2013年4月5日金曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫ヴィスコット‐オールドリッチ症候群

ヴィスコット‐オールドリッチ症候群は、


抗体(免疫グロブリン)の産生異常とT細胞(Tリンパ球)の機能異常、


血小板の減少、


湿疹の出現などを特徴とする遺伝性の免疫不全疾患です。


ヴィスコット‐オールドリッチ症候群を発症するのは男児だけです。


T細胞とB細胞が機能するのに必要なタンパク質をコードする遺伝子


(タンパク質をつくるための遺伝子の設計図)


に突然変異が起きることが原因です。


その結果、


T細胞とB細胞は機能できなくなり、


B細胞は免疫グロブリンを正常に産生できません。


血小板(血液が固まるのを助ける細胞のかけら)は小さくて変形しています。


そのため、


脾臓がそれを取り除いて破壊してしまい、


血小板の数が少なくなります。


血小板の数が不足するので出血しやすくなります。


通常は、


最初の症状として、


血の混じった下痢がみられます。


また、


早い時期から湿疹が起きます。


抗体の量が少なく、


T細胞が機能していないので、


特に呼吸器に感染が起きたり、


リンパ腫や白血病などの癌を発症するリスクが高くなります。


血液検査が診断に役立ちます。


血小板の数だけでなく、


白血球の総数や、


それぞれの白血球の比率を測定し、


血小板に異常がないかも調べます。


さらに、


免疫グロブリンの量を測定するとともに、


ワクチンと、


その他の免疫反応の引き金になる物質(抗原)に対して患者が抗体を産生する能力を調べます。


突然変異を特定するために遺伝子検査を実施することもあります。


生存のためには幹細胞移植が必要です。


移植しなければ、


この病気を発症した男児は15歳までに死亡します。


手術で脾臓を摘出すると出血しにくくなる場合もあります。


感染症を防ぐために、


継続的に抗生物質を投与し、


不足している抗体を供給するため免疫グロブリンを補充します。






















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2013年4月4日木曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫複合型免疫不全症

重症複合型免疫不全症は、


抗体(免疫グロブリン)の量が減少し、


T細胞(Tリンパ球)が存在しなくなる先天性の免疫不全疾患です。


重症複合型免疫不全症は免疫不全疾患のなかで一番重い病気です。


いくつもの異なる遺伝子欠損により起こり、すべて遺伝性です。


酵素であるアデノシンデアミナーゼの欠損が原因で起きることもあります。


T細胞がまったく存在しないので、


B細胞は免疫グロブリンを産生できず、


免疫グロブリンがわずかしかありません。


この病気にかかった乳児の大部分が、


通常は生後6カ月までに肺炎、


鵞口瘡、


下痢を発症します。


また、


ニューモチスシス肺炎などの、


より重い感染症も起こります。


結果として、


乳児は正常に成長、


発達することができません。


皮が剥けるような発疹ができることもあり、


患者は全員、


胸腺がほとんど発達していません。


治療しなければ、


通常1歳になるまでに死亡します。


診断 治療


症状がこの病気を示唆し、


B細胞とT細胞の数、


ならびに免疫グロブリンの量を測定するとともに、


B細胞とT細胞がどの程度機能しているか調べるために血液検査を行います。


この病気の患者は感染を起こす可能性のあるものから体を守るために、


ずっと保護された環境で過ごします。


以前は、この病気を持つ小児は完全に隔離され、


時としてずっとビニールテントの中に入っていたので、


「バブルボーイ症候群」と呼ばれていました。


抗生物質と免疫グロブリンによる治療が有効ですが、


重いウイルス感染を防ぐことはできません。


唯一の効果的な治療法は、


この病気になっておらず、


まったく同じ組織型を持つ兄弟姉妹、ないし、


組織型が患者と半分一致する父親か母親から骨髄幹細胞を移植することです。


生後3カ月までに移植できれば、


96%の乳児が生存します。


移植を受けられない場合でも、


病気の原因がアデノシンデアミナーゼの欠損であれば、


注射による酵素補充療法が一部有効です。


重症複合型免疫不全症の種類によっては、


遺伝子治療が効果的な場合があります。


遺伝子治療では、


乳児の骨髄から白血球を少し取り出して、


この中に正常な遺伝子を入れ、乳児の体に戻します。


しかし、ある種の重症複合免疫型不全症では、


遺伝子治療の後で白血病が発症するリスクがあります。



















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2013年4月3日水曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫毛細血管拡張性失調症

毛細血管拡張性失調症


毛細血管拡張性失調症は協調運動不能、


毛細血管拡張、


感染症などを引き起こす遺伝性の免疫不全疾患です。


Bリンパ球とTリンパ球が機能しないため、


患者は感染症にかかりやすくなります。


さらに抗体のうちIgAとIgEの数値が低下します。


副鼻腔や呼吸器の感染症が頻発し、


肺炎、


気管支炎のような慢性の肺疾患を起こします。


癌、


特に白血病、


脳腫瘍(のうしゅよう)、


胃癌のリスクが増大します。



協調運動不能(運動失調)は、


免疫不全疾患とは関係がない小脳の異常によります。


協調運動不能は、


通常は歩きはじめるころに発症しますが4歳ごろまで現れない場合もあります。


言葉が不明瞭になり筋肉が徐々に弱くなり、


やがて重度の障害となります。


精神遅滞が起き、


進行します。


1~6歳くらいまでに皮膚と眼の毛細血管が拡張し、


外見からもわかるようになります。


くも状静脈と呼ばれる拡張した毛細血管は、


眼球と耳に顕著に現れます。


内分泌系が侵されていることが多く、


男児では精巣が小さく、


男女とも不妊症、


糖尿病を起こします。


感染症を防ぐには、


抗生物質と免疫グロブリンの投与が有効ですが、


神経系の障害は軽減されません。


毛細血管拡張性失調症は、


通常、


30歳ごろまでに麻痺(まひ)の出現、


痴呆の出現、


死亡という経過をたどります。



















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2013年4月1日月曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫一過性乳児低血症

