新しい併用療法も多く行われています。
その1つは、従来の化学療法を数カ月間行った後、高用量の化学療法を実施する方法です。
高用量の化学療法は骨髄でつくられる正常な細胞にも有害なので、この療法を行う前に、
患者の血液から幹細胞(成熟して赤血球、白血球、血小板になる前の未分化の細胞)
を集めておきます。
高用量治療が終わった後に、この幹細胞を体内に戻します(幹細胞移植)。
一般にこの治療法は70歳未満の人に行われます。
重度の骨の痛みがある場合は、その骨に対して強い鎮痛薬と放射線療法を使用することで、
痛みを軽減できます。
放射線療法には骨折を予防する効果もあります。
パミドロン酸(ビスホスホネート系の薬)やさらに強力なゾレドロン酸を1カ月に1回静脈投与すると、
骨合併症の発生を抑えることができるので、
大多数の患者でこれらの薬が治療の一部として生涯にわたり投与されます。
体を積極的に動かすことも重要です。長期間寝ていると骨量の減少が促進され、
骨がもろくなって骨折しやすくなるからです。
ほとんどの人は普通の生活を送り、さまざまな活動を行うことができます。
水分を多く摂ると尿が薄まり、脱水による腎不全を予防できます。
発熱、悪寒、たんを伴うせき、皮膚の発赤など感染の徴候がある場合は、
抗生物質の投与が必要なこともあるので、すぐに診察を受けるようにします。
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2011年12月26日月曜日
形質細胞の病気 !『多発性骨髄腫』 ④
多発性骨髄腫 治療 経過
治療法が近年進歩しているとはいえ、多発性骨髄腫は依然として不治の病です。
症状や合併症の予防と緩和、異常な形質細胞の破壊、病気の進行を遅らせることが治療の目標になります。
現在のところ、最も確実に効果が得られる薬剤は、プレドニゾロンやデキサメタゾンなどのコルチコステロイド薬です。
また、化学療法は異常な形質細胞を死滅させることで、多発性骨髄腫の進行を遅らせます。
化学療法は異常な細胞だけでなく正常な細胞も死滅させてしまうので、血球数を調べて、
正常な白血球や血小板の数が大幅に減少した場合は、薬の量を調節します。
コルチコステロイド薬に加えて最もよく使用される化学療法薬はメルファランで、次がシクロホスファミドです。
ビンクリスチンとドキソルビシンも有効で、特に骨髄への重度の副作用は、メルファランやシクロホスファミドほど多くありません。
サリドマイドは、他の治療では進行が止まらない患者の3分の1近くに有効です。
化学療法への反応が良い場合は、インターフェロンでその反応をある程度延長できますが、
生存期間に対する効果はあまりありません。
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症状や合併症の予防と緩和、異常な形質細胞の破壊、病気の進行を遅らせることが治療の目標になります。
現在のところ、最も確実に効果が得られる薬剤は、プレドニゾロンやデキサメタゾンなどのコルチコステロイド薬です。
また、化学療法は異常な形質細胞を死滅させることで、多発性骨髄腫の進行を遅らせます。
化学療法は異常な細胞だけでなく正常な細胞も死滅させてしまうので、血球数を調べて、
正常な白血球や血小板の数が大幅に減少した場合は、薬の量を調節します。
コルチコステロイド薬に加えて最もよく使用される化学療法薬はメルファランで、次がシクロホスファミドです。
ビンクリスチンとドキソルビシンも有効で、特に骨髄への重度の副作用は、メルファランやシクロホスファミドほど多くありません。
サリドマイドは、他の治療では進行が止まらない患者の3分の1近くに有効です。
化学療法への反応が良い場合は、インターフェロンでその反応をある程度延長できますが、
生存期間に対する効果はあまりありません。
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形質細胞の病気 !『多発性骨髄腫』 ③
多発性骨髄腫 診断
多発性骨髄腫は、別の目的でX線検査を受けたときに骨密度の減少が見つかって、
症状が現れる前に診断されることがあります。
骨量の減少は広い範囲にわたる場合もあれば、骨のところどころで骨密度が下がって、
X線画像でいわゆる「打ち抜き像」としてみられる部位が少数の骨に散在している場合もあります。
背部痛や他の部位の骨の痛み、疲労、発熱、あざ(挫傷)などの症状から多発性骨髄腫が疑われることもあります。
このような場合は血液検査を行って、貧血、白血球数の減少、血小板数の減少、腎不全を調べます。
診断に最も有効な血液検査は、血清タンパク電気泳動と免疫電気泳動です。
これらの検査では、大半の多発性骨髄腫患者にみられる単一の種類の抗体過剰が検出されます。
他の種類の抗体、特にIgG、IgA、IgMも測定します。
カルシウムの値も測定します。
また、24時間にわたって尿を採取し、尿中のタンパク質の量と種類を分析します。
多発性骨髄腫患者の半数で、尿中からベンス・ジョーンズタンパクが検出されます。
ほとんどの場合、骨髄生検を行って診断を確定します。
多発性骨髄腫では、多数の形質細胞がシート状や房状など異常な並び方になっています。
また、個々の細胞の形状にも異常がみられることがあります。
その他の血液検査も、病気の全般的な状態を調べるのに役立ちます。
診断時に血液中のベータ‐2‐ミクログロブリンとC反応性タンパク質の値が高い場合は、
一般に生存期間が短いことが予想されるため、
これによって治療方法の決定に影響が生じることがあります。
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症状が現れる前に診断されることがあります。
骨量の減少は広い範囲にわたる場合もあれば、骨のところどころで骨密度が下がって、
X線画像でいわゆる「打ち抜き像」としてみられる部位が少数の骨に散在している場合もあります。
背部痛や他の部位の骨の痛み、疲労、発熱、あざ(挫傷)などの症状から多発性骨髄腫が疑われることもあります。
このような場合は血液検査を行って、貧血、白血球数の減少、血小板数の減少、腎不全を調べます。
診断に最も有効な血液検査は、血清タンパク電気泳動と免疫電気泳動です。
これらの検査では、大半の多発性骨髄腫患者にみられる単一の種類の抗体過剰が検出されます。
他の種類の抗体、特にIgG、IgA、IgMも測定します。
カルシウムの値も測定します。
また、24時間にわたって尿を採取し、尿中のタンパク質の量と種類を分析します。
多発性骨髄腫患者の半数で、尿中からベンス・ジョーンズタンパクが検出されます。
ほとんどの場合、骨髄生検を行って診断を確定します。
多発性骨髄腫では、多数の形質細胞がシート状や房状など異常な並び方になっています。
また、個々の細胞の形状にも異常がみられることがあります。
その他の血液検査も、病気の全般的な状態を調べるのに役立ちます。
診断時に血液中のベータ‐2‐ミクログロブリンとC反応性タンパク質の値が高い場合は、
一般に生存期間が短いことが予想されるため、
これによって治療方法の決定に影響が生じることがあります。
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