傷ついた骨の修復プロセス
皮膚、筋肉、内臓などの組織が損傷を受けると、健康な組織に代わって瘢痕組織が生じ、欠損部を埋めて修復します。
瘢痕組織はしばしば、その部分の外観や機能に影響します。
これに対し、骨に損傷が生じた場合には瘢痕組織ではなく、新しい骨の組織に置き換わるのが特徴です。
折れた骨はこの独自の再生能力によって自然に治癒するので、小さく砕けてしまった骨のかけらでさえも、適切な治療を行えば正常な機能を取り戻します。
骨折の治癒過程では、炎症期、修復期、リモデリング期の3段階が少しずつ重なりあいながら進行します。
骨折が起こるとその直後から、炎症期とともに治癒過程が始まります。
損傷を受けた軟部組織や骨のかけら、内出血した血液などが免疫細胞によって取り除かれます。
免疫細胞の活動と血流量の増加によって、骨折部位の周囲は腫れて圧痛を生じます。
炎症は骨折後2~3日でピークを迎えますが、治まるまでには数週間かかります。
修復期は骨折から数日のうちに始まり、数週間から数カ月を要します。
修復された新しい骨(外仮骨)がこの時期に形成されます。
仮骨は最初にできたときにはカルシウムを含んでいないため、ゴムのように軟らかく弾力があり、X線画像には映りません。
この仮骨は強さや安定性に欠け、わずかな力でも変形や位置のずれを生じます。
3~6週間たつと、この仮骨にカルシウムが沈着して石灰化し、硬く強くなってX線画像にも映るようになります。
リモデリング期(骨が元の正常な状態に修復される時期)は、何カ月間も続きます。
密度の低い外仮骨が少しずつ再吸収されて、通常の強い骨に置き換わり、その骨が本来もっていた正常な形や構造が回復されていきます。
この時期になると再び骨折することはまずありませんが、その部位を動かすと軽い痛みを感じることはあります。
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2011年7月4日月曜日
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