診断
患者がバリウムを飲みこんでいる間のX線検査では、
食べものが正常に食道を下りていかず、
食道壁の収縮が協調を失い、
食べものを送っていないことがわかります。
食道シンチグラフィ(食べものに微量の放射性物質で印をつけ、
その動きを調べる画像検査)を行うと、
食道を通過する食べものの動きに異常がないかがわかります。
食道内圧測定(圧力計のついたチューブを食道に入れて収縮圧を測定する検査)
で圧測定をすると、けいれんの状態を詳しく分析できます。
以上の検査方法で診断が確定しない場合は、
食後、またはエドロフォニウムという薬でけいれんを誘発した後に、
食道内圧を測定します。
治療
食道けいれんは治療が困難です。
ニトログリセリン、長時間作用型の亜硝酸塩、
ジシクロミンなどの抗コリン作用薬、
ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬により、
食道の筋肉が弛緩して症状が和らぐことがあります。
強力な鎮痛薬が必要な場合もあります。
食道が狭くなっている場合は、
食道内でバルーン(風船状の治療器具)をふくらませたり、
ブジー(直径を徐々に大きくしていく拡張器)を挿入して食道を広げます。
これらの処置で効果がない場合は、
手術で食道の全長にわたって筋肉を切開することもまれにあります。
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2011年4月7日木曜日
消化器の病気 『食道の病気 続き 』
食道けいれん
食道けいれんは食道のぜん動障害の1つで、
神経の異常が原因で起こります。
この障害が起こると、
食道にぜん動でない異常な収縮がときどき発生して、
食べものを前進させるための正常な収縮が妨げられます。
食道けいれんのある人の30%では、
下部食道括約筋の開閉にも異常がみられます。
症状
食道全般にわたる筋肉のけいれんが起き、
胸骨の下あたりの胸痛として感じられます。
同時に、飲みもの(特にとても熱い飲みものやとても冷たい飲みもの)
や固形物が飲みこみにくくなります。
胸痛は夜間にも起こり、
目が覚めてしまうほど強いこともあります。
嚥下困難を伴わずに激しい痛みが起きることもあります。
この痛みはしばしば、
胸骨の下の締めつけられるような痛みと表現されます。
運動中や急な動作をしたときに起こることもあるため、
狭心症(心疾患から起こる胸痛)との判別が難しくなります。
何年もたつと食道けいれんからアカラシアへと進行することがあります。
アカラシアになると、食道のリズミカルな収縮が大きく損なわれます。
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食道けいれんは食道のぜん動障害の1つで、
神経の異常が原因で起こります。
この障害が起こると、
食道にぜん動でない異常な収縮がときどき発生して、
食べものを前進させるための正常な収縮が妨げられます。
食道けいれんのある人の30%では、
下部食道括約筋の開閉にも異常がみられます。
症状
食道全般にわたる筋肉のけいれんが起き、
胸骨の下あたりの胸痛として感じられます。
同時に、飲みもの(特にとても熱い飲みものやとても冷たい飲みもの)
や固形物が飲みこみにくくなります。
胸痛は夜間にも起こり、
目が覚めてしまうほど強いこともあります。
嚥下困難を伴わずに激しい痛みが起きることもあります。
この痛みはしばしば、
胸骨の下の締めつけられるような痛みと表現されます。
運動中や急な動作をしたときに起こることもあるため、
狭心症(心疾患から起こる胸痛)との判別が難しくなります。
何年もたつと食道けいれんからアカラシアへと進行することがあります。
アカラシアになると、食道のリズミカルな収縮が大きく損なわれます。
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消化器の病気 『食道の病気 続き 』
食べものの送りこみの異常
食べものが口から胃へと運ばれるためには、口とのどが協調して正常に機能すること、食道がぜん動すること、そして食道括約筋が弛緩(しかん)することが必要です。
これらの機能に1つでも問題があると、嚥下困難、逆流、嘔吐、誤嚥(ごえん:吸いこんだときに食べものが気道に入ってしまうこと)が起こります。
のどの送りこみ障害
のどの送りこみに障害が起きると、食べものをのどの上部から食道へ送り出すことができなくなります。
これは特に、のどの筋肉やそれを支配する神経が障害を受けたときに起こります。
最も多い原因は、脳卒中です。
そのほかに、皮膚筋炎、強皮症、重症筋無力症、筋ジストロフィ、ポリオ、偽球麻痺(ぎきゅうまひ)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)などでも、のどの筋肉や神経が障害されます。
また、抗精神病薬の1つであるフェノチアジンはのどの筋肉の機能に影響を及ぼすため、この薬の服用も嚥下困難の原因となります。
のどの食べものの送りこみ機能に異常があると、食べものが鼻の奥から逆流したり、食べものを気管内に吸いこんだりするため、せきこみやすくなります。
輪状咽頭の協調不能では、上部食道括約筋(輪状咽頭筋)が閉じたままになったり、あるいは、嚥下運動と協調せずに開いたりします。
