2012年8月1日水曜日

健忘関連障害!『解離性 同一性障害』 Ⅴ

解離性同一性障害と小児期の虐待


解離性同一性障害の成人の約97~98%は、


小児期に虐待されていたと報告しています。


虐待の事実は、解離性同一性障害の成人の85%、


小児と青少年の95%で立証されています。


小児期に受けた虐待が解離性同一性障害の主な原因の1つであることは確かですが、


こんな仕打ちを受けたと本人が強く主張する個々の虐待が、


すべて必ずしも本当にあったとは限りません。


報告された虐待体験の中には、


明らかに正確性に欠けるものも混じっています。


また、虐待されたという事実はまったくない人で、


幼少時に体験した親の死などの重大な喪失や重い病気など、


大きな精神的重圧のかかる経験が障害の原因になっている場合があります。

2012年7月31日火曜日

健忘関連障害!『解離性 同一性障害』 Ⅳ

解離性同一性障害 治療 経過 見通


症状の中には、


自然に現れたり消えたりする(変動する)ものもありますが、


解離性同一性障害が自然に治ることはありません。


通常、


多数の人格を1つに統合することが治療の目的になりますが、


必ずしも成功するとは限りません。


統合が難しい場合は、


その人の中の複数の人格同士の関係に協調性をもたせ、


正常に機能できる状態にすることを目指します。


薬物療法により、


不安や抑うつなどの合併症状が軽快することはありますが、


この障害自体には作用しません。


心理療法には往々にして根気が必要で、感情的な苦痛を伴います。


その人の中に存在している複数の人格が取る行動や、


治療中にトラウマ体験の記憶がよみがえることで生じる絶望感から、


何度も感情の危機的状態に陥るおそれがあります。


本人にとってつらい時期を乗り越え、


苦痛に満ちたつらい記憶に真正面から取り組めるようになるまで、


精神科の医療機関に何回か入院する必要があるかもしれません。


通常、週2回以上の精神療法セッションを最低3~6年行う必要があります。


催眠療法は有効な場合があります。


解離性同一性障害がどのような経過をたどるかは、


その人にみられる症状や障害の特性によって異なります。


たとえば、人格障害、気分障害、摂食障害、


薬物などの乱用による障害といった重い精神障害も併発している場合は、


経過が比較的悪くなる傾向があります。


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2012年7月30日月曜日

健忘関連障害!『解離性 同一性障害』 Ⅲ

解離性同一性障害 診断


解離性同一性障害の診断にあたって、


医師は徹底的な精神医学的面接を行います。


特定の症状の説明になる体の異常があるかどうかを調べるため、


内科的な診察も必要となることがあります。


解離性同一性障害の診断に役立つ質問票も開発されています。


面接はときには長期にわたって行う必要があり、


催眠または薬物を利用した面接を慎重に行うこともあります。


催眠または薬物を利用した面接を行うと、


他の人格に会わせてくれたり、


記憶の空白期間に関する情報が明らかになる可能性があります。


催眠や薬物を利用した面接自体が解離性同一性障害の症状を引き起こす可能性があると考え、


こうした方法は使用すべきでないとする医師もいます。


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2012年7月29日日曜日

健忘関連障害!『解離性 同一性障害』 Ⅱ

解離性同一性障害 症状


解離性同一性障害の人はしばしば、


他の精神障害や各種の身体疾患の症状に似た一連の症状を訴えます。


中には、


実際に別の障害があって症状を引き起こしていることもありますが、


過去の体験が現在に侵入し、


それが症状に反映されている場合もあります。


たとえば、


悲しみに沈むのはうつ病を併発していることが原因の場合もあれば、


多重人格の1つが、


過去の不幸に根ざした感情を再体験している場合もあります。


解離性同一性障害は慢性的で、


何もできない状態に陥ったり命にかかわる可能性もありますが、


多くの場合は日常生活にあまり支障がなく、


創造的で生産的な生活を送っている人も多くいます。


この障害の人は自分を傷つける行為(自傷行為)をしがちな傾向があり、


自分の手足などに切りつけることもあります。


自殺を図るケースもよくあります。


解離性同一性障害では、


その人の中に存在している複数の人格のうち、


いくつかの人格は重要な個人的情報を知っていますが、


他の人格はその情報を知りません。


内面の複雑な世界の中で、


いくつかの人格は互いの存在を知っていて、


人格間の相互作用もあるようにみえます。


たとえば、人格Aは人格Bの存在を知っていて、


まるでBを見張っているかのようにBの行動を把握していますが、


人格Bは人格Aの存在を知っている場合もあれば、


そうでない場合もあるといった具合です。


他の人格と人格Bも、


互いの存在を知っている場合とそうでない場合があります。


人格が入れ替わり、


ある人格が表に出ているときに取った行動を他の人格がときに認識していないことが、


解離性同一性障害の人の生活にしばしば大混乱を招きます。


人格同士の相互作用がしばしばみられ、


自分の内面から会話が聞こえたり、


自分の中にいる人格が自分の行動について意見を言ったり、話しかけてくる声が聞こえてきます。


時間の流れがゆがむような感覚があり、時間の空白や健忘なども生じます。


自分自身から離れていく感覚(離人症)や、


周囲の事物が現実ではないような感覚(現実感消失)がみられます。


自分自身に対するコントロールや、


他者に対するコントロールのいずれにも不安を抱きます。


また、激しい頭痛など体に痛みが生じる傾向があり、


性機能不全になることもあります。


そのときによって異なる一連の症状群が発現します。


解離性同一性障害の人は、


自分がしたことを覚えていなかったり、


自分の行動の変化を説明できなかったりすることがあります。


よく自分のことを「私たち」「彼」「彼女」などと表現します。


ほとんどの人が、


