症状
歯周炎の初期症状は、出血、歯肉の炎症、口臭です。
診察時に、歯科医師はプローブと呼ばれる細い器具を使って
歯ぐきにできた歯周ポケットの深さを測定します。
また、失われた歯槽骨の量を調べるために、X線検査をします。
骨が失われるにつれて、歯がぐらつき、位置が移動するようになります。
特に前歯が外側へ傾くようになります。
かむと歯がぐらぐらしたり、膿瘍(膿のかたまり)が形成されたりすると、
痛みが現れます。
歯周炎 治療
歯磨きによって自分でケアできる歯肉炎と違い、
歯周炎は継続的な専門治療が必要です。
歯磨きを正しく行っていても、
歯ブラシの毛先は歯肉線の2~3ミリメートル下までしか届きませんが、
専門のスケーリング(歯石除去)とルートプレーニング(歯根面のクリーニング)
と呼ばれる歯のクリーニング方法では、
深さ4~6ミリメートルの歯周ポケットにたまった歯石や、
歯根面の病変をきれいに取り除くことができます。
歯周ポケットの深さが5ミリメートル以上になると、
ほとんどの場合、手術が必要になります。
歯科医師によって手術(歯肉剥離掻爬術)が行われ、
歯肉線より下の歯肉が切開されて、
歯のクリーニングと感染によって欠けた骨の修復が行われます。
さらに細菌に侵されて歯から離れてしまっている歯肉を切除する手術(歯肉切除術)も行われます。
これによって残った歯肉と歯が再びぴったりと付着するので、
後は家庭でプラーク除去ができるようになります。
特に膿瘍ができている場合には、
テトラサイクリン系やメトロニダゾールなどの抗生物質が与えられます。
さらに抗生物質をしみこませたフィラメント状やゲル状の薬剤を、
歯周ポケットの奥に挿入して、
高濃度の薬を歯周炎に侵された患部に行き渡らせます。
歯周膿瘍は急激に骨を破壊しますが、
早期に手術と抗生物質による治療を行えば、
破壊された骨の多くを再生させることができます。
手術後に口内炎ができているときは、
治るまで歯磨きの代わりに1回1分間、1日2回、
クロルヘキシジンでうがいをします。
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歯周病!『歯周炎』
歯周炎
歯周炎(歯槽膿漏[しそうのうろう])は、
歯肉炎が重症化して、
歯肉の炎症が歯の支持構造まで広がる病気です。
歯周炎は成人が歯を失う大きな原因の1つですが、
高齢者では最大の原因になっています。
感染が歯を支えているあごの骨まで拡大すると、
骨と歯の結合力が弱まり、歯がぐらつくようになります。
最終的にその歯は自然に抜けるか、あるいは抜歯が必要になります。
歯周炎 原因
ほとんどの歯周炎の原因は、
歯と歯肉の間に長い時間かけてたまったプラークと歯石です。
歯と歯肉の間にできた歯周ポケットが、歯根とその下の骨にまで拡大し、
歯周ポケット内の酸素のない環境にプラークがたまり、
侵食力の強い細菌の増殖を促します。
病気が進行して最終的にポケットの近くのあごの骨が大きく破壊されると、
歯はぐらついて抜け落ちてしまいます。
歯周炎が進行する速さは、歯石のたまり方が同程度でも、
人により非常に差があります。
これはプラークに存在する細菌の種類と数がさまざまであり、
細菌への体の反応に個人差があるためです。
歯周炎では数カ月間爆発的に破壊活動が起こり、
その後に一見侵食が止まったようにみえる停滞期が続きます。
糖尿病、ダウン症候群、クローン病、白血球減少症、
エイズなどの病気があると、歯周炎は起こりやすくなります。
エイズ患者では歯周炎は速く進行します。
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2012年5月9日水曜日
歯周病!『歯肉炎』 Ⅴ
埋伏歯による歯肉炎
あごの骨の中に半ば埋まっている、
埋伏歯の歯冠を取り巻く歯肉に起こる歯肉炎は、
歯冠周囲炎と呼ばれます。
途中まで生え出て止まってしまった埋伏歯を覆って、
歯肉は腫れます。
この半埋伏歯の歯冠を覆うために伸びてきた歯肉(歯肉弁)と歯冠のすき間には、
水分、食べもののカス、細菌がたまることがあります。
歯冠周囲炎が発生しやすいのは智歯(親知らず)で、特に下あごの智歯に頻発します。
また、上あごの智歯の方が下あごの智歯よりも先に生えると、
上あごの智歯が下あごの智歯を覆う歯肉弁にあたって、痛みを増大させます。
さらに感染が起きて、咽喉やほおへ広がることもあります。
下あごの智歯周囲炎が起きている場合は、
歯肉弁の内側に水を噴射して、
たまった食べもののかすや細菌を洗い流す処置が行われます。
また、X線検査で下あごの歯が完全には生え出てこないことがわかった場合には、
まず対合する上あごの歯を抜いて抗生物質を数日間服用した後に下あごの歯を抜きます。
下あごの歯をすぐに抜くこともあります。
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歯周病!『歯肉炎』 Ⅳ
更年期による歯肉炎
更年期には閉経後の女性を中心に、
剥離性歯肉炎と呼ばれる痛みを伴う病気が起こります。
原因は、まだよくわかっていません。
