2011年8月25日木曜日

筋ジストロフィ,関連疾患! ④

筋ジストロフィ,関連疾患 治療


デュシェンヌ型でもベッカー型でも、


筋ジストロフィを治癒する方法はありません。


理学療法と運動療法は、


関節周囲の筋肉が永久的に収縮するのを遅らせるために役立ちます。


ときに硬く縮んだ筋肉を改善するために手術が必要になります。


コルチコステロイドのプレドニゾロンの経口投与は、


筋力維持に役立ちますが、


長期間使用すると多くの副作用が現れるので、


小児の筋ジストロフィには使用しません。


プレドニゾロンの使用は、一般に重度の筋力低下を示し、


日常生活に大きな支障を来す場合に限られます。


クレアチンのサプリメントを摂取すると、


筋力低下が改善されることが最近報告されています。


筋肉がジストロフィンをつくれるようにして、


筋力低下を改善する遺伝子治療は、まだ実験段階で、


その効果は実証されてはいません。













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筋ジストロフィ,関連疾患!③

筋ジストロフィ,関連疾患 診断

男児の筋力低下が進行しているようなら、医師は筋ジストロフィを疑います。


筋細胞からクレアチンキナーゼという酵素が血液中に漏れ出るので、


血液中のクレアチンキナーゼ濃度が著しい高値を示します。


ただし、血液中クレアチンキナーゼ値は、


ほかの筋肉の病気でも高値を示すことがあるため、


この酵素濃度が高いからといって筋ジストロフィであるとは限りません。


デュシェンヌ型筋ジストロフィでは、


血液検査でタンパク質のジストロフィンを


つくる遺伝子の欠損または異常が見つかったり、


筋生検で筋肉中のジストロフィンが極端に少ないことから診断がつきます。


顕微鏡検査では、筋肉の壊死組織や異常に大きな筋線維が認められます。


筋ジストロフィの最終段階では、脂肪やその他の組織が、


死んだ筋肉組織に置き換わっています。


同様にベッカー型筋ジストロフィでは、


血液検査でタンパク質のジストロフィンをつくる遺伝子の異常が検出され、


筋生検では筋肉のジストロフィンが少なくなっていますが、


デュシェンヌ型ほどではありません。


診断を支持するための検査には、


筋電図(筋肉の機能を電気的に測定するもの)と神経伝導試験があります。


家族にデュシェンヌ型筋ジストロフィまたはベッカー型筋ジストロフィ


のいずれかを発症した人がいれば、


自分たちの子供に筋ジストロフィを発症するリスクについて


遺伝カウンセラーに相談するとよいでしょう。


この病気の家族歴がある家系では、


胎児に出生前検査をしてその子が病気に侵されているかどうか調べることが可能です。


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筋ジストロフィ,関連疾患!②

筋ジストロフィ,関連疾患 症状

デュシェンヌ型筋ジストロフィの男児の最初の症状は、


発育遅延(特に歩きはじめが遅れる)、


歩行困難や階段が上れない、転倒しやすいなどです。


3~7歳で発症し、足取りがおぼつかなくなったり、


いすに座った状態から立ち上がれなくなったりします。


それに続いて肩の筋力低下が起こり、確実に進行します。


筋肉は弱くなるとともに肥大しますが、


異常な筋組織なので強くありません。


デュシェンヌ型筋ジストロフィの男児の80%以上が、


心筋が肥大して筋力も低下するため、


心拍に問題が起こり心電図に異常がみられます。


デュシェンヌ型筋ジストロフィの男児は、


腕や脚の関節の周囲の筋肉が収縮するため、ひじや膝(ひざ)を完全に伸ばせなくなります。


最終的には脊椎が異常に曲がります(脊椎側弯症)。


10~12歳までに、ほとんどの患児が車いす生活となります。


筋力低下が進行すると、肺炎などの病気にかかりやすくなり、


多くの患者が20歳までに死亡します。


ベッカー型筋ジストロフィでは、


筋力低下はデュシェンヌ型ほどではなく、


発症も12歳ぐらいと遅くなります。


筋力が低下していくパターンは、デュシェンヌ型と似ています。


思春期のうちに車いす生活となるのはごくまれです。


この病気の人の平均死亡年齢は42歳です。


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