2009年8月3日月曜日

糖尿病 『分類』

1型: 1型糖尿病(以前はインスリン依存型糖尿病あるいは若年型糖尿病と呼ばれていた)は、膵臓のインスリン産生細胞の90%以上が永久的に破壊されています。そのため、膵臓はインスリンをほとんど、あるいはまったくつくりません。米国では糖尿病の人のうち約10%が1型です。1型糖尿病は多くが30歳前に発症します。




科学者は、小児期または青年期のウイルス感染症や栄養因子などの環境因子が原因となって、自己免疫システムが膵臓のインスリン産生細胞を破壊するのではないかと考えています。遺伝的素因が環境因子の影響を受けやすくしています。




2型: 2型糖尿病(以前はインスリン非依存型あるいは成人型糖尿病と呼ばれていた)では、膵臓はインスリンをつくり続けていて、ときには正常値より高い場合さえあります。しかし、体がインスリンに抵抗を示し、結果として体の必要に応じたインスリンが不足します。




2型糖尿病は小児期や青年期でも発症しますが、通常は30歳以上での発症が多く、年齢が高くなるにつれて多くなります。70代以上では約15%の人が2型糖尿病です。特定の人種や文化圏の人は2型糖尿病になるリスクが高いことが知られています。たとえば、黒人やヒスパニック系で米国に住んでいる人はリスクが2〜3倍も高くなります。2型糖尿病は遺伝する傾向もあります。




肥満は2型糖尿病の主な危険因子であり、この病気の人の80〜90%が肥満です。これは肥満がインスリン抵抗性を引き起こすためで、肥満の人は正常な血糖値を維持するのに大量のインスリンが必要になります。




特定の疾患や薬が体のインスリンの使い方に影響し、2型糖尿病を誘発することがあります。インスリンの使い方を変える原因になることが多いのは、クッシング病やコルチコステロイド薬の使用によるコルチコステロイドの高値と妊娠(妊娠性糖尿病)です。糖尿病は成長ホルモンが過剰につくられてしまう人(先端巨大症)や特定のホルモン分泌腫瘍がある人にも起こります。重症あるいは再発性の膵炎や、膵臓に直接損傷を与える他の疾患も糖尿病を引き起こします。

糖尿病

糖尿病は、体がインスリンを十分に産生しないために血糖(ブドウ糖)値が異常に高くなる病気です。


インスリンは膵臓から放出されるホルモンで、血液中の糖量を制御しています。食べたり飲んだりした食べものは、体が機能するために、糖も含め必要な成分に分解されます。

吸収された糖が血液中に入ると、膵臓が刺激されてインスリンが産生されます。インスリンは糖を細胞に取りこみ、取りこまれた糖はエネルギーに変換され、すぐに消費されるか、必要なときまで蓄えられます。




正常な人では、血糖値は1日を通して変化しています。食後は血糖値が上昇し、食後約2時間以内に正常に戻ります。

血糖値が正常に戻ると、インスリン産生は低下します。

血糖値の変動幅は狭く、約70〜110mg/dLです。

炭水化物を大量に食べた場合、血糖値はより高くなります。

65歳以上の人は、特に食後の血糖値がやや高くなる傾向があります。




糖を細胞に移動させるインスリンが体内で十分につくられない場合は、血糖値が高くなり、細胞内の糖の量は不足して、これらが原因で糖尿病の症状と合併症を引き起こします。




糖尿病のことを真性糖尿病と呼ぶことがありますが、これは尿崩症という血糖値には影響のない比較的まれな病気と区別するためです。