2010年3月11日木曜日

心臓の病気 『診断・・・・・必要な検査 ・・心臓カテーテル検査・Ⅲ

左心カテーテル検査では、


カテーテルを普通は腕や鼠径部から動脈内へと挿入します。


あまり一般的ではありませんが、


右心カテーテル検査と同様に、


カテーテルを鼠径部の静脈内から右心房に通し、


右心房と左心房を隔てている壁に穴を開けて、


左心房へと進めることもあります。




冠動脈造影検査: この検査法では心臓に酸素の豊富な血液を供給する冠動脈の状態を知ることができます。


冠動脈造影検査は左心カテーテル検査と似ており、


これら2つの検査はほぼたいてい同時に行われます。


検査では局所麻酔を施した後、


腕か鼠径部を切開し、


細いカテーテルを動脈内に挿入します。


カテーテルは心臓へ、


さらに冠動脈内へと進めます。



挿入の間、


X線透視検査でカテーテルの位置を確認します。


カテーテルの先端が冠動脈内に入った後、


X線上で観察できる造影剤をカテーテルを通して


冠動脈内に注射します。


冠動脈の形状は、


カテーテルと接続したビデオの画面上に映し出され、


テープもしくはディスクに記録されます。


普通は、


連続的な画像を作成する動画撮影技術が使用され、


この検査法はシネ血管造影法と呼ばれます。


この検査法では、動いている心房、心室、


冠動脈の鮮明な画像が得られます。


冠動脈造影検査で気分が悪くなることはめったになく、


検査時間は普通は30〜50分です。


この検査は重症でない限りは外来で行います。


造影剤を大動脈や心房、


心室内に注入すると、


造影剤が血流を通して拡散するため、


一時的に体が温かくなったように感じます。


心拍数が増えたり、


血圧がわずかに下がることもあります。


まれに、


造影剤によって心臓の動きが一時的に遅くなったり、


停止することさえあります。


このようなまれで深刻な状態から回復させるため、


検査中に激しくせきをするよう指示が必要な場合があります。


吐き気、嘔吐、せきなどの軽い合併症もまれに起こります。


ショック、けいれん発作、腎障害、


心停止などの重い合併症が生じることはきわめてまれです。


造影剤に対するアレルギー反応については、


皮膚の発疹から、


まれには命にかかわるアナフィラキシーまで、


さまざまです。


冠動脈造影検査に伴う合併症が即座に治療できるよう


準備を整えてから検査を行います。


合併症が生じる危険性は高齢者で高くなりますが、


それでもまだ低いです。


冠動脈造影検査は血管形成術や冠動脈バイパス手術を考慮する際に、


必ず行う検査です。


心室造影検査は血管造影検査の1つで、


カテーテルを通して造影剤を左心室か右心室に注入し、


X線を用いて撮影します。


この検査は心臓カテーテル検査の間に実施されます。


この検査法では、左心室や右心室の動きを観察できるため、


心臓の血液を送り出す強さを評価することができます。


心臓の血液を送り出す強さを基に、


駆出分画を計算できます。


心機能の評価は、


心臓の損傷の程度を決定するのに有用です。

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