クロイツフェルト‐ヤコブ病(亜急性海綿状脳症)はプリオン病の1種で、進行性の精神機能の低下、筋肉のけいれん、よろめき歩行の症状が現れます。
クロイツフェルト‐ヤコブ病は、毎年世界中で100万人に1人が発病していて、主に50代後半から60代の成人がかかります。
クロイツフェルト‐ヤコブ病の1つのタイプは、正常な細胞性プリオンタンパクからプリオンへの転換が自然発生的に起こるものです。
別のタイプでは、外部の感染源からプリオンを獲得したことで起こります。
しかし通常はどちらが原因かを決めることはできません。
まれですが、プリオンに汚染された角膜の移植や、プリオン感染ドナーの組織の移植で感染することがあります。
またクロイツフェルト‐ヤコブ病患者の手術に使用された器具が、別の人の脳外科手術に使用されたためにプリオンが感染したこともあります。
普通の消毒法や滅菌法ではプリオンを破壊することはできませんが、漂白剤は効果があります。
ヒトの脳下垂体由来の成長ホルモンを使って治療された小児が、プリオン病を発症した例がいくつかあります。
また、それ以外の脳下垂体由来ホルモンでも、クロイツフェルト‐ヤコブ病が発生しています。
現在は、成長ホルモンは死体からではなく遺伝子操作によって製造されているため、クロイツフェルト‐ヤコブ病のリスクはなくなりました。
クロイツフェルト‐ヤコブ病患者との日常的な接触、あるいは親密な接触や輸血などによる感染例はまったく報告されていません。
クロイツフェルト‐ヤコブ病の新しいタイプは、異型クロイツフェルト‐ヤコブ病(ウシ海綿状脳症または狂牛病)と呼ばれ、現在までに約100人が感染しています。
汚染された牛肉や牛肉加工食品を食べたことにより、プリオンに感染したと考えられています。
異型クロイツフェルト‐ヤコブ病にかかると、65歳ころに発病する自然発生型とは異なり、30歳ころに発病します。
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