解離性同一性障害
解離性同一性障害は、以前は多重人格障害と呼ばれていたもので、
2つ以上のアイデンティティ(自己同一性)や人格が入れ替わって現れる状態をいいます。
解離性同一性障害は、精神障害の中では比較的頻度が高いとみられています。
他の精神障害で入院している人の3~4%にこの障害がみられ、
薬物乱用の治療施設に入っている人にも少数ですがこの障害がみられます。
暗示を受けやすい人に対する心理療法士の影響が出ているケースも多いのではないかと指摘する専門家もいます。
解離性同一性障害は、
いくつかの要因の相互作用によって引き起こされるとみられています。
関与する要因にはたとえば、
非常に強いストレス、自分の記憶・知覚・自己同一性などを意識から切り離す能力、
精神の発達異常、小児期の保護や養育の不十分さなどがあります。
人間の発達には、
小児期に異なるタイプの複雑な情報や経験を統合できるようになることが必要です。
まとまりと複雑さを備えた自己の同一性を確立していくにつれて、
自分自身と他者のさまざまな知覚や情動を分離しておけるようになる段階を経て、
子供たちは成長していきます。
こういった異なる知覚や情動が自分の中の「異なる自己」の形成にかかわってくるわけですが、
虐待や重大な喪失、トラウマを経験した子供がすべて、
多重人格になる資質を備えているわけではありません。
また、多重人格になる資質をもった多感な子供たちも、
正常な対処方法を身につけていたり、
多くの場合十分に大人の保護を受けて守られていることにより、
解離性同一性障害にはなりません。
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2012年7月28日土曜日
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