炎症性腸疾患とは、腸が炎症を起こし、腹部の激しい痛みと下痢を繰り返し起こす状態です。
炎症性腸疾患には2種類の主な疾患、クローン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎があります。
この2つの疾患には多くの共通点があり、ときに判別が難しいことがあります。
しかし2つの疾患にはいくつかの違いがあります。
たとえばクローン病は消化管のほとんどすべての部分に起こりうるのに対し、
潰瘍性大腸炎は大腸にしか起こりません。
この2種類の腸疾患の原因はわかっていません。
最近になり、炎症性腸疾患にはコラーゲン性大腸炎、リンパ球性大腸炎、
経路変更後の大腸炎もあることがわかっています。
炎症性腸疾患の診断をするには、最初に炎症を起こしうる他の原因を除外します。
たとえば寄生虫や細菌の感染症は、腸の炎症を起こします。
このため、医師はいくつかの検査を行います。
S状結腸鏡検査を行って便を採取し、
旅行中などに感染した細菌や寄生虫を示す証拠があるかどうかを分析します。
また血液検査では寄生虫の存在や抗生物質の服用による2次感染症があるかどうかを判定できます。
さらには、淋菌感染症、ヘルペスウイルス感染症、
クラミジア感染症などの性感染症が直腸にないかどうかも調べます。
直腸内膜から組織を採取して、
大腸直腸癌などの血性下痢の原因となる疾患がないかどうかも顕微鏡で検査します。
その他の炎症の原因として除外すべきものは、50歳以上の人に多い虚血性大腸炎、
女性では骨盤内炎症性疾患、子宮外妊娠、卵巣の嚢胞(のうほう)や腫瘍(しゅよう)、
セリアック病、熱帯スプルー、などがあります。
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2011年4月29日金曜日
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