骨パジェット病 症状
骨パジェット病では、骨の痛み、骨の肥厚、骨の奇形が生じることもありますが、
ほとんどの場合無症状です。
骨の痛みは深く、うずくような痛みで、ときどき激しくなったり、夜間に強くなったりします。
骨の肥厚によって神経が圧迫されることによる痛みも生じます。
病巣部に接している関節に影響が及び、痛みを伴う変形性関節症を起こすことがあります。
関節のこわばりや脱力は、気づかないうちにゆっくりと進行します。
症状は多様で、侵された部位によって異なります。
頭蓋骨の場合、骨が肥厚し、額と前頭部が突出してきます。
帽子のサイズが合わなくなって初めて、この肥厚に気がつく人もいます。
頭蓋骨が肥厚すると、内耳(蝸牛)が障害を起こしたり、
耳と脳をつなぐ神経が圧迫されると難聴やめまいが生じます。
神経の圧迫は頭痛の原因ともなります。頭皮の静脈の隆起もみられます。
これは、頭蓋骨内の血流が増加するために起こると考えられます。
椎骨が肥厚してもろくなり、弯曲(わんきょく)すると、身長が低くなります。
椎骨の損傷により脊髄(せきずい)の神経が圧迫されると、疼痛、しびれ、うずき、
筋力低下、脚の麻痺(まひ)の原因となります。
このような症状が出現した人ではたいてい、股関節(こかんせつ)や脚の骨も侵されていて、
脚が曲がって短くなり、歩行が不安定になります。
また、病巣部は骨折しやすくなります。
まれに心不全を起こすこともあります。
これは、患部の血流量が増加し、心臓に余分な負荷をかけるためと考えられます。
また骨パジェット病の1%未満で、病巣部の骨に癌(がん)が生じます。
血液中のカルシウム濃度上昇(高カルシウム血症)は、寝たきりで高齢の、
あるいは脱水状態にある重度の骨パジェット病患者に起こることがあります。
このように血液中のカルシウム濃度が高くなると、高血圧、筋力低下、軽度の腸管障害、
尿結石などさまざまな症状を招くことになります。
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2011年7月1日金曜日
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