2018年12月27日木曜日

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>診断Ⅱ

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>診断Ⅱ


心臓の右側部分に腫瘍が発見された場合は、

顕微鏡検査のために小さな組織標本を採取します(生検)。

組織は多くの場合、

脚の静脈から心臓に挿入したカテーテルで採取し、

この方法を心臓カテーテル法と呼びます。

この検査は、

腫瘍の種類を確認して適切な治療法を選ぶのに役立ちます。

ただし

、心臓の左側部分に発生した腫瘍の生検は、

有益性よりもリスクが大きいため、

実施されることはまれです。

>>>次へ続く

2018年12月26日水曜日

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>診断

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>診断


原発性心臓腫瘍は、

比較的まれな病気で、

さらにほかの多くの病気と症状が似ていることから、

診断が困難です。

心雑音、不整脈、

説明のつかない心不全症状、

原因不明の発熱のある患者では、

原発性心臓腫瘍を疑います。

続発性心臓腫瘍は、体のほかの部位に癌がある人で、

心機能不全の症状がみられる場合に疑います。

腫瘍が疑われる場合、

心臓超音波検査を行って診断を確定します。

この検査では、

超音波を出すプローブを胸にあてて、

心臓の構造を描出します。

別の角度からみた心臓の画像が必要な場合は、

プローブをのどから食道に入れ、

心臓の真後ろから信号を記録することができます。

この検査法は経食道心エコー検査と呼ばれています。

CT検査やMRI検査ではより詳しい情報を得ることができます。

冠動脈造影では、

X線画像上に心臓腫瘍の外形が得られますが、

この検査が必要になることはまれです。

>>>次へ続く

2018年12月25日火曜日

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>症状

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>症状


心臓腫瘍では、

症状がみられない場合もあれば、

軽度の症状がみられる場合もあり、

突然発症する他の心臓病と共通するような致死的な心機能不全がみられる場合もあります。

たとえば、腫瘍は、心不全、不整脈、

心臓を覆う心膜内への出血による血圧低下などを引き起こします。

粘液腫や線維腫のように、

心臓弁の上部やその近くに発生する腫瘍がある場合は、

その約半数で心雑音が聞かれますが、

これは血液が弁を正常に通過できなくなるためです。

非癌性腫瘍でも、

癌性腫瘍と同じく心機能を低下させるものは致死的です。

心臓腫瘍、

特に粘液腫は退縮して砕かれ、

小片となり血流に乗って移動し、

塞栓となる可能性があります。

塞栓が細動脈に詰まると血流を遮断します。

さらに、

粘液腫などの腫瘍の表面で形成された血液のかたまりがはがれて塞栓となり、

動脈を閉塞させる可能性もあります。

塞栓による症状は、

閉塞した動脈がどの組織あるいはどの臓器に血液を供給しているかによって異なります。

>>>次へ続く

2018年12月21日金曜日

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>Ⅱ

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>Ⅱ


粘液腫は、

心臓壁の内層にある胚細胞から発生し、

左心房内で増殖します。

群発性でみられる横紋筋腫は、

心筋細胞から直接的に発生し、

心臓壁に付着して増殖します。

横紋筋腫は、

乳児や小児によくみられますが、

結節硬化症と呼ばれるまれな病気の一部として発生することがあります。

単発性でみられる線維腫は、

心臓の線維性組織細胞から発生し、

心臓弁上で増殖します。

体のほかの部分、

主に肺、乳房、血液、皮膚から増殖が始まり、

心臓へと広がった(転移した)腫瘍は続発性腫瘍と呼ばれ、常に癌性です。

続発性心臓腫瘍は、

原発性心臓腫瘍の30〜40倍多くみられますが、

それでもあまり頻繁にみられる病気ではありません。

最も発生率の高い癌である肺癌や乳癌の患者で約10%、

徐々に発生率が高くなっている悪性黒色腫の患者では約75%に心臓への転移がみられます。

>>>次へ続く

2018年12月20日木曜日

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>

