2011年10月26日水曜日
脳・脊髄の感染症!『ウイルス感染-熱帯性痙性麻痺』
熱帯性痙性麻痺は、ゆっくりと進行する脊髄のウイルス感染症で、下肢の筋力低下をもたらします。
熱帯性痙性麻痺は、HTLV関連脊髄症とも呼ばれ、脊髄内部の神経束に感染を起こし、信号をやり取りする神経を包んでいる髄鞘(ずいしょう)が損傷、破壊されます(脱髄)。
この病気の原因は、成人T細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)への感染です。
このウイルス(レトロウイルス)は、ある種の白血病も引き起こします。
熱帯性痙性麻痺は、性交渉や汚染された針から感染します。
胎盤や母乳を通して母子感染も起こります。
症状は、ウイルス感染後何年かしてから現れます。
HTLV-I感染に対する反応過程で、免疫系が神経組織に損傷を与えます。両脚の筋肉が徐々に衰えてこわばりが進みます。
これらの症状は数年にわたり悪化します。
足の感覚の一部がなくなります。
また頻尿、切迫尿、失禁などの排尿トラブルも多く、腸の機能不全が起こることもあります。
治癒させる方法はありませんが、ステロイドの投与によって著しく改善します。
また血漿交換を行うと一時的に改善します。
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胎盤や母乳を通して母子感染も起こります。
症状は、ウイルス感染後何年かしてから現れます。
HTLV-I感染に対する反応過程で、免疫系が神経組織に損傷を与えます。両脚の筋肉が徐々に衰えてこわばりが進みます。
これらの症状は数年にわたり悪化します。
足の感覚の一部がなくなります。
また頻尿、切迫尿、失禁などの排尿トラブルも多く、腸の機能不全が起こることもあります。
治癒させる方法はありませんが、ステロイドの投与によって著しく改善します。
また血漿交換を行うと一時的に改善します。
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脳・脊髄の感染症!『ウイルス感染-進行性多巣性白質脳症』
ウイルス感染-進行性多巣性白質脳症
進行性多巣性白質脳症は脳や脊髄に起こるまれな感染症で、JCウイルスが原因です。
進行性多巣性白質脳症の原因はJCウイルス感染で、主に免疫系が衰えている人がかかります。
たとえば、白血病、リンパ腫、エイズの患者、移植臓器の拒絶反応の抑制や、自己免疫疾患の治療に免疫抑制薬を使っている人などです。
エイズ患者の約4%が、この病気にかかっています。
進行性多巣性白質脳症 症状 診断
JCウイルスに感染しても、多くの人は何の症状も現れません。
JCウイルスは、免疫系の障害などのきっかけにより、活性化して増殖できるようになるまで、不活性状態で残っています。
症状は、脳や脊髄のどの部位が侵されたかによります。
症状の始まりはゆっくりですが、通常は急速に悪化します。
麻痺は通常片側に起こります。
両手の動きが急にぎこちなくなり、字が書きづらくなったり、ものがつかみにくくなったりします。
約3人に2人の割合で、精神機能の低下が急速に進み痴呆が起こります。
話ができなくなり、部分的に失明するのも特徴です。
まれに頭痛やけいれん発作が起こります。
多くは発症後1?6カ月以内に死亡しますが、それ以上(約2年)生存する例も少数あります。
さらに少なくなりますが、病状が数カ月間改善した後に10年も生存したケースもあります。
免疫系が大きく損なわれている人で、症状の悪化が進行する場合は、この病気が疑われます。
CT検査やMRI検査などの非侵襲的な検査が診断の確定に役立ちます。
しかしながら、診断はしばしば患者の死亡後に脳組織を検査したときに確定されます。
DNAに自己複製させるPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)を使えば、患者の最大90%で脳脊髄液中のJCウイルスを検出できます。
進行性多巣性白質脳症 治療
進行性多病巣性白質脳症の有効な治療法は見つかっていません。
しかし免疫系を阻害している病気を治療することで、生存期間は長くなります。
たとえば高活性抗レトロウイルス療法(エイズ治療に使われる抗ウイルス薬)などが用いられます。
免疫抑制薬の使用を中止すると、進行性多病巣性白質脳症の症状が治まります。
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進行性多巣性白質脳症の原因はJCウイルス感染で、主に免疫系が衰えている人がかかります。
たとえば、白血病、リンパ腫、エイズの患者、移植臓器の拒絶反応の抑制や、自己免疫疾患の治療に免疫抑制薬を使っている人などです。
エイズ患者の約4%が、この病気にかかっています。
進行性多巣性白質脳症 症状 診断
JCウイルスに感染しても、多くの人は何の症状も現れません。
JCウイルスは、免疫系の障害などのきっかけにより、活性化して増殖できるようになるまで、不活性状態で残っています。
症状は、脳や脊髄のどの部位が侵されたかによります。
症状の始まりはゆっくりですが、通常は急速に悪化します。
麻痺は通常片側に起こります。
両手の動きが急にぎこちなくなり、字が書きづらくなったり、ものがつかみにくくなったりします。
約3人に2人の割合で、精神機能の低下が急速に進み痴呆が起こります。
話ができなくなり、部分的に失明するのも特徴です。
まれに頭痛やけいれん発作が起こります。
多くは発症後1?6カ月以内に死亡しますが、それ以上(約2年)生存する例も少数あります。
