人格障害 A群:奇妙で風変わりな行動
A群:奇妙で風変わりな行動
妄想性人格: 妄想性人格の人は、他者を信用せず懐疑的です。
特に証拠はないのに人は自分に悪意を抱いていると疑い、
絶えず報復の機会をうかがっています。
このような行動は人から嫌がられることが多いため、結局は、
最初に抱いた感情は正しかったと本人が思いこむ結果になります。
一般に性格は冷淡で、人にはよそよそしい態度を示します。
妄想性人格の人は、他者とのトラブルで憤慨して自分が正しいと思うと、
しばしば法的手段に訴えます。
対立が生じたとき、その一部は自分のせいでもあることには思い至りません。
職場では概して比較的孤立した状態にありますが、非常に有能でまじめです。
耳が聞こえないなどの障害があって日ごろから疎外感を感じている人は、
自分に対するほかの人の見方や態度を悪い方に考えがちです。
しかし、このような場合にみられる懐疑心の強さは、
他者に対して誤った悪意を起こすようなことがなければ、
妄想性人格の証拠にはなりません。
分裂病質人格: 分裂病質人格の人には、内向的、引っこみ思案、
孤独を好むといった傾向があります。性格は冷淡で、人にはよそよそしい態度を取ります。
いつも自分の考えや感情に没頭していて、
他者と親しくなることを恐れます。
無口で空想を好み、実際に行動するよりも理論的な思索を好みます。
空想することが、対処のメカニズム(防衛機制)としてよくみられます。
分裂病型人格: 分裂病型人格の人は、分裂病質人格の人と同様に、
社会的にも感情的にも他者から隔絶しています。
また、思考や認知、会話にみられる奇妙さは、
統合失調症(精神分裂病)に似ています。
ときに統合失調症の人で発症以前に分裂病型人格がみられる場合がありますが、
分裂病型人格の成人のほとんどは、統合失調症になることはありません。
分裂病型人格の人の中には、
何か特別な思考や行動をすることでものごとや人をコントロールできるという考え
(魔術的思考)を抱いている人がいます。
たとえば、だれかに対して怒りの感情を抱くと、
その人に災いを起こすことができると信じているような場合がありまます。
分裂病型人格の人には妄想もみられます。
続きます>>