2009年8月4日火曜日

腎臓病とは  Ⅲ

※腎臓病の検査は?

○尿検査
 正常なときに出ないはずのタンパク質や赤血球が、病気になると尿の中に出てきます。したがって、尿中のタンパク質の量や、 尿沈査(尿を遠心分離器にかけて沈殿した赤血球、白血球などの固形物を顕微鏡で調べる検査)で、腎臓の状態がわかるのです。

○腎臓がうまく働かなくなると、老廃物が尿中に排泄されずに血液中に溜まり、クレアチニンや尿素窒素(VUN)の数値が高くなります。

※腎不全の進行を遅らせるためには?

腎臓病の治療には、「食事療法」「薬物療法」「日常生活」などがありますが病状によって各個人で違うので、必ず担当医や看護師、栄養士 などに相談する必要があります。

○食事療法
  腎不全への進行を食い止めるうえで、食事療法はとても大切です。特にたんぱく質と塩分を控えめにして、エネルギーを確保する ためにバランスのよい食事を取ることが大切です。
 
○薬物療法
  腎臓病を完治させることはできませんが、進行を遅らせることは出来ます。 また、さまざまな合併症を伴うために、薬物療法を行う こともあります。

○日常生活
  腎臓病を引き起こす疾患でもっとも多いのが、糖尿病や高血圧です。
  日常生活をうまくコントロールしていくことは、とても重要です。

※腎不全の治療には、3つあります。

○血液透析 ○腹膜透析 ○腎移植


※透析とは、腎臓の代わりに血液中の老廃物や余分な水分をろ過して取り除き、血液をきれいにする治療法です。また、腎移植を受ければ、 健康時と同じ生活をおくることができるのです。

腎臓病とは  Ⅱ

※腎臓にはどんな働きがあるのか?

腎臓には私たちが生きていくために必要な、いくつかの大切な役割があるのです。 
○血液中の老廃物をろ過し、尿に排泄する働き。 
○血液中の水分や塩分のバランスを、一定に保つ働き。 
○ホルモンを分泌し、赤血球を増やす働き。 
○ビタミンDを活性化し、骨を丈夫にする働き。
○血圧を適切にコントロールする働き。

※腎臓の働きが悪くなるとどうなるのか?

腎臓の働きが悪くなると、老廃物や余分な水分を身体の外へ排出できなくなり、食欲不振や体調不良の原因になります。又、貧血を 起こしたり、骨がもろくなったりします。

※腎不全とは?

腎臓の働きが、正常の働きの30%以下の状態を「腎不全」といいます。腎不全の原因はさまざまですが、進行性で、不要な老廃物や水分、ナトリウムなどが体内に溜まっていきます。

○急性腎不全
さまざまな原因により腎機能が急激に低下した状態をいいます。原因は別の疾患、ケガなど、適切な治療を受ける事により、 ほとんどは病気前の状態に戻ります。

○慢性腎不全
病気によって、徐々に腎臓の機能が低下することでおきます。慢性腎不全になると、失われた機能を取り戻すことは出来ません。

最終的には、定期的に透析を行うことによって、血液中の老廃物や余分な水分を取り除くか、腎移植を受ける事になります。

○末期腎不全
腎臓の働きが、正常の働きの10%以下になると、「末期腎不全」という状態になり、毒素および食物や細胞からの老廃物、余分な 水分、血液中にどんどん溜まっていきます。

これらの物質を取り除くことが出来ないとむくみ、高血圧、吐き気や頭痛などが起き、 疲労感や食欲不振、無気力な影響が出てきます。したがって、透析や腎移植の治療を受けることが必要です

「腎臓病の治療」

※腎臓病を早く発見するには?

腎臓病自覚症状がほとんどないため、定期検診をうけることはとても大切です。たとえ腎臓病になっても、早期に発見されれば、適切な治療 で病気の進行を遅らせることができるのです。

腎臓ってどんな臓器?

 それぞれに血管がつながっていて、たえずたくさんの血液が心臓から休む事なく送り込まれています。 腎臓のフィルター、例えば、ろ過装置のような働きにより、その血液はきれいになり、再び送り出されて体内を巡っていくのです。

※腎臓にはどんな働きがあるのか?

腎臓には私たちが生きていくために必要な、いくつかの大切な役割があるのです。
●数 左右に一つずつあります。
●かたち そら豆のような形をしています。
●大きさ 大人の握り拳より、やや小さめです。
●重さ 120グラム~150グラムぐらいの重さです。
●場所 腰のやや上くらいにあり、背中よりです。
①血液中の老廃物の排泄
  血液を濾過して、血液の中の老廃物を除去し、尿をつくります。そして体内から除去します。
②水分の調節
  尿の濃さや量を調節し、体の中の水分を一定に保っています。
③電解質のバランスの調節
  血液の電解質濃度(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
  ウムなど)を調節します。
④ビタミンDの活性化
  ビタミンDを活性化して、カルシウムの吸収を促進します。
⑤血液を弱アルカリ性に保つ
  血液中のpHは7.4で、弱アルカリ性に保たれています。腎臓で、重炭酸を作り体に溜まった酸性物質を中和し、血液を弱アルカリ性の状態に保っています
⑥造血刺激ホルモンの分泌
  腎臓からは造血刺激ホルモン(エリスロポエチン)というホルモンが分泌されます。これが不足すると貧血になります。
⑦血圧の調整を行う
  血圧が下がり、腎血流量が減少すると、腎臓からレニンという ホルモンが分泌され、血圧を上げるように働きます。
⑧不要になったホルモンの分解・排泄を行う
  体にとって不要なホルモンを選択し、壊したり、捨てたりしています。