アルツハイマー病 診断
記憶が徐々に失われる高齢者の痴呆は、アルツハイマー病が疑われます。
アルツハイマー病は、検査に基づいてほぼ正しく診断できますが、正しさが証明されるのは、死体を解剖し脳の組織を顕微鏡で調べて初めて実証されます。
脳組織を調べると、脳のいたるところで神経細胞の消失、神経原線維の変化、アミロイドを含む老人斑がみられますが、新しい記憶形成にかかわる側頭葉領域で特に著しくなっています。
脊髄液の分析とポジトロンCT(PET)検査が、アルツハイマー病の診断に一部で勧められていますが、発症リスクの予測やアルツハイマー病にかかっている人を正確に診断する精度はありません。
アルツハイマー病 治療
アルツハイマー病の一般的な治療法は、すべてのタイプの痴呆に用いられる治療法と同じです。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの一部の薬が、アルツハイマー病の進行を妨げて遅らせる効果があるかは、現在研究中です。エストロゲンとビタミンEは病状の進行を遅らせるのに役立つようですが、研究結果にはばらつきがあります。
これらの薬を使用する前には、そのリスクとメリットについて医師とよく話し合ってください。
ドネペジル、リバスチグミン、タクリン、ガランタミンは、神経伝達物質のアセチルコリンの濃度を上昇させますが、多くのタイプの痴呆でアセチルコリンの濃度は低下しています。
これらの薬は認識機能を一時的に改善しますが、病気の進行を遅らせる効果まではありません。
アルツハイマー病の人の約半数は、これらの薬による利益があり、6?9カ月前まで時間を戻したような効果があります。
薬が最も効くのは、病状が軽度から中等度の場合です。
高価な薬で副作用もあるため、効果が期待できない場合には使用を続けない方がよいでしょう。
最も多い副作用は吐き気、嘔吐、体重減少、腹痛、けいれんです。ドネペジルとガランタミンの副作用は通常軽度で、頻度も比較的少ないです。
イチョウ葉(通称EGb)のエキスは、すでに挙げた薬とほぼ同じ効果があるといわれていますが、これについてはさらに臨床試験が必要です。
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2011年10月3日月曜日
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