さらに少なくなりますが、病状が数カ月間改善した後に10年も生存したケースもあります。
免疫系が大きく損なわれている人で、症状の悪化が進行する場合は、この病気が疑われます。
CT検査やMRI検査などの非侵襲的な検査が診断の確定に役立ちます。
しかしながら、診断はしばしば患者の死亡後に脳組織を検査したときに確定されます。
DNAに自己複製させるPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)を使えば、患者の最大90%で脳脊髄液中のJCウイルスを検出できます。
進行性多巣性白質脳症 治療
進行性多病巣性白質脳症の有効な治療法は見つかっていません。
しかし免疫系を阻害している病気を治療することで、生存期間は長くなります。
たとえば高活性抗レトロウイルス療法(エイズ治療に使われる抗ウイルス薬)などが用いられます。
免疫抑制薬の使用を中止すると、進行性多病巣性白質脳症の症状が治まります。
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脳・脊髄の感染症!『ウイルス感染-リンパ球性脈絡髄膜炎』
ウイルス感染-リンパ球性脈絡髄膜炎
リンパ球性脈絡髄膜炎は、アレナウイルスが原因のインフルエンザに似た病気で、しばしば髄膜炎が続いて起こります。
リンパ球性脈絡髄膜炎の原因であるアレナウイルスは、特に灰色ハツカネズミやハムスターなどのげっ歯動物の体内にいます。
これらの動物はウイルスに感染すると一生ウイルスをもち続け、尿、便、精液、鼻汁の中に排泄します。
人には、一般的にこれらの排泄物に汚染されたちりや食物を介して感染します。
リンパ球性脈絡髄膜炎は、野生のげっ歯類が寒さを避けて屋内に侵入してくる冬に多く発生します。
リンパ球性脈絡髄膜炎 症状
症状は、2段階に分かれて現れます。
第1段階では、ウイルス感染の5~10日後に、インフルエンザに似た症状が現れます。
典型的症状として、38.3?40℃の熱が出て体がふるえます。
ほかには全身のだるさ(けん怠感)、吐き気、頭がクラクラする、脱力、筋肉痛、明るい光で悪化する眼の奥の方が痛む頭痛、食欲不振、などがあります。
咽頭痛、触覚が鈍るなどの症状が現れることもあります。
これらのインフルエンザに似た症状は、感染の5日から3週間後には1~2日程度治まります。
第2段階では、第1段階の症状が再発し、さらに別の症状が加わります。
指の関節が腫れて痛む、睾丸の炎症、抜け毛、嘔吐などです。髄膜炎を続発して、頭痛と首の硬直を生じます。
髄膜炎患者のほとんどは、完全に回復します。
ときには脳炎による頭痛、眠気が現れます。
まれですが、脳炎のために脳が損傷して、一部の症状が持続することがあります。
リンパ球性脈絡髄膜炎 診断 治療
病気の初期には、インフルエンザとの区別がつかないため、検査は行われません。髄膜炎を示唆する症状があれば、脊椎穿刺で脳脊髄液のサンプルを採取します。
リンパ球性脈絡髄膜炎が起きていれば、患者の脳脊髄液中には白血球が多く含まれ、しかもその大部分はリンパ球です。
脳脊髄液中にウイルスが確認されるか、あるいは血液中のウイルス抗体価が上昇していれば診断が確定します。
特別な治療法がないため、病気が回復するまでの1~2週間、症状を緩和する治療が行われます。
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リンパ球性脈絡髄膜炎は、アレナウイルスが原因のインフルエンザに似た病気で、しばしば髄膜炎が続いて起こります。
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これらの動物はウイルスに感染すると一生ウイルスをもち続け、尿、便、精液、鼻汁の中に排泄します。
人には、一般的にこれらの排泄物に汚染されたちりや食物を介して感染します。
リンパ球性脈絡髄膜炎は、野生のげっ歯類が寒さを避けて屋内に侵入してくる冬に多く発生します。
リンパ球性脈絡髄膜炎 症状
症状は、2段階に分かれて現れます。
第1段階では、ウイルス感染の5~10日後に、インフルエンザに似た症状が現れます。
典型的症状として、38.3?40℃の熱が出て体がふるえます。
ほかには全身のだるさ(けん怠感)、吐き気、頭がクラクラする、脱力、筋肉痛、明るい光で悪化する眼の奥の方が痛む頭痛、食欲不振、などがあります。
咽頭痛、触覚が鈍るなどの症状が現れることもあります。
これらのインフルエンザに似た症状は、感染の5日から3週間後には1~2日程度治まります。
第2段階では、第1段階の症状が再発し、さらに別の症状が加わります。
指の関節が腫れて痛む、睾丸の炎症、抜け毛、嘔吐などです。髄膜炎を続発して、頭痛と首の硬直を生じます。
髄膜炎患者のほとんどは、完全に回復します。
ときには脳炎による頭痛、眠気が現れます。
まれですが、脳炎のために脳が損傷して、一部の症状が持続することがあります。
リンパ球性脈絡髄膜炎 診断 治療
病気の初期には、インフルエンザとの区別がつかないため、検査は行われません。髄膜炎を示唆する症状があれば、脊椎穿刺で脳脊髄液のサンプルを採取します。
リンパ球性脈絡髄膜炎が起きていれば、患者の脳脊髄液中には白血球が多く含まれ、しかもその大部分はリンパ球です。
脳脊髄液中にウイルスが確認されるか、あるいは血液中のウイルス抗体価が上昇していれば診断が確定します。
特別な治療法がないため、病気が回復するまでの1~2週間、症状を緩和する治療が行われます。
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