行動療法は認知療法に関連した治療法で、
両者を組み合わせた認知行動療法も用いられています。
行動療法は学習理論を基礎とし、
異常な行動は誤った学習から生じるものとみなします。
行動療法では、
適応的行動を学習させながらそれまでの不適応行動の習慣を忘れさせるために、
さまざまな介入を行います。
暴露療法は行動療法の1つです。
対人関係療法は、
当初はうつ病に対する短期心理療法として考案されたもので、
患者の対人関係の質を改善するための治療として行われます。
未解決の深い悲しみ、
自分の期待と異なる役割につくことで生じる葛藤
(たとえば、いつも家にいる母親になることを期待して結婚したのに、
一家の主要な稼ぎ手としての役割も果たさなければならないことがわかったとき)、
社会的役割の転換(第一線で働いていた人が定年退職するなど)、
他者とのコミュニケーションがうまく取れないといった問題を重点的に扱います。
心理療法士は患者に対し、社会的孤立を克服し、
他者に対する習慣的なふるまいを改めるなど、
対人関係の改善を図るように指導します。
催眠と催眠療法
催眠と催眠療法は、痛みをコントロールし、
心理的な要因が関連した体の異常を治療するのに用いられます。
催眠は単に患者をトランス状態にして意識の状態を変えるだけですが、
催眠療法では催眠状態の患者に対し、心理療法的介入を行います。
催眠により患者をリラックスさせ、不安や緊張を抑えることができます。
癌(がん)患者が痛みに加えて不安や抑うつを訴えたときには、
催眠や催眠療法が効果的です。
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2012年5月23日水曜日
心の医療!『精神疾患 治療』 Ⅴ
心の医療!『精神疾患 治療』 Ⅳ
精神分析は、心理療法の中で最も古い方法で、
20世紀初頭にジークムント・フロイトが創始したものです。
患者は週に4~5回、
心理療法士のオフィスに置かれた寝いすに横たわり、
心に浮かぶことを何でも口に出して語ります(自由連想法)。
人やものごとの関係にみられる過去のパターンが、
現在どのように繰り返されているかを理解することに主に焦点が絞られます。
ここでは患者と心理療法士の関係が重要な要素となります。
過去が現在にもたらしている影響を理解することが、
人間関係や職場環境でうまく適応していくための新たな方法を、
自ら見つけ出す助けとなります。
力動的心理療法は精神分析と同様に、
現在の思考、感情、行動における無意識のパターンを
認識することに重点をおいています。
ただし、患者は寝いすに横たわるのではなく、
通常はいすに座り、通院も週に1~3回です。
患者と心理療法士との関係にも精神分析ほどの重点はおかれていません。
認知療法は、患者が自分の思考のゆがみを認識し、
そのゆがみが自分の生活における問題にどのように
結びついているかを理解できるように導くものです。
人の感じ方やふるまいは、
経験をどう解釈するかによって決まるという考えが前提となっています。
自分の根本にある信念や思いこみを認識することで、
自分が経験したことについてそれまでと違ったとらえ方ができるようになり、
症状、行動、感情の改善がもたらされます。
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