心臓・血管>>心臓の腫瘍>>


腫瘍(しゅよう)とは、癌性(悪性)であれ、

非癌性(良性)であれ、

異常な増殖物のことをいいます。

心臓から増殖が始まった腫瘍は、

原発性心臓腫瘍と呼ばれます。

この腫瘍は、

癌性のものも非癌性のものも、

心臓組織のあらゆる部位から発生する可能性があります。

原発性心臓腫瘍は、

2000人に1人発症するかどうかという程度のまれな病気です。

成人において最も多くみられる非癌性の原発性心臓腫瘍は粘液腫で、

全体の約50%を占めます。

乳児や小児において、

最も多くみられる非癌性の原発性心臓腫瘍は横紋筋腫で、

全体の約40%を占めます。

次いで、乳児や小児に多くみられる非癌性の原発性心臓腫瘍は線維腫で、

これら以外の腫瘍は、

きわめてまれです。

>>>次へ続く

2018年12月19日水曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 治療

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 治療


慢性滲出性心膜炎の原因がわかれば、

治療は可能です。

心機能が正常なら、

経過観察します。

症状がある、

あるいは感染症が疑われるときは、

外科的なドレナージを行います。

慢性収縮性心膜炎の場合は、

ベッドで安静にする、

食事からの塩分摂取を制限する、

水分の排泄量を増やす利尿薬を服用することによって症状は軽減します。

しかし、治癒に至る唯一の治療法は、

手術による心膜の切除です。

手術で、約85%の人が治癒しますが、

手術による死亡リスクは5〜15%です。

ほとんどの人は日常生活にかなりの支障が出ないかぎり、

手術を受けたがりません。

また、病気の初期や末期の段階に手術を行うことはありません。

>>>次へ続く

2018年12月18日火曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断Ⅲ

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断Ⅲ


診断は、

以下の2つの方法のうち1つによって確定します。

1つは、

心房および心室の内部と大血管の血圧を測る心臓カテーテル検査です。

この検査は、

心膜炎と類似した病気を鑑別するのに役立ちます。

もう1つは、

心膜の厚さを測るMRI検査あるいはCT検査です。

正常な心膜は約3ミリメートル以下ですが、

慢性収縮性心膜炎では約6ミリメートルか、

それ以上となります。

たとえば、

結核などの慢性心膜炎の原因を確定するには、

生検を行います。

検査のための手術により、

心膜から小さな組織を採取して、

顕微鏡で調べます。

あるいは、胸部の切開創から心膜鏡を挿入して、

組織標本を採取します。

>>>次へ続く

2018年12月17日月曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断Ⅱ

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断Ⅱ

特に、高血圧、冠動脈疾患、
心臓弁障害などといった心機能を低下させる他の理由がないときには、
症状が慢性心膜炎の発症を疑う重要な手がかりとなります。
心エコー検査は、
診断を確定するために実施されます。
心エコー検査では、
心膜腔内の体液の量と、
心臓の周りに形成された線維性組織の状態を描出できます。
これにより、
心タンポナーデが起こっているかどうかも確認できます。
胸部X線検査では、
心膜へのカルシウム沈着を検出します。
慢性収縮性心膜炎では、
このようなカルシウム沈着が半数近くの人にみられます。
>>>次へ続く

2018年12月14日金曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎 症状 診断

心膜炎では息切れ、
せき、
疲労感などの症状がみられます。
せきは、
肺静脈の圧力が高いために、
肺胞内に体液が漏れ出すことで起こります。
疲労感は、
異常な心膜が心臓のポンプ機能を妨げ、
心臓が全身に必要な量の血液を送り出せないために起こります。
その他によくみられる症状としては、
腹部に体液がたまる腹水、
脚のむくみ(浮腫)があります。
ときに、胸水がみられます。
慢性心膜炎では、
痛みが生じることはありません。
体液が徐々に心膜腔にたまっていく慢性滲出性心膜炎では、
症状はほとんどありません。
これは、
心膜が徐々に伸びていくため、
心タンポナーデが起こらないからです。
しかし、
もし体液が急速にたまれば、
心臓が圧迫されて、
心タンポナーデが起こります。
>>>次へ続く

