関節内障害: 関節のずれが元に戻る、戻らないにかかわらず、
関節内障害によってあごに痛みがあり、
あごがよく動かない場合には治療が必要です。
症状が現れたときにすぐに診察を受ければ、
外れた顎関節円板を手で正常な位置に戻すことができます。
発症後3カ月以内であれば、
下あごを前方へ出しておくための固定用副子が装着されます。
この固定用副子で顎関節円板を正常位置に固定できれば、
支えている靭帯のゆるみが直ります。
顎関節円板がそのまま正常位置からずれないことを期待しながら、
2~4カ月間かけて固定用副子を調節しながらあごを正常位置に戻します。
関節内障害がある人は大あくびをしない、
分厚いサンドイッチをほおばったりしないなど、
口を大きく開けすぎないように注意が必要です。
これは、あごに障害がない人に比べ、
大きな口を開けることによるあごへのダメージが起こりやすいためです。
この障害がある人は、
食べものを小さくかみやすいようにカットして食べるようにします。
ときどき、円板がずれて顎関節の前でつかえてしまい、
口が十分に開かなくなることがあります。
その場合は手で支えて、つかえた場所から円板を外し、
顎関節が正常に動くようにしてやります。
あごのストレッチを行うために使用される、あごの受動運動装置は、
あごの運動機能を徐々に高めていく効果があり1日に数回使用されます。
この装置のうちねじ式のタイプは前歯の間に入れて使用し、
ちょうど車のジャッキのようにねじを回して徐々に広げていきます。
この装置が使用できない場合は、
前歯の間にたくさんの舌圧子(へら)を挟み、
さらにそれらの舌圧子の間にもう1本別の舌圧子を追加して広げます。
手術以外の方法で治癒しなかった場合は、
顎関節円板を整形して元の場所へ戻して縫合する手術が必要になります。
従来型の手術は、関節鏡が導入されて以来、
比較的まれになってきています。
どの手術の場合でも、
固定用副子による治療が併せて行われます。
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2012年5月14日月曜日
顎関節の障害!『障害治療』 Ⅱ
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