括約筋の機能に異常があると、食べものが気管や肺に繰り返し入りこんで肺が感染症を起こし、次第に慢性の肺疾患へと進行します。
このような場合には、手術で括約筋を切開して永久的に弛緩させます。
もし異常を放置しておくと、輪状咽頭筋の部分から食道の壁が後方へと押し出され、その結果、憩室と呼ばれる袋が形成されることがあります。
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食べものが口から胃へと運ばれるためには、口とのどが協調して正常に機能すること、食道がぜん動すること、そして食道括約筋が弛緩(しかん)することが必要です。
これらの機能に1つでも問題があると、嚥下困難、逆流、嘔吐、誤嚥(ごえん:吸いこんだときに食べものが気道に入ってしまうこと)が起こります。
のどの送りこみ障害
のどの送りこみに障害が起きると、食べものをのどの上部から食道へ送り出すことができなくなります。
これは特に、のどの筋肉やそれを支配する神経が障害を受けたときに起こります。
最も多い原因は、脳卒中です。
そのほかに、皮膚筋炎、強皮症、重症筋無力症、筋ジストロフィ、ポリオ、偽球麻痺(ぎきゅうまひ)、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)などでも、のどの筋肉や神経が障害されます。
また、抗精神病薬の1つであるフェノチアジンはのどの筋肉の機能に影響を及ぼすため、この薬の服用も嚥下困難の原因となります。
のどの食べものの送りこみ機能に異常があると、食べものが鼻の奥から逆流したり、食べものを気管内に吸いこんだりするため、せきこみやすくなります。
輪状咽頭の協調不能では、上部食道括約筋(輪状咽頭筋)が閉じたままになったり、あるいは、嚥下運動と協調せずに開いたりします。
括約筋の機能に異常があると、食べものが気管や肺に繰り返し入りこんで肺が感染症を起こし、次第に慢性の肺疾患へと進行します。
このような場合には、手術で括約筋を切開して永久的に弛緩させます。
もし異常を放置しておくと、輪状咽頭筋の部分から食道の壁が後方へと押し出され、その結果、憩室と呼ばれる袋が形成されることがあります。
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消化器の病気 『食道の病気 』
食道は、のどから胃までをつなぐ管状の器官です。
食べものは、重力ではなく、
ぜん動と呼ばれる食道の筋肉のリズミカルな収縮運動によって胃へと進められます。
のどと食道の境界のすぐ下には、上部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があります。
そして食道と胃の境界のすぐ上には、下部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があります。
食道が働いていないときは、食べものと胃酸が口の方に逆流しないよう、
この2つの括約筋が収縮しています。
食べものを飲みこむときは、これらの括約筋がゆるむため、食べものが胃に入ります。
食道括約筋の収縮力や張力は、加齢とともに低下します。
この状態を老人性食道といい、
食後すぐに横たわったときなどに胃酸の逆流が起こりやすくなります(胃食道逆流症)。
食道の病気で特によくみられる症状には、
1)嚥下(えんげ)困難(ものを飲みこみにくいと感じること)と、
2)胸痛または背部痛の2つがあります。
嚥下困難や、胸痛、背部痛を生じる食道疾患はさまざまありますが、
中でも最も深刻な病気は食道癌(しょくどうがん)です。
1)食道の閉塞に関連するもの、
2)送りこみに関連するもの、
3)損傷に関連するものについて説明します。
これ以外に、下部食道の静脈が拡張して出血しやすくなる食道静脈瘤という病気もあります。
食べものは、重力ではなく、
ぜん動と呼ばれる食道の筋肉のリズミカルな収縮運動によって胃へと進められます。
のどと食道の境界のすぐ下には、上部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があります。
そして食道と胃の境界のすぐ上には、下部食道括約筋と呼ばれる輪状の筋肉があります。
食道が働いていないときは、食べものと胃酸が口の方に逆流しないよう、
この2つの括約筋が収縮しています。
食べものを飲みこむときは、これらの括約筋がゆるむため、食べものが胃に入ります。
食道括約筋の収縮力や張力は、加齢とともに低下します。
この状態を老人性食道といい、
食後すぐに横たわったときなどに胃酸の逆流が起こりやすくなります(胃食道逆流症)。
食道の病気で特によくみられる症状には、
1)嚥下(えんげ)困難(ものを飲みこみにくいと感じること)と、
2)胸痛または背部痛の2つがあります。
嚥下困難や、胸痛、背部痛を生じる食道疾患はさまざまありますが、
中でも最も深刻な病気は食道癌(しょくどうがん)です。
1)食道の閉塞に関連するもの、
2)送りこみに関連するもの、
3)損傷に関連するものについて説明します。
これ以外に、下部食道の静脈が拡張して出血しやすくなる食道静脈瘤という病気もあります。
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