2015年6月9日火曜日
消化器≫≫食道の病気≫≫食べものの送りこみの異常 ①-3
アカラシア 治 療
治療では、
下部食道括約筋が容易に弛緩できるようにして症状を緩和することが目標になります。
亜硝酸塩(食事前に舌下に入れるニトログリセリン錠など)
やカルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)を使用して、
括約筋の弛緩を助け、
食道の拡張を防ぎます。
括約筋を機械的に拡張させる方法もあります。たとえば、
大きなバルーンを食道内でふくらませるなどです。
この方法はおよそ70%の確率で症状を和らげることができますが、
再度拡張が必要になる人もいます。
アカラシアがある人の5%未満では、
拡張治療中に食道の破裂が起こります。
食道が破裂するとその周囲の組織に炎症が起こります(縦隔炎)。
これは適切に治療しなければ命にかかわることもあります。
緊急手術で食道壁の破裂を閉鎖する必要があります。
機械的に拡張させる方法の代わりに、
ボツリヌス菌の毒素を下部食道括約筋に注射する治療法もあります。
この新しい治療法は、
バルーンで拡張する治療法と同等の効果があり、
若年者よりも高齢者で長期的な症状の緩和が得られる傾向にあります。
ただし、この治療による長期的な影響は明らかになっていません。
機械的拡張やボツリヌス毒素で効果がないときは、
下部食道括約筋の筋線維を切開する手術(筋切開術)が行われます。
この手術は腹腔鏡を使って行われることもあります。
手術直後の成功率はおよそ85%です。
胃酸の逆流(胃食道逆流症)に対する処置も同時に行われますが、
患者の約15%では、
手術後もときどき胃酸の逆流が起こります。
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