一過性乳児低血症


一過性乳児低ガンマグロブリン血症は、


乳児期の抗体生成に遅れが生じる免疫不全疾患です。


誕生時には、


免疫システムは完全には発達していません。


乳児の抗体のほとんどは母体によってつくられ、


誕生前に胎盤を介して胎児に移ります。


乳児が自分で抗体をつくりはじめるまで、


母体からの抗体が乳児を感染から守ります。


この期間は通常、


6カ月間です。


一過性乳児低ガンマグロブリン血症の乳児は、


抗体をつくりはじめるのが遅れます。


その結果、


抗体値が生後3~6カ月ごろから低下しはじめ、


それが12~36カ月ごろまで続きます。


この疾患は早産児によくみられますが、


それは胎児が母体から受け取る抗体が少ないからです。


誕生時にみられる疾患ですが、


遺伝性ではありません。


ほとんどの患児は、


何らかの抗体をもっているので、


感染症のリスクはなく治療も必要ありません。


しかし、


中には、特に未熟児の場合、


頻繁に感染症にかかる者もいます。


免疫グロブリンを投与すれば、


感染症を防いだり、


治療効果を上げることができます。


投与期間はおよそ6~12カ月で、


必要に応じて抗生物質も投与します。


寿命には疾患の影響はありません。




















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2013年3月29日金曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫分類不能型

分類不能型


分類不能型免疫不全症は後天性免疫不全疾患で、


Bリンパ球の数は正常にもかかわらず非常に低い抗体値を示します。


分類不能型免疫不全症は、


通常、


10~20歳の間に発病します。


患者によっては、


Tリンパ球の機能不良がみられることがあります。


肺の感染症、


特に肺炎を繰り返します。


アジソン病、


甲状腺炎、


関節リウマチなどの自己免疫疾患もみられます。


下痢症状を起こすことも多く、


消化管からの食物の吸収が不良となります。



生涯を通じて免疫グロブリンを注入し、


感染症の治療には抗生物質を用いますが、


この場合、


寿命が短くなることがあります。



















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2013年3月28日木曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫選択的抗体欠損

選択的抗体欠損は、


通常は後天性ですが、


遺伝性の免疫不全疾患の場合もあります。


全体の抗体値が正常でもある種の抗体値だけが低くなります。


抗体(免疫グロブリン)には、


いくつかの異なる種類があり、


それぞれ異なる方法で感染症から身を守る働きをします。


どの種類でも抗体値の低下がありますが、


最もよくみられるのは免疫グロブリンA(IgA)の抗体値低下です。


選択的IgA欠損は生涯にわたって続きます。


この疾患は染色体異常のほか、


抗けいれん薬であるフェニトインの使用によっても起こります。


選択的IgA欠損の場合、


症状はほとんどないか、


あってもごくわずかです。


まれに慢性の呼吸器の感染症、


アレルギー、


慢性下痢、


自己免疫疾患を発症します。


もし選択的IgA欠損の人に輸血またはIgAを含む免疫グロブリンが投与されると、


IgAに対する抗体ができて、


次に輸血あるいは免疫グロブリンを投与したときに、


重症のアレルギー反応(アナフィラキシー反応)を起こすことがあります。


このような患者は、


アレルギー反応に対する注意を医師に喚起するため、


ブレスレットやタグの医療標識を身につけておく必要があります。


選択的IgA欠損は、特に治療は必要としません。


感染症を繰り返す人には抗生物質を投与します。


通常は寿命に影響はありません。


もし選択的IgA欠損がフェニトインを使用した結果発症しているのであれば、


フェニトインの投与をやめれば解決します。




















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2013年3月27日水曜日

免疫病気!≫免疫不全疾患≫X連鎖無ガンマグロブリン

X連鎖無ガンマグロブリン血症


X連鎖無ガンマグロブリン血症(ブルートン無ガンマグロブリン血症)


はX染色体の異常による遺伝性免疫不全疾患で、


Bリンパ球がほとんどないかまったくなく、


抗体が非常に低いレベルになります。


X連鎖無ガンマグロブリン血症は男児にだけ発症します。


生後約6カ月間は母体から受け継いだ抗体が感染症を防ぎます。


患児には、


6カ月を過ぎるころから、


耳、


副鼻腔、


肺、


骨などで、


肺炎球菌、


ヘモフィルス菌、


レンサ球菌などの細菌による感染症が繰り返し起こるようになります。


まれに、


脳へのウイルス感染もみられます。


癌のリスクも増大します。


感染症を予防するために、


生涯にわたり免疫グロブリンの投与を行います。


感染症を発症した場合は、


ただちに抗生物質の投与を行い、


場合によっては継続的に投与を行っていきます。


これらの処置を行っても、


副鼻腔や肺の慢性感染症にかかることは少なくありません。


治療をしても寿命はあまり変わりません。



















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