2013年11月4日月曜日
消化器≫抗生物質に起因する大腸炎 ④
消化器≫抗生物質に起因する大腸炎 治療
抗生物質による大腸炎で、
服用中に下痢が起こる場合は、
その抗生物質がどうしても必要でない限り、
ただちに服用を中止します。
ジフェノキシレートなど腸の運動を遅くさせる薬は、
病気の原因である毒素を大腸内にとどめ、
大腸炎を長びかせることになるので服用を避けます。
合併症がない場合は、
抗生物質の服用中止後10~12日で症状は自然に治ります。
この場合、
特に治療の必要はありません。
しかし、
軽度の症状が続く場合は、
毒素と結合して吸着するコレスチラミンがおそらく有効です。
より重症の大腸炎には、
抗生物質のメトロニダゾールがクロストリジウム‐ディフィシルに有効です。
バンコマイシンは最も重症なケースや薬に耐性がある場合のために取っておきます。
この病気の患者の20%は再発し、
抗生物質による治療が繰り返されます。
下痢が繰り返し起こる場合は、
抗生物質療法を延長する必要があります。
乳酸桿菌(にゅうさんかんきん)の製剤を経口投与したり、
バクテロイデスを直腸から投与して、
腸内細菌のバランスを戻そうとする治療もありますが、
これは標準的な治療ではありません。
抗生物質に起因する大腸炎は、
まれに重症化することがあり、
この場合は入院して点滴で水分と、
ナトリウム、
マグネシウム、
カルシウム、
カリウムなどの電解質を補います。
ときに輸血を必要とすることがあります。
ときには、
救命のために一時的な回腸造瘻術(小腸と腹壁の開口部を手術でつなぎ、
大腸と直腸から便を迂回させる)や、
大腸の切除が必要になることもあります。
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