2012年8月21日火曜日

『アルコール依存症』  Ⅷ

解毒とリハビリテーション:


緊急を要する容体が治まったら、


解毒治療とリハビリテーションを開始します。


治療の第1段階では、


アルコールの摂取を完全に断ちます。


次に、


アルコール依存症の人が自分自身の行動を改めることが必要です。


手助けがなければほとんどの人は、


数日から数週間のうちに再び飲酒を始めてしまいます。


治療内容は各人のケースに合わせて決めていきます。


家族が積極的にサポートすることも大切です。


アルコール依存症患者に飲酒をやめさせるには、


ときに処方薬のジスルフィラムが役立ちます。


この薬は3~7日間にわたってアルコールの代謝を阻害するため、


アルコールが分解されるときにできるアセトアルデヒドが血液中に蓄積されていきます。


アセトアルデヒドの作用により、


飲酒後5~15分以内に顔が赤くなり、激しい頭痛、


心拍数の増加、速い呼吸、発汗などの症状が現れます。


30分から1時間後には、吐き気や嘔吐の症状が出ることもあります。


このような不快で危険を伴う状態が1~3時間続きます。


ジスルフィラムを服用した後に飲酒することから生じる不快感は非常に強いので、


大半の人があえて飲もうとはしなくなり、市販のせき止め、かぜ薬、


食品などに含まれている少量のアルコールさえ口にしようとしなくなります。


ジスルフィラムは集中カウンセリング療法の一環としてのみ投与されます。


妊婦、重篤な疾患がある人、


高齢者はジスルフィラムを使用すべきではありません。


ナルトレキソンは、


カウンセリングを含む包括的な治療プログラムの一環として使用するのであれば、


アルコールへの依存を減らすのに役立ちます。


ナルトレキソンは、


アルコールへの渇望感と飲酒に関連しているとされる脳内化学物質


(エンドルフィン)に対するアルコールの効果を変化させます。


ジスルフィラムと比べて大きな利点は、


ナルトレキソンなら体の具合が悪くなることはないという点です。


しかし、ナルトレキソンだと飲酒を続けることができるという欠点があります。


肝炎などの肝臓疾患がある人は、


ナルトレキソンを服用すべきではありません。

























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