痴 呆 診断
もの忘れは、家族や医師が気づく痴呆の最初の徴候です。
診断は、本人や家族に一連の質問をして行います。
精神状態を調べるためにものの名前を言う、短いリストに並べられた項目を暗記して思い出す、文を書く、同じ形を描くなどの簡単な問題と作業からなるテストも行われます。
神経心理学的検査と呼ばれる精密検査が必要になるのは、障害の程度や精神機能低下の有無を判定するときで、気分を含むあらゆる重要な精神機能をカバーするため、通常は検査に1?3時間程度かかります。
診断は年齢、家族歴、症状の発症や進行状況、神経学的検査、脳卒中による脳損傷、アルコール依存、栄養不足など別の疾患の有無に基づいて行われます。
医師は、痴呆を起こしたり助長する治療可能な病気がないかを探します。
たとえば甲状腺の病気、血液中の電解質濃度の異常、感染症、ビタミン欠乏(特にビタミンB12)、薬物中毒、うつ病などです。
血液検査も行い、処方されているすべての薬の中に、痴呆の原因になる薬が含まれていないかもチェックします。
痴呆としてのうつ病の手がかりを得るために、特に高齢者には、情動面の健康状態に関する質問がされます。
また脳腫瘍、正常圧水頭症、脳卒中を除外するため、CTやMRIによる検査を実施します。
さらに統合失調症などの、痴呆とは無関係な身体的、精神的な病気についても検査が行われます。
これらの病気を治療すると、痴呆患者の全身状態も改善するからです。
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2011年10月1日土曜日
痴 呆! ③
痴 呆 症状
痴呆の人の精神機能は、普通2?10年かけて徐々に悪化するのが典型的です。
しかし痴呆が進む速さは原因によって異なります。
脳血管性痴呆の場合は段階的に症状が悪化していく傾向があります。
つまり新たな梗塞が起こるたびに急に悪くなって、その間にはいくらか改善する期間があります。
アルツハイマー病やレビィ小体痴呆の場合には、より着実に悪化する傾向があります。
進行の速さには個人差もあります。
前年の悪化の速さから翌年の悪化傾向を予測できることも少なくありません。
また痴呆の人が介護型老人ホームなどの施設に移ると症状が悪化することがあります。
これは施設の規則や毎日の生活リズムを覚えなければならないことが、痴呆の人に大変困難だからです。
また痛み、息切れ、尿閉、便秘などがあるとせん妄を引き起こして、急激に錯乱状態がひどくなります。
ただし、これらが治れば、それが起こる以前の機能レベルにまで戻ります。
痴呆はいつの間にか始まって時間をかけて悪化していくため、発症した日を特定することはできません。
特に最近の出来事に関する記憶は、最初に衰えに気づく精神機能の1つです。
痴呆が悪化すると時間の経過を追う能力と、人や場所やものを見分ける能力が低下します。
呆がある人は、適切な言葉を見つけて使うことができず、計算などのための抽象的な思考力も衰えます。
感情の変化は予想がつかず、喜びから悲しみへ切り替わったりします。
人格の変化も、よくみられる現象です。しばしば、特定の性格傾向がより極端になっていきます。
たとえば、お金の心配ばかりしていた人はますます金銭に執着するようになり、心配性の人は常に不安を抱えているようになります。
さらに睡眠のパターンも異常になってきます。
痴呆患者の中には、異常を隠すのが上手な人もいて、彼らは小切手の清算、読書、仕事などの複雑な作業は避けようとします。
生活を変えようとしない人は、日常的な行動が以前通りにできないことにイライラします。
重要な用事を忘れたり、やり方を間違えたりします。
たとえば、請求書の支払いを忘れたり、照明や暖房器具のスイッチを消し忘れたりします。
痴呆がある人は引きこもりがちになり、行動をうまく抑制できないために、わめく、ものを投げる、たたく、徘徊するなどで、周りの人を戸惑わせることがあります。
これらの行動には、痴呆のさまざまな影響が関係しています。
痴呆になると、見たものや聞いたものを理解することが困難になり、手伝いの申し出を脅迫のように感じ、殴りかかったりします。
短期記憶能力が失われるために、相手から話されたことや自分が取った行動を思い出すことができません。
同じ質問や会話を何度も繰り返したり、相手の注意を常に自分の方に向かせようとしたり、食事などをすでに済ませたのに何度も欲しがったりします。
要求をはっきりと、あるいはまったく相手に伝えられないために、痛みがあればわめいたり、寂しい思いや怖い思いをすると、うろうろと徘徊したりします。
痴呆患者の約10%は、幻覚、妄想、パラノイアを伴う精神病を合併します。
最終的には会話を続けられなくなり、話ができなくなります。
最も進んだ痴呆では、脳の機能がほぼ完全に破壊されます。
他人に全面的に頼る生活となり、多くの人が寝たきりになります。
最後は、食べものをのどに詰まらせずに飲みこめなくなるため、しばしば肺炎などの感染症で亡くなります。
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しかし痴呆が進む速さは原因によって異なります。
脳血管性痴呆の場合は段階的に症状が悪化していく傾向があります。
つまり新たな梗塞が起こるたびに急に悪くなって、その間にはいくらか改善する期間があります。
アルツハイマー病やレビィ小体痴呆の場合には、より着実に悪化する傾向があります。
進行の速さには個人差もあります。
前年の悪化の速さから翌年の悪化傾向を予測できることも少なくありません。
また痴呆の人が介護型老人ホームなどの施設に移ると症状が悪化することがあります。
これは施設の規則や毎日の生活リズムを覚えなければならないことが、痴呆の人に大変困難だからです。
また痛み、息切れ、尿閉、便秘などがあるとせん妄を引き起こして、急激に錯乱状態がひどくなります。
