無血管性骨壊死(骨壊死、無菌壊死、離断性骨軟骨炎)は、
骨に血液を供給する血管の血流障害によって骨組織が死んでしまう病気です。
無血管性骨壊死は30~60歳の人に多く発症し、
そのほとんどは股関節(こかんせつ)の一部である大腿骨頭(だいたいこっとう)に発症します。
左右の股関節に発症することもあります。
50歳以上の人では股関節の骨折が原因で無血管性骨壊死をよく起こしますが、
長骨骨端へ血液を供給する細い血管の血流障害が原因で無血管性骨壊死を起こす人もいます。
アルコール性肝障害の人では、
脂肪性物質のかたまりで血管が詰まって血流障害が起こることがあります。
大腿骨の膝(ひざ)関節部分の壊死もよくみられ、
上腕骨の肩関節部分の壊死もときにみられます。
無血管性骨壊死は、
外傷によるものとその他の原因によるものに分類されます。
重症の外傷は骨壊死の原因となりますが、
小さな外傷では骨壊死は起こりません。
転位骨折や脱臼によって骨への血管が切れたり損傷した外傷では、
無血管性骨壊死が起こります。
非外傷性の無血管性骨壊死は、アルコール中毒、
高用量のコルチコステロイド薬を長期にわたって使用した場合、
減圧病(ダイバーが急速に浮上したときの急激な圧の変化による病気)、
鎌状赤血球症、まれにゴーシェ病、リンパ腫などの腫瘍(しゅよう)、
放射線療法、血液凝固疾患などが原因で起こります。
無血管性骨壊死の人のおよそ25%ではその原因は不明です。
膝の無血管性骨壊死ははっきりとした原因がなく発症し、
骨壊死の危険因子をもち合わせていない55歳以上の女性に主に発症します。
膝の原因不明の無血管性骨壊死については、
この病気が本当に無血管性骨壊死の1種なのか、
それとも別の未知の病気なのかという点で、
専門家の間でも意見が分かれています。
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2011年7月11日月曜日
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