診断
抗生物質起因性大腸炎の診断は、
便のサンプルからクロストリジウム‐ディフィシルの産生する毒素が同定されると確定します。
この毒素は軽症の抗生物質起因性大腸炎の約20%にみられ、
重症では90%以上にみられます。
毒素の検出には、便サンプルを2?3回採取することが必要な場合もあります。
S状結腸鏡(硬い、あるいは柔軟な観察用のチューブ)で
大腸下部(S状結腸)の炎症を観察することでも、抗生物質による大腸炎は診断できます。
病変部がS状結腸鏡が届く範囲より上にある場合は、
大腸内視鏡(より長い柔軟な観察用チューブ)を使って大腸全体を検査します。
しかし、これらの検査法は普通は必要ありません。
治療
抗生物質による大腸炎で、服用中に下痢が起こる場合は、その抗生物質がどうしても必要でない限り、
ただちに服用を中止します。
ジフェノキシレートなど腸の運動を遅くさせる薬は、病気の原因である毒素を大腸内にとどめ、
大腸炎を長びかせることになるので服用を避けます。
合併症がない場合は、抗生物質の服用中止後10?12日で症状は自然に治ります。
この場合、特に治療の必要はありません。
しかし、軽度の症状が続く場合は、毒素と結合して吸着するコレスチラミンがおそらく有効です。
より重症の大腸炎には、抗生物質のメトロニダゾールがクロストリジウム‐ディフィシルに有効です。
バンコマイシンは最も重症なケースや薬に耐性がある場合のために取っておきます。
この病気の患者の20%は再発し、抗生物質による治療が繰り返されます。
下痢が繰り返し起こる場合は、抗生物質療法を延長する必要があります。
乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)の製剤を経口投与したり、バクテロイデスを直腸から投与して、
腸内細菌のバランスを戻そうとする治療もありますが、これは標準的な治療ではありません。
抗生物質に起因する大腸炎は、まれに重症化することがあり、この場合は入院して点滴で水分と、
ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどの電解質を補います。
ときに輸血を必要とすることがあります。
ときには、救命のために一時的な回腸造瘻術(小腸と腹壁の開口部を手術でつなぎ、
大腸と直腸から便を迂回させる)や、大腸の切除が必要になることもあります。
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2011年5月4日水曜日
消化器の病気 『抗生物質・・大腸炎』
抗生物質に起因する大腸炎は、抗生物質の服用によって常在菌以外の細菌が増殖したために起こる大腸の炎症です。
多くの抗生物質が、腸内細菌の量と種類のバランスを崩してしまうため、病原性の細菌の増殖を許してしまい、それが他の種類に置き換わってしまいます。
過剰繁殖し感染の原因となる最も一般的な細菌は、クロストリジウム‐ディフィシルです。
クロストリジウム‐ディフィシル感染症では、大腸の保護粘膜を損傷する2種類の毒素を産生します。
ほとんどの抗生物質がこの病気を起こすことがありますが、クリンダマイシン、アンピシリンなどのペニシリン、セファレキシンなどのセファロスポリン系が最も多くかかわっています。
ほかによく関係する抗生物質には、エリスロマイシン、スルファメトキサゾールなどのスルフォンアミド系、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ノルフロキサシンなどのキノロン系があります。
クロストリジウム‐ディフィシル感染症は抗生物質が経口投与された場合に最もよく起こります。
しかし、注射や静脈投与でも起こることがあります。抗生物質に起因する大腸炎を起こすリスクは、年齢とともに上昇します。
症状
症状は普通は抗生物質の服用中に現れます。
しかしこの大腸炎を起こす人の3分の1は、治療が終了してから1~10日たつまで症状が現れず、中には6週間後に症状が現れる場合もあります。
症状は細菌が起こす炎症の程度によって異なり、便が少し軟らかくなる程度から、血性の下痢や腹痛、発熱まであります。
最も重症な例では、脱水、血圧低下、中毒性巨大結腸、大腸穿孔などの生命にかかわる症状が起こります。
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過剰繁殖し感染の原因となる最も一般的な細菌は、クロストリジウム‐ディフィシルです。
クロストリジウム‐ディフィシル感染症では、大腸の保護粘膜を損傷する2種類の毒素を産生します。
ほとんどの抗生物質がこの病気を起こすことがありますが、クリンダマイシン、アンピシリンなどのペニシリン、セファレキシンなどのセファロスポリン系が最も多くかかわっています。
ほかによく関係する抗生物質には、エリスロマイシン、スルファメトキサゾールなどのスルフォンアミド系、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ノルフロキサシンなどのキノロン系があります。
クロストリジウム‐ディフィシル感染症は抗生物質が経口投与された場合に最もよく起こります。
しかし、注射や静脈投与でも起こることがあります。抗生物質に起因する大腸炎を起こすリスクは、年齢とともに上昇します。
症状
症状は普通は抗生物質の服用中に現れます。
しかしこの大腸炎を起こす人の3分の1は、治療が終了してから1~10日たつまで症状が現れず、中には6週間後に症状が現れる場合もあります。
症状は細菌が起こす炎症の程度によって異なり、便が少し軟らかくなる程度から、血性の下痢や腹痛、発熱まであります。
最も重症な例では、脱水、血圧低下、中毒性巨大結腸、大腸穿孔などの生命にかかわる症状が起こります。
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消化器の病気 『経路変更後の大腸炎』
経路変更後の大腸炎は、大腸下部に起こる炎症で、
手術でつなぎ直した腸管の上の部分を便が通過した後に起こります。
回腸造瘻術(小腸最後部と腹壁の開口部との間を連結する手術)
や結腸造瘻術(大腸と腹壁の間に開口部をつくる手術)という手術を受ける場合があります。
これは、癌、潰瘍性大腸炎、憩室炎などを治療する場合や、
外傷による小腸の損傷を治療する場合に行う手術です。
多くの患者では、大腸のバイパス形成が一時的に必要な場合は特に、
大腸全体または便の流れが迂回するポイントより後方の大腸をそのまま残しておきます。
経路変更後の大腸炎は、回腸造瘻術や結腸造瘻術の後で、
大腸全体または一部を残した人の約3分の1に起こる疾患で、
直腸から粘液が流れ出たり、直腸の出血、疼痛などの症状が術後1年以内に起こります。
症状が軽いので、患者の多くは治療する必要がありません。
切断された腸を再接合する手術で正常な便の流れを回復すると、炎症や症状は治まります。
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回腸造瘻術(小腸最後部と腹壁の開口部との間を連結する手術)
や結腸造瘻術(大腸と腹壁の間に開口部をつくる手術)という手術を受ける場合があります。
これは、癌、潰瘍性大腸炎、憩室炎などを治療する場合や、
外傷による小腸の損傷を治療する場合に行う手術です。
多くの患者では、大腸のバイパス形成が一時的に必要な場合は特に、
大腸全体または便の流れが迂回するポイントより後方の大腸をそのまま残しておきます。
経路変更後の大腸炎は、回腸造瘻術や結腸造瘻術の後で、
大腸全体または一部を残した人の約3分の1に起こる疾患で、
直腸から粘液が流れ出たり、直腸の出血、疼痛などの症状が術後1年以内に起こります。
症状が軽いので、患者の多くは治療する必要がありません。
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