2012年7月25日水曜日

健忘関連障害!『解離性健忘』 Ⅲ

解離性健忘 治療と経過の見通し


治療はまず、患者に安心感と信頼感をもたせることから始まります。


欠落した記憶が自然には回復しない場合や、


緊急に記憶を取り戻す必要がある場合は、


記憶想起法がしばしば効果を発揮します。


催眠または薬物を利用した面接


(アモバルビタールやミダゾラムを静脈内に注射して気持ちを落ち着かせ、


鎮静状態にした上で行う面接)により、


医師が過去のことについて質問します。


催眠や薬物を利用した面接は、


記憶の欠落に伴う不安を軽減するとともに、


苦痛に満ちた経験や葛藤を思い出さないようにするために本人が心の中に築いた防御を突破し、


あるいはう回するのに役立ちます。


医師は、どのようなことを思い出すべきか示唆したり、


極度の不安を引き起こしたりしないように注意しなければなりません。


この方法で再生された記憶は正確でないこともあるため、


別の人による裏づけも必要となります。


そのため、この方法で再生された記憶が正確でない場合もあることをあらかじめ本人に告げ、


本人の同意を得てから、


催眠または薬物を利用した面接を行います。


記憶の空白期間をできるだけ埋めることにより、


その人のアイデンティティ(自己同一性)や自己認識に連続性を取り戻すことができます。


健忘がなくなった後も心理療法を継続することは、


原因となったトラウマや葛藤を本人が理解し、


解決方法を見いだしていく上で役立ちます。


大半の人は、欠落した記憶と思われるものを取り戻し、


健忘の原因となった心の葛藤の解決に至ります。


中には心のバリアを突き破ることができず、


失った過去を再構築できない人もいます。

























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