2011年5月19日木曜日

消化器の病気 『消化器系腫瘍-胃癌 続き』

まれなタイプの胃癌


悪性リンパ腫はリンパ系の癌ですが、


胃の中に発生することがあります。


胃悪性リンパ腫の多くはヘリコバクター‐ピロリと関連があるとされています。


治療にはまず外科的切除が行われます。


化学療法と放射線療法の治療効果は腺癌と比べて良好です。


これによって生存期間が延びて治癒する場合もあります。


平滑筋肉腫(間質細胞腫または紡錘細胞腫とも呼ばれています)は、


胃の平滑筋に発生する癌です。


最も有効な治療法は手術による腫瘍の切除です。


診断時に癌がすでに転移している場合は、


化学療法を行うと生存期間を延ばすことができます。


新薬であるイマチニブは手術が不可能な平滑筋肉腫の治療に有効です。













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癌 診断


診断には内視鏡による検査(柔軟なチューブ状の装置を


通して消化管の内部を観察する)が最も有効です。


これによって胃の内部の様子を直接見ることができ、


H.ピロリの有無の確認や組織サンプルを採取して(生検)、


顕微鏡で調べることができます。


バリウムX線検査は早期の小さな癌は検出しづらく、


生検もできないためあまり行われません。




胃癌 経過 治療


胃癌患者の5年生存率は20%未満です。それは癌が早期に転移しやすいためです。


癌が胃に限局している場合は、


手術で病巣を摘出して完治を目指します。


癌が転移する前に胃の病巣部全体を摘出


できた場合にのみ完治の望みがあります。


手術では胃の大部分またはすべてと周囲のリンパ節を摘出します。


癌が胃壁の深部にまで到達していなければ、


その後の経過は良好です。


胃癌と診断されたときにはすでに癌が転移していることが多いためです。


日本では胃癌は非常によくみられる病気ですが、


集団検診によって早期に癌が見つかるため、


完治する可能性も十分あります。


術後に化学療法や放射線療法を行ってもあまり効果はありません。


癌が胃以外の部位へ広がった場合は手術による完治は難しいですが、


症状を改善する目的の手術が行われることがあります。


たとえば、食べものが胃の出口を通過できない状態ならば、


バイパス手術をして胃と小腸をつなぎ、


食べものが通過できるようにします。


これによってしばらくは食べものの通過障害による痛みや


嘔吐といった症状を改善することができます。


化学療法や放射線療法でも症状を改善することはできますが、


効果は限られています。




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胃癌 症状


初期の胃癌ははっきりとした症状もなく、あっても気にならない程度です。


症状の出はじめは消化性潰瘍と似たような症状で、胃部の焼けるような痛みがあります。


このため消化性潰瘍だと思って治療を受け症状が改善しないことで、


初めて癌だとわかることもあります。


少し食べただけで満腹になって気づく人もいます(早期膨満感)。


体重減少と脱力は、食事が取りにくかったり、


ある種のビタミンとミネラルが体内で吸収されていないために起こります。


貧血になると疲労、筋力低下、軽い頭痛があります。


これは症状を伴わない少量の出血が原因だったり、

胃酸が減少することでビタミンB12の吸収不足(赤血球細胞をつくるために不可欠なビタミン)、

あるいは鉄分の吸収不足(赤血球細胞をつくるために不可欠なミネラル)などが原因で起こります。


まれに大量の出血(吐血)をしたり、


胃からの出血が腸管を通過して黒いタール便(メレナ)が出たりすることがあります。


胃の腺癌が進行すれば、触診でも胃部の腫瘤に触れることができます。


早期でも小さな腺癌は離れた部位に広がります(転移)。


腫瘍が転移すると、肝腫大、黄疸(皮膚や白眼が黄色みを帯びる)、


腹水(腹腔内に水がたまって腫れる)、皮膚転移による結節などが出現します。


骨に転移すると、骨が弱くなるため骨折しやすくなります。










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