2009年9月26日土曜日

癌の「危険因子」

発癌の危険性は、



さまざまな遺伝的要因や環境的要因によって増大します。



ある家族では、



特定の癌になるリスクが普通の人よりも高いことがあります。



リスクが増大する原因は、単一の遺伝子による場合もあれば、



いくつかの遺伝子の相互作用による場合もあります。



家族に共通する環境的な要因が遺伝子の相互作用に影響し、



発癌を促す場合もあります。



染色体の数や構造の異常も癌のリスクを増大させます。



たとえばダウン症の人には21番染色体が通常の2本ではなく3本あり、



急性白血病の発症リスクが普通の人の12~20倍になります。



癌の中にはウィルムス腫瘍、網膜芽細胞腫、




神経芽細胞腫などのように、



ほとんど小児にしか発生しないものがあります。



これらの癌が小児に生じる原因はまだ解明されていませんが、



遺伝的要因は危険因子の1つです。



一方、ほとんどの癌は成人により多く発生します。



発癌率が高くなっていくのは、



より多くの発癌物質に長期間さらされる一方で、




生体の免疫システムは弱まっていくためと考えられます。