生まれてから最初の3~5年間のことはあまり覚えていないものですが、


解離性同一性障害の人では、


6~11歳の期間にもかなりの健忘がみられます。



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2012年7月28日土曜日

健忘関連障害!『解離性 同一性障害』

解離性同一性障害


解離性同一性障害は、以前は多重人格障害と呼ばれていたもので、


2つ以上のアイデンティティ(自己同一性)や人格が入れ替わって現れる状態をいいます。


解離性同一性障害は、精神障害の中では比較的頻度が高いとみられています。


他の精神障害で入院している人の3~4%にこの障害がみられ、


薬物乱用の治療施設に入っている人にも少数ですがこの障害がみられます。


暗示を受けやすい人に対する心理療法士の影響が出ているケースも多いのではないかと指摘する専門家もいます。


解離性同一性障害は、


いくつかの要因の相互作用によって引き起こされるとみられています。


関与する要因にはたとえば、


非常に強いストレス、自分の記憶・知覚・自己同一性などを意識から切り離す能力、


精神の発達異常、小児期の保護や養育の不十分さなどがあります。


人間の発達には、


小児期に異なるタイプの複雑な情報や経験を統合できるようになることが必要です。


まとまりと複雑さを備えた自己の同一性を確立していくにつれて、


自分自身と他者のさまざまな知覚や情動を分離しておけるようになる段階を経て、


子供たちは成長していきます。


こういった異なる知覚や情動が自分の中の「異なる自己」の形成にかかわってくるわけですが、


虐待や重大な喪失、トラウマを経験した子供がすべて、


多重人格になる資質を備えているわけではありません。


また、多重人格になる資質をもった多感な子供たちも、


正常な対処方法を身につけていたり、


多くの場合十分に大人の保護を受けて守られていることにより、


解離性同一性障害にはなりません。


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2012年7月27日金曜日

健忘関連障害!『解離性とん走』 Ⅱ

解離性とん走 症状 診断


とん走の期間は数時間の場合もあれば、


数週間、数カ月間と続いたり、


さらに長期にわたるケースもあります。


とん走状態のときは、


普段の自己同一性を失ったまま、


家族や仕事を残して姿を消してしまいます。


とん走期間が短い場合は職場に遅刻して現れたり帰宅が遅くなる程度で済みますが、


混乱した状態にあると、


医療関係者や当局の目にとまる場合もあります。


とん走が数日間かそれ以上続く場合は、


自宅から遠く離れた土地へ行き、


自分の人生の変化に気づかぬまま、


別の自我をもった人間として新しい仕事を始めることがあります。


とん走期間中、本人には特に変わった様子はないため、


人の注意を引くことはありません。


しかし、ある時点で記憶を失っていること(健忘)を自覚し、


自己の同一性について混乱を来すこともあります。


とん走期間中にこれといった症状はないことが多く、


あったとしても軽い混乱がみられる程度です。


しかし、とん走が終わると、抑うつ、不快感、悲嘆、恥じらい、強い葛藤、


自殺や攻撃の衝動が起こることがあります。


自己の同一性や過去についての混乱や困惑がみられる場合や、


新たな自己同一性または自己同一性の欠如についての葛藤がある場合は、


解離性とん走が疑われます。


症状を注意深く観察し、


記憶喪失の原因や促進因子となる身体的な異常がないか検査した上で診断を下します。


心理検査も行います。


とん走前の自分を突然取り戻し、


身に覚えのない環境で生活していることに困惑する状況になって初めて、


解離性とん走と診断される場合もあります。


医師は本人の病歴を検討し、家を離れる前の状況、その後の足取り、


新しい生活を確立するまでの状況について情報を収集した上で、


さかのぼって診断を下します。


解離性とん走 治療 経過


とん走の大半は、数時間から数日たつと自然に治まります。


解離性とん走の治療は解離性健忘の場合とほとんど同じで、


治療の一環として催眠または薬物を利用した面接を行います。


しかし、とん走期間中の記憶を再生しようとしても、たいていはうまくいきません。


とん走の引き金となった状況、葛藤、


気分をコントロールする対処方法のパターンを本人に自分で考えさせることで、


とん走行動の再発を防ぎます。


























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2012年7月26日木曜日

健忘関連障害!『解離性とん走』

解離性とん走


解離性とん走とは、何の前触れもなしに突然、


目的をもって家から飛び出し(とん走)、


その間はそれまでの人生の一部または全部を思い出せないという障害です。


解離性とん走はおよそ1000人に2人の割合で起こります。


戦争、事故、自然災害などを体験した人に多くみられます。


解離性とん走 原因


解離性とん走の原因は解離性健忘の原因に似ています。


解離性とん走は詐病(さびょう)と間違えられることがよくあります。


いずれも本人が明らかに逃げ出したいと思うような状況で発生する点では似ていますが、


解離性とん走は本人の意思とは無関係に起こる障害であり、詐病とは異なります。


詐病はわざと病気のふりをすることで(俗にいう「仮病」)、


これには自分のしたことへの責任から逃れたい、


責任を回避するための言い訳がほしい、


危険な仕事の割りあてなど想定される危険に自分の身をさらしたくないといった理由があります。


とん走は多くの場合、


隠れた願望の充足を表しているように思われます


(たとえば、離婚や経済的破滅など極度のストレスからの逃避)。


また、とん走が拒絶感や分離感と関連して起こったり、


自殺や殺人の衝動から本人を守る役割を果たしていることもあります。


解離性とん走を数回以上起こす人には通常、その背景として解離性同一性障害があります。


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