2013年10月23日水曜日
消化器≫炎症性腸疾患≫潰瘍性大腸炎 ⑤-4
消化器≫炎症性腸疾患≫潰瘍性大腸炎 治療 ⅳ
手術:
他の治療では寛解が得られない慢性の炎症で患者が衰弱している場合や、
高用量のステロイド療法に慢性的に依存している場合、
手術が必要になります。
まれですが、
壊疽性膿皮症や腕・脚の深部静脈血栓症が重症の場合など、
大腸炎に関連する腸以外の異常が起きた場合にも手術が必要となります。
大腸において癌の診断がついたり、
癌性の変化である形成異常が確認された場合は、
緊急ではなく待機手術を行います。
大腸が狭窄した場合や小児に成長の遅れがみられるときにも手術を行います。
大腸全体と直腸の切除により、
潰瘍性大腸炎は完全に治癒します。
この治療法には、
小腸の最後部と腹壁の開口部との間を手術でつなぐ回腸造瘻術を行い、
腸瘻バッグを生涯にわたって使用するという代償が伴いました。
しかし、
他にもさまざまな方法が開発されており、
その最も一般的な例が回腸‐肛門吻合術です。
この治療法は、
大腸と直腸の大部分を切除し、
小腸に小さな貯蔵部を形成して、
それを肛門のすぐ上の直腸残存部につなぐ手術法です。
この治療法では、
便を排泄するまで体内にとどめておくことができますが、
貯蔵部の炎症などの合併症が起こるおそれがあります。
潰瘍性直腸炎では、
手術が必要になるのはまれで、
余命にも影響はありません。
しかし、
一部には、
どの治療法によっても症状が改善されない例もあります。
中毒性大腸炎は手術を必要とする緊急事態です。
中毒性大腸炎が見つかったり中毒性巨大結腸の疑いがあれば、
即座に下痢止め薬は中止して絶食し、
胃か小腸に経鼻チューブを挿入して定期的に吸引します。
水分と栄養、
薬剤は点滴で投与します。
患者に腹膜炎や穿孔の徴候がないかどうか、
注意深く観察します。
これらの処置で24~48時間以内に症状の改善がみられない場合は、
緊急手術が必要となります。
その場合大腸全体か大腸の大部分を切除します。
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