ウイルス感染-リンパ球性脈絡髄膜炎
リンパ球性脈絡髄膜炎は、アレナウイルスが原因のインフルエンザに似た病気で、しばしば髄膜炎が続いて起こります。
リンパ球性脈絡髄膜炎の原因であるアレナウイルスは、特に灰色ハツカネズミやハムスターなどのげっ歯動物の体内にいます。
これらの動物はウイルスに感染すると一生ウイルスをもち続け、尿、便、精液、鼻汁の中に排泄します。
人には、一般的にこれらの排泄物に汚染されたちりや食物を介して感染します。
リンパ球性脈絡髄膜炎は、野生のげっ歯類が寒さを避けて屋内に侵入してくる冬に多く発生します。
リンパ球性脈絡髄膜炎 症状
症状は、2段階に分かれて現れます。
第1段階では、ウイルス感染の5~10日後に、インフルエンザに似た症状が現れます。
典型的症状として、38.3?40℃の熱が出て体がふるえます。
ほかには全身のだるさ(けん怠感)、吐き気、頭がクラクラする、脱力、筋肉痛、明るい光で悪化する眼の奥の方が痛む頭痛、食欲不振、などがあります。
咽頭痛、触覚が鈍るなどの症状が現れることもあります。
これらのインフルエンザに似た症状は、感染の5日から3週間後には1~2日程度治まります。
第2段階では、第1段階の症状が再発し、さらに別の症状が加わります。
指の関節が腫れて痛む、睾丸の炎症、抜け毛、嘔吐などです。髄膜炎を続発して、頭痛と首の硬直を生じます。
髄膜炎患者のほとんどは、完全に回復します。
ときには脳炎による頭痛、眠気が現れます。
まれですが、脳炎のために脳が損傷して、一部の症状が持続することがあります。
リンパ球性脈絡髄膜炎 診断 治療
病気の初期には、インフルエンザとの区別がつかないため、検査は行われません。髄膜炎を示唆する症状があれば、脊椎穿刺で脳脊髄液のサンプルを採取します。
リンパ球性脈絡髄膜炎が起きていれば、患者の脳脊髄液中には白血球が多く含まれ、しかもその大部分はリンパ球です。
脳脊髄液中にウイルスが確認されるか、あるいは血液中のウイルス抗体価が上昇していれば診断が確定します。
特別な治療法がないため、病気が回復するまでの1~2週間、症状を緩和する治療が行われます。
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