骨盤は、背側にある左右が対になった大きな骨(腸骨)
と腹側にある2つの小さな骨(恥骨、座骨)が結合した構造になっています。
若年成人の骨盤全体に及ぶ大骨折は、
高速度での自動車事故や高所からの落下が原因で発生します。
この場合、生命を脅かす大量出血や内臓の損傷が生じることがあります。
骨粗しょう症の高齢者では平地で転倒しただけで、
恥骨骨折や座骨骨折を起こすことがあります。
症状 診断
高齢者の恥骨骨折や座骨骨折では横になっても、座っても、
股間に相当な痛みを感じ、歩こうとすると痛みがさらにひどくなります。
入院するか、あるいはリハビリテーションセンターに通院して治療します。
症状により骨盤骨折を疑い、X線検査で診断を決定します。
CT検査やMRI検査が必要な場合もあります。
経過 見通 治療
高齢者の恥骨骨折や座骨骨折は普通、永久的な障害を残さずに治癒し、
手術を必要とすることはまれです。
痛みと炎症を抑えるには、鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が効果的です。
ベッドでの安静による筋力低下、硬直やその他の合併症を防ぐために、
できるだけ早く歩いたり患部に体重がかかる動作を開始します。
歩行の際は、恥骨や座骨よりも腸骨が骨格を支えるため、
恥骨や座骨をそれ以上損傷することなく歩行練習が行えます。
ほとんどの人は1週間もすれば歩行器を使って短い距離を歩くことができるようになり、
1~2カ月後には症状もある程度軽快します。
若年成人の外傷による骨盤骨折では、しばしば緊急手術が必要となります。
股関節の受け皿部分が損傷すると、たいてい後遺症が残ります。
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2011年7月5日火曜日
骨折!『 股関節の骨折 』 続き
治療
ほとんどの股関節骨折には手術を行います。
手術の方法は骨折の種類により異なります。
重い大腿骨頸部骨折では大腿骨頭への血流が妨げられるため、手術して骨片を除去します。
大腿骨頸部が不完全骨折である場合(途中までひびが入った状態)、
手術で金属製のボルトを挿入し、大腿骨頭を固定します(内固定手術)。
これは比較的軽い手術で、本人の股関節を温存することができます。
転子部骨折は、スライド型圧縮スクリューやサイドプレートなどの
インプラントを使用して治療します。
インプラントによって治癒するまでの間骨片を正しい位置に保つことができます。
骨片はしっかりと固定されるため、患者は荷重に耐えられます。
骨折は普通2~3カ月で治癒しますが、
以後も少なくとも6カ月間は痛みの軽快や、
筋力、歩行能力の回復が続きます。
股関節部分置換術を行う場合、
特殊な金属製インプラントの磨かれた球面を関節窩
(かんせつか:関節の受け皿側)に埋めこみ、
頑丈なステムを大腿骨の髄腔にはめこみます。
人工関節用のインプラントには短時間で固まる合成樹脂のセメント
を使って骨に固定するものがあります。
その他のインプラントは特殊な多孔質またはセラミックの表面加工により、
周囲の生きた骨が成長してその中に食いこみ、
直接結合できるようになっています
人工関節置換術を受けた患者は、
術後すぐに松葉づえか歩行器を使って歩行を開始し、
6週間以内に歩行器からつえに切り替えます。
ただし、人工関節は永久に使えるものではありません。
特に活動的な人や体重の重い人は10~20年後に再手術が必要になることがあります。
人工関節置換術は高齢者に向いた治療法です。
これは高齢者は再手術を受ける可能性が非常に低く、
術後に寝こむことなくすぐに歩行できるのが大きな利点となるためです。
関節全体を置換する場合もあります。
この方法(人工関節全置換術)は、通常の骨折に対して行うことはまれで、
変形性関節症に最も多く行われます。
股関節骨折のため寝たきりになると、褥瘡、血液凝固による肺塞栓症、精神錯乱、
肺炎などの重大な合併症のリスクが増大します。
手術の大きな利点は、患者がベッドから起き上がり、
術後すぐに歩行を始められることです。
術後1~2日すれば歩行器を使って数歩歩くことができます。
できるだけ早くリハビリテーションが開始されます。
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大腿骨頸部が不完全骨折である場合(途中までひびが入った状態)、
手術で金属製のボルトを挿入し、大腿骨頭を固定します(内固定手術)。
これは比較的軽い手術で、本人の股関節を温存することができます。
転子部骨折は、スライド型圧縮スクリューやサイドプレートなどの
インプラントを使用して治療します。
インプラントによって治癒するまでの間骨片を正しい位置に保つことができます。
骨片はしっかりと固定されるため、患者は荷重に耐えられます。
骨折は普通2~3カ月で治癒しますが、
