鞭虫(べんちゅう)症は、回虫の1種であるヒト鞭虫によって起きる腸の感染症です。
鞭虫症は大変よくみられる病気で、主として熱帯や亜熱帯などの、衛生状態が悪く、
土中で鞭虫の卵を保有するのに適した高温多湿の地方で発生します。
感染は、土の中で温められた卵が付着した食べものを食べることによって起こります。
小腸で卵から幼虫がかえり、大腸に移動し、頭部を腸壁に侵入させます。
各幼虫は11センチメートルほどの長さの成虫になり、卵は便に混じって排出されます。
鞭虫症 症状 診断
腸内に大量の成虫がいると、腹痛や下痢などの症状が起こります。
極端に多い場合は、慢性の下痢、体重減少、腸管出血、貧血などが起こります。
重症の小児では、直腸が肛門から突出する直腸脱がみられることがあります。
鞭虫症は、便を顕微鏡で調べ、特有のたる型の卵を見つけることで診断します。
また、大腸内視鏡で成虫を発見することで診断が確定することもあります。
鞭虫症 予防
予防には、清潔なトイレを使い、衛生管理を心がけ、
洗っていない生野菜は食べないようにすることです。
鞭虫症 治療
治療にはアルベンダゾールとメベンダゾールが有効ですが、胎児に悪影響を及ぼすため、
妊婦には使用できません。
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