2009年12月31日木曜日

肝臓の病気  『門脈圧亢進症』

門脈圧亢進症は、


腸から肝臓につながる大静脈である門脈から枝分かれした血管内で、


血圧が異常に高くなることです。


門脈には腸全体、脾臓、膵臓、胆嚢



から流れ出る血液が集まります。肝臓に入ると、



静脈は左右に分かれ、


さらに細かく枝分かれして肝臓全体に広がります。


肝臓から流れ出す血液は、

肝静脈を通って体循環に戻ります。

門脈の血圧を上昇させる要因には2つあります。


門脈を通る血流量の増加と、


肝臓を通る血流に対する抵抗の増大です。


欧米諸国では、


門脈圧が亢進する最も一般的な原因は


肝硬変による血流抵抗の増大で、


アルコールの過剰摂取がその一番の原因となっています。


門脈圧の亢進によって、


門脈から体循環に直接つながる静脈の発達が促され、


肝臓を迂回するルートが形成されます。


側副血行路と呼ばれるこのバイパスによって、



正常な体では肝臓で血液から取り除かれるはずの物質が、


体循環に入りこむようになります。


側副血行路は特定の部位で発達しますが、


食道の下端にできた場合は特に注意が必要で、


血管が拡張し曲がりくねって、


食道静脈瘤を形成します。


拡張した血管はもろくなって出血しやすく、


ときに大出血を起こします。


側副血行路はこのほか、


へその周辺部や直腸で発達することもあります。