2015年10月1日木曜日
消化器≫≫炎症性腸疾患の病気≫≫潰瘍性大腸炎 合併症
消化器≫≫炎症性腸疾患の病気≫≫潰瘍性大腸炎 合併症
出血は最もよくみられる合併症で、
しばしば鉄欠乏性貧血を起こします。
潰瘍性大腸炎になった人のほぼ10%で、
最初の発作が急激に進行して重症になり、
大量の出血と穿孔や広範囲の感染を伴います。
中毒性大腸炎は特に重症の合併症で、
腸壁全体が肥厚して損傷します。
この損傷は、
腸壁の正常な収縮運動が一時的に止まるイレウス(腸閉塞)
と呼ばれる状態を起こし、
腸の内容物が前進しなくなり、腹部が膨満します。
中毒性大腸炎が悪化すると大腸の筋緊張を失い、
数日、時にはわずか数時間で拡張しはじめます。
腹部X線検査では、
腸の麻痺(まひ)した部分にガスが充満しているのが映ります。
中毒性巨大結腸とは、
大腸が異常に拡張した状態です。
この状態は非常に重篤で、高熱が出ます。
腹痛と腹部の圧痛があり、白血球数が増加します。
腸が破裂すると、死亡するリスクが高くなります。
しかし、腸が破裂する前に迅速な治療を受けた場合、
死亡率は4%未満です。
結腸癌は、
末期の潰瘍性大腸炎患者に毎年100人に1人の割合で発症します。
潰瘍性大腸炎が広範囲にわたる場合は、
100人に10人が結腸癌になります。
結腸癌のリスクが最も高いのは、
病気の活動性に関係なく、
潰瘍性大腸炎が大腸全体に及んでいる場合と、
罹患期間が8年以上の場合です。
潰瘍性大腸炎が8年以上続く場合、
大腸内視鏡検査(柔軟な観察用チューブを用いた大腸の検査)
を毎年または2年に一度は行います。
大腸内視鏡検査の際に、大腸各所から組織を採取し、
病理組織診を行います。
癌が初期に発見された場合、ほとんどの人が助かります。
その他の合併症は、クローン病のそれと同じです。
潰瘍性大腸炎による胃腸症状が再発すると、
関節炎や上強膜炎、
結節性紅斑、
壊疽性膿皮症(えそせいのうひしょう)などの炎症が現れます。
潰瘍性大腸炎による胃腸症状の再発がない時期でも、
脊椎に炎症が生じて強直性脊椎炎となったり、
股関節の炎症(仙腸骨炎)や眼の内部の炎症(ぶどう膜炎)が起こります。
潰瘍性大腸炎では、
普通軽度の肝機能不全がみられますが、
肝臓疾患の症状が現れるのは軽症から重症を含めても1?3%ほどです。
重症の肝臓疾患は、慢性活動性肝炎や、胆管が狭くなり、
ついには閉塞する原発性硬化性胆管炎、
肝臓の機能組織が瘢痕(はんこん)化する肝硬変などです。
胆管炎は、潰瘍性大腸炎の腸症状が現れる何年も前から起こります。
胆管炎になると胆管癌になるリスクがきわめて高くなり、
結腸癌のリスクも高くなります。
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