鼻孔からのどの上部(鼻咽頭)の癌は、
小児や若い成人にみられます。
アジアでは最も多い癌の1つです。
伝染性単核球症の原因となるエプスタイン‐バー(EB)ウイルスが、
鼻咽頭癌の発生に関与しています。
また、塩漬けの魚を多く食べ、
特にビタミン摂取量が不足している小児や若い成人も
鼻咽頭癌になりやすい傾向があります。
鼻や耳管の閉塞が続くのが最初の症状で、
耳が詰まったような感じや痛みが生じ、
片側の耳の聞こえが悪くなります。
耳管がふさがると滲出液が中耳にたまり、
鼻から膿(うみ)や血が出ます。
まれに、顔の一部や眼が麻痺(まひ)する場合もあります。
首のリンパ節への転移も多くみられます。
鼻咽頭癌は、腫瘍の組織片を採取して
顕微鏡下で調べる検査(生検)を行って診断します。
頭と首(頭頸部)のCT検査またはMRI検査で、
癌がどこまで広がっているかを調べます。
治療には放射線療法と化学療法を用います。
腫瘍が大きい場合や治療による効果がみられない場合は、
手術が必要となります。
患者全体の平均値では、
診断から5年後の生存率は35%ですが、
早期治療を行うことで経過の見通し(予後)は大幅に向上します。
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2011年6月20日月曜日
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