この病気では歯肉の外側の層がその下にある組織からはがれて、
神経の末端が露出します。
歯ぐきがゆるみ、歯肉の表層は綿棒でこすったり、
歯科治療用のエアーを噴射するとはがれてしまいます。
更年期の剥離性歯肉炎に対しては、ホルモン補充療法が効果があります。
あるいはコルチコステロイドの錠剤や、
歯肉に直接塗るタイプのステロイドクリームを使用することもあります。
白血病による歯肉炎
白血病は歯肉炎を引き起こす危険性が高く、実際、
白血病の小児の約25%に、病気の最初の徴候として歯肉炎が起きます。
白血病に侵された細胞が歯肉にまで浸潤してくることが原因で、
体の抵抗力が低下しているために歯肉炎は悪化します。
歯肉は赤く変色して出血しやすくなり、
白血病によって血液が固まりにくいため、
出血すると数分以上血が止まらないことがよくあります。
白血病性歯肉炎の人は、出血を防ぐために歯磨きをやめて、
歯と歯肉の汚れをガーゼや脱脂綿でそっとふき取るようにします。
また、歯科医師が処方するクロルヘキシジンうがい薬は、
プラークがたまるのを抑えて口内炎を予防する効果があります。
白血病細胞が消えて小康状態(寛解)に入れば、
歯の十分なケアによって健康な歯肉を取り戻すことができます。
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2012年5月8日火曜日
歯周病!『歯肉炎』 Ⅲ
感染による歯肉炎
ウイルス感染によっても歯肉炎が起こります。
急性ヘルペス性歯肉口内炎は、
歯肉などの口内の組織がヘルペスウイルスに感染して起こる病気で、
痛みを伴います。
感染すると、歯肉は鮮やかな赤色に変化し、
口の中に白色や黄色の小さな潰瘍がたくさんできます。
急性ヘルペス性歯肉口内炎のほとんどは、
治療をしなくても2週間で回復します。
痛みがある間は歯磨きのしすぎは逆効果なので、
優しく磨いてください。食事中の不快感を取り除くために、
歯科医師から麻酔作用のあるうがい薬の使用を勧められることもあります。
真菌感染も歯肉炎の原因となります。
真菌は普通口の中でごくわずかに増殖していますが、
抗生物質を使用したり全身の健康状態が低下すると、口内の真菌数が増大します。
鵞口瘡は、真菌の1種であるカンジダ‐アルビカンスの異常増殖によって起こる真菌感染症で、
歯肉に白い薄膜ができ痛みを引き起こします。
この薄膜は、舌や口角までも覆うことがあり、ふき取ると表面から出血します。
治療にはナイスタチンなどの抗真菌薬をうがい薬や、
口の中で薬の成分がゆっくり溶け出すようにトローチの形で使用します。
正しい歯磨きによって常に口の中を清潔にし、
合わない入れ歯などのトラブルを解決しておきます。
就寝中は、入れ歯をナイスタチン溶液に浸しておきます。
妊娠による歯肉炎
妊娠に伴うホルモンバランスの変化は軽い歯肉炎を悪化させます。
妊婦は朝のつわり(モーニングシックネス)があると、
どうしても歯磨きを避けがちになるため、歯肉炎が起こりやすくなります。
また、妊娠中にはたまった歯石による軽度の炎症によって、
こぶ状の妊娠腫と呼ばれる歯肉組織の異常増殖が起こります。
この肥大した組織は傷つけられると簡単に出血するため、
食事が取れなくなります。
つわりで歯磨きができないときは、歯科医師に相談すれば、
吐き気が起こりにくい歯と歯肉の掃除方法を指導してくれます。
また、妊娠腫は手術で摘出できますが、
出産時あるいは出産後まで繰り返し再発する傾向があります。
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歯周病!『歯肉炎』 Ⅱ
薬物による歯肉炎
一部の薬は、歯肉組織の異常増殖を引き起こして、
プラークを取れにくくし、歯肉炎を引き起こします。
歯肉組織の異常増殖を招く薬には、
フェニトイン(てんかん発作の治療薬)、
シクロスポリン(臓器移植を受けた人への拒絶反応防止薬)、
ニフェジピン(血圧と不整脈の治療薬)などのカルシウム拮抗薬があります。
また、経口避妊薬、化粧品に広く使用されている鉛や蒼鉛(ビスマス)、
宝飾品に含まれるニッケルなどの重金属も、歯肉炎を悪化させる原因となります。
歯肉炎の原因となる病気や異常がある場合は、まずその治療をします。
歯肉組織の増殖を引き起こす薬の使用がどうしても避けられない場合は、
余分な歯肉組織の除去手術が必要になります。
しかし、ていねいな歯磨きと歯科医師や歯科衛生士による歯石除去をこまめに受ければ、
組織増殖の進行を遅らせて、歯肉の除去手術を避けることができます。
ビタミン欠乏による歯肉炎
ビタミン欠乏はまれに歯肉炎を引き起こします。
ビタミンC欠乏(壊血病)によって歯肉が炎症を起こし出血します。
ナイアシン欠乏(ペラグラ病)もまた、
歯肉の炎症と出血を引き起こし、
鵞口瘡(がこうそう)などの口内炎や舌炎(舌の炎症)が起こりやすくなります。
新鮮な果物や野菜を食べるとともに、
ビタミンCやナイアシンのサプリメントを摂取すれば、
ビタミン欠乏は治せます。
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