以後も少なくとも6カ月間は痛みの軽快や、
筋力、歩行能力の回復が続きます。
股関節部分置換術を行う場合、
特殊な金属製インプラントの磨かれた球面を関節窩
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頑丈なステムを大腿骨の髄腔にはめこみます。
人工関節用のインプラントには短時間で固まる合成樹脂のセメント
を使って骨に固定するものがあります。
その他のインプラントは特殊な多孔質またはセラミックの表面加工により、
周囲の生きた骨が成長してその中に食いこみ、
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人工関節置換術を受けた患者は、
術後すぐに松葉づえか歩行器を使って歩行を開始し、
6週間以内に歩行器からつえに切り替えます。
ただし、人工関節は永久に使えるものではありません。
特に活動的な人や体重の重い人は10~20年後に再手術が必要になることがあります。
人工関節置換術は高齢者に向いた治療法です。
これは高齢者は再手術を受ける可能性が非常に低く、
術後に寝こむことなくすぐに歩行できるのが大きな利点となるためです。
関節全体を置換する場合もあります。
この方法(人工関節全置換術)は、通常の骨折に対して行うことはまれで、
変形性関節症に最も多く行われます。
股関節骨折のため寝たきりになると、褥瘡、血液凝固による肺塞栓症、精神錯乱、
肺炎などの重大な合併症のリスクが増大します。
手術の大きな利点は、患者がベッドから起き上がり、
術後すぐに歩行を始められることです。
術後1~2日すれば歩行器を使って数歩歩くことができます。
できるだけ早くリハビリテーションが開始されます。
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骨折!『 股関節の骨折 』
股関節(こかんせつ)の骨折を起こす人の約90%が60歳以上の高齢者です。
股関節の骨折が高齢者に多い原因には、骨粗しょう症と、
高齢者に転倒が多いことが挙げられます。
薬の中には、高齢者の股関節骨折のリスクを増大させるものもあります。
90歳に達する人のうち、女性の3分の1、
男性の6分の1が股関節骨折を経験します。
大腿骨の上端には大きな球状の骨(転子)があり、
ここに殿部や太ももの強い筋肉が付着しています。
その上に大腿骨頸部と、最後に球状の大腿骨頭があり、
この大腿骨頭が股関節の外側半分を形成しています。
ほとんどの股関節骨折は、大腿骨頭のすぐ下(大腿骨頸部骨折または大腿骨頭下骨折)
または大腿骨転子部(転子部骨折)で発生します。
特に、大腿骨頸部骨折は股関節を形成している大腿骨頭への血流を妨げるため、厄介です。
血流が滞ると骨が治癒せず、徐々に壊死していきます。
転子部骨折は、骨折面が大きくずれて内出血を起こしやすい骨折です。
症状 診断
高齢者の股関節骨折のほとんどが平地歩行中の転倒で発生します(屋内の場合が多い)。
骨折後は普通は脚を動かせなくなり、立つことも歩くこともできなくなります。
診察すると、筋肉や重力によって不均等に引っぱられることで脚の長さが短くなり、
脚が外向きになっていることがわかります。
骨折による内出血が原因で腫れや紫色のあざが生じます。
X線検査は、明らかな骨折の発見や診断の確定には役立ちますが、
骨折線が細い場合は最初に撮影したX線画像では確認できないことがあります。
転倒後に痛みが続き、1日以上立つことができない場合は、
再度X線検査を行うか、MRI検査や骨スキャン検査を行います。
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男性の6分の1が股関節骨折を経験します。
大腿骨の上端には大きな球状の骨(転子)があり、
ここに殿部や太ももの強い筋肉が付着しています。
その上に大腿骨頸部と、最後に球状の大腿骨頭があり、
この大腿骨頭が股関節の外側半分を形成しています。
ほとんどの股関節骨折は、大腿骨頭のすぐ下(大腿骨頸部骨折または大腿骨頭下骨折)
または大腿骨転子部(転子部骨折)で発生します。
特に、大腿骨頸部骨折は股関節を形成している大腿骨頭への血流を妨げるため、厄介です。
血流が滞ると骨が治癒せず、徐々に壊死していきます。
転子部骨折は、骨折面が大きくずれて内出血を起こしやすい骨折です。
症状 診断
高齢者の股関節骨折のほとんどが平地歩行中の転倒で発生します(屋内の場合が多い)。
骨折後は普通は脚を動かせなくなり、立つことも歩くこともできなくなります。
診察すると、筋肉や重力によって不均等に引っぱられることで脚の長さが短くなり、
脚が外向きになっていることがわかります。
骨折による内出血が原因で腫れや紫色のあざが生じます。
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