化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)
とはアポクリン汗腺に起こる炎症で、
皮膚の下に膿がたまって痛みます。
化膿性汗腺炎は、思春期以降の人にみられます。
わきの下や性器周辺、肛門の周り、
乳房の下にはアポクリン腺という特別な汗腺があって、
それが慢性的にふさがれるために起こります。
この汗腺の閉塞が生じる原因はわかっていませんが、
制汗スプレーやパウダーを使用すること、
わき毛をそることなどとは関係ありません。
汗腺がふさがれると腫れて破裂し、その結果、
細菌に感染することがしばしばあります。
膿瘍ができると、痛みとひどい臭気を伴い、
再発する傾向があります。
再発を数度繰り返すとその部分の皮膚は厚くなり、
瘢痕(はんこん)化します。
化膿性汗腺炎は一般的な膿瘍と似ています。
診断は、膿瘍のできた部位と、再発を繰り返すかどうかに基づいて下します。
症状が軽い場合は、炎症部分にステロイド薬を注射し、
テトラサイクリン、エリスロマイシンなどの抗生物質を内服します。
クリンダマイシンの局所用薬を塗るのも効果があります。
膿瘍部を切開して膿を出すこともあります。
症状が重い場合は、抗炎症薬であるイソトレチノインの経口薬を服用します。
レーザー治療も行われています。
重症の場合、患部を切除してから皮膚移植
をする必要が生じることもあります。
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