ただし、これらが治れば、それが起こる以前の機能レベルにまで戻ります。
痴呆はいつの間にか始まって時間をかけて悪化していくため、発症した日を特定することはできません。
特に最近の出来事に関する記憶は、最初に衰えに気づく精神機能の1つです。
痴呆が悪化すると時間の経過を追う能力と、人や場所やものを見分ける能力が低下します。
呆がある人は、適切な言葉を見つけて使うことができず、計算などのための抽象的な思考力も衰えます。
感情の変化は予想がつかず、喜びから悲しみへ切り替わったりします。
人格の変化も、よくみられる現象です。しばしば、特定の性格傾向がより極端になっていきます。
たとえば、お金の心配ばかりしていた人はますます金銭に執着するようになり、心配性の人は常に不安を抱えているようになります。
さらに睡眠のパターンも異常になってきます。
痴呆患者の中には、異常を隠すのが上手な人もいて、彼らは小切手の清算、読書、仕事などの複雑な作業は避けようとします。
生活を変えようとしない人は、日常的な行動が以前通りにできないことにイライラします。
重要な用事を忘れたり、やり方を間違えたりします。
たとえば、請求書の支払いを忘れたり、照明や暖房器具のスイッチを消し忘れたりします。
痴呆がある人は引きこもりがちになり、行動をうまく抑制できないために、わめく、ものを投げる、たたく、徘徊するなどで、周りの人を戸惑わせることがあります。
これらの行動には、痴呆のさまざまな影響が関係しています。
痴呆になると、見たものや聞いたものを理解することが困難になり、手伝いの申し出を脅迫のように感じ、殴りかかったりします。
短期記憶能力が失われるために、相手から話されたことや自分が取った行動を思い出すことができません。
同じ質問や会話を何度も繰り返したり、相手の注意を常に自分の方に向かせようとしたり、食事などをすでに済ませたのに何度も欲しがったりします。
要求をはっきりと、あるいはまったく相手に伝えられないために、痛みがあればわめいたり、寂しい思いや怖い思いをすると、うろうろと徘徊したりします。
痴呆患者の約10%は、幻覚、妄想、パラノイアを伴う精神病を合併します。
最終的には会話を続けられなくなり、話ができなくなります。
最も進んだ痴呆では、脳の機能がほぼ完全に破壊されます。
他人に全面的に頼る生活となり、多くの人が寝たきりになります。
最後は、食べものをのどに詰まらせずに飲みこめなくなるため、しばしば肺炎などの感染症で亡くなります。
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痴 呆! ②
痴 呆 原因
痴呆の原因として最も多いのが、アルツハイマー病です。
このほかにレビィ小体痴呆や、脳卒中によって脳組織が壊されたために起こる脳血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆)が多くみられます。
これらの痴呆を同時に複数もっている、混合型痴呆と呼ばれる状態も少なくありません。
より少ない原因としてはパーキンソン病、エイズなどの感染症、正常圧水頭症、薬やアルコールの乱用があります。
痴呆のまれな原因にはピック病、クロイツフェルト‐ヤコブ病、汚染された肉を食べたことによって起こるBSE(異型クロイツフェルト‐ヤコブ病、いわゆる狂牛病)があります。
痴呆はまた、頭部外傷による脳の損傷や、心停止によっても起こります。
ときには、小児の白血病や成人の脳腫瘍で頭部に放射線療法を受けた後、数カ月から数年もたってから痴呆が起こることがあります。
これは晩発性放射線障害と呼ばれる状態の一部です。
痴呆を修飾して悪化させる病気があります。
たとえば糖尿病、肺気腫、心不全などで、適切な治療を受けないと痴呆を悪化させます。
ほとんどの患者で、これらの病気の治療が実質的に役立ちます。
痴呆の症状が完全に回復する患者も約10%います。
多くの薬が、痴呆の症状を一時的に悪化させます。
それらの薬の中には処方せんがなくても購入できる市販の睡眠補助薬(鎮静薬)、かぜ薬、抗不安薬、一部の抗うつ薬も含まれます。
飲酒は、たとえ適量であっても痴呆を悪化させるおそれがあるため、専門家のほとんどが痴呆の人には禁酒することを勧めています。
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このほかにレビィ小体痴呆や、脳卒中によって脳組織が壊されたために起こる脳血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆)が多くみられます。
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より少ない原因としてはパーキンソン病、エイズなどの感染症、正常圧水頭症、薬やアルコールの乱用があります。
痴呆のまれな原因にはピック病、クロイツフェルト‐ヤコブ病、汚染された肉を食べたことによって起こるBSE(異型クロイツフェルト‐ヤコブ病、いわゆる狂牛病)があります。
痴呆はまた、頭部外傷による脳の損傷や、心停止によっても起こります。
ときには、小児の白血病や成人の脳腫瘍で頭部に放射線療法を受けた後、数カ月から数年もたってから痴呆が起こることがあります。
これは晩発性放射線障害と呼ばれる状態の一部です。
痴呆を修飾して悪化させる病気があります。
たとえば糖尿病、肺気腫、心不全などで、適切な治療を受けないと痴呆を悪化させます。
ほとんどの患者で、これらの病気の治療が実質的に役立ちます。
痴呆の症状が完全に回復する患者も約10%います。
多くの薬が、痴呆の症状を一時的に悪化させます。
それらの薬の中には処方せんがなくても購入できる市販の睡眠補助薬(鎮静薬)、かぜ薬、抗不安薬、一部の抗うつ薬も含まれます。
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