2018年12月11日火曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>慢性心膜炎


慢性心膜炎とは、

徐々に出現し、

長く続く炎症で、

心膜腔への体液の貯留や、

心膜の肥厚がみられます。

慢性心膜炎は主に滲出性と収縮性の2種類に分けられます。

慢性滲出性心膜炎では、

2層の心膜の間の心膜腔にゆっくりと体液がたまります。

慢性収縮性心膜炎はまれな病気で、

心膜全体に瘢痕化(線維性)組織が形成された結果、

起こります。

この線維性組織は何年もかけて収縮し、

心臓を締めつけます。

したがって、

心臓は他の多くの心臓病でみられるように肥大しません。

なぜなら、

締めつけられている心臓に血液を満たすために強い圧力が必要になればなるほど、

心臓に血液を戻す静脈の血圧が高くなり、

それによって静脈内にたまっていた体液が漏れ出し、

皮膚の下のような体のほかの部位にたまるからです。

>>>次へ続く

2018年12月10日月曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎

心膜炎の最も重篤な合併症、心タンポナーデについて 3

心タンポナーデの再発に備えて、

心臓にかかる圧力が取り除かれた後もしばらくは入院します。

患者は普通、24時間の監視下に置かれます。

入院期間の長さは、

心タンポナーデの原因によって異なります。

ドレーンを留置している場合、

排液が完全になくなってドレーンを抜くまでは退院できません。

心タンポナーデが再発した場合は、

再び同じ方法で排液することも、

異なる方法を試みることもあります。

他の方法としては、

瘢痕組織を形成させて、

心膜を取り除く薬液を注入する硬化療法や、

心膜を切除する心膜切除術などがあります。

2018年12月6日木曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎
心膜炎の最も重篤な合併症、心タンポナーデについて Ⅱ
普通、心タンポナーデには緊急治療が必要です。
医師は、心臓にかかっている圧力を取り除くために、
針あるいはカテーテルを使って心膜に貯留している液を
取り除く心膜穿刺術をただちに実施します。
時間があれば、
心エコー検査で慎重に管理しながら排液します。
また、
先端にバルーンのついたカテーテルを皮膚から
刺入する経皮的バルーン心膜切開術や、
胸部の小さな切開創からチューブを
挿入する剣状突起下心膜切開術によって、
たまった体液を外科的に排液することもあります。
心内膜炎の原因がわからない場合、
心膜内から得られた排液試料を顕微鏡で検査します。
この検査は、
原因を突き止めるのに役立ちます。
>>>次へ続く

2018年12月4日火曜日

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎

心臓・血管>>感染性心内膜炎>>急性心膜炎
心膜炎の最も重篤な合併症、心タンポナーデについて

心タンポナーデは、
主に癌、外傷、手術の結果、
2層の心膜の間に体液や血液が貯留することによって起こります。
ウイルスや細菌への感染、
腎不全も主な心タンポナーデの原因です。
心膜腔に貯留した体液や血液は、
心臓を圧迫し、
血液を送り出す心機能が損なわれます。
その結果、息を吸いこむと、
血圧が急速に異常なレベルまで低下し、
脈拍が弱まります。
息を吐くと、血圧が上昇して、脈拍が強まります。
呼吸によって起こる血圧と脈拍のこのような異常な変化は、
奇脈と呼ばれています。
超音波を利用して心臓の像を描出する心エコー検査が、
診断を確定するために用いられます。
この検査では、
呼吸によって起こる心臓の圧迫や心臓内の
血流の変化といった特徴的な異常を検出できます。
>>>次へ続く