無血管性骨壊死 治療
基本的な治療としては、
痛みに対して非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬が使用されます。
そして患部の骨や関節にかかる体重や負荷を軽減します。
このような治療は6カ月以上続ける必要があります。
関節の可動域を広げる訓練も効果的です。
しかし、これらの治療だけですむことはまれで、治癒には至りません。
最も基本的な手術法は中心部減圧術と呼ばれるもので、
これは壊死を起こした骨の部分に穴を開ける方法です。
この方法は早期でまだ骨の変形が進行していない場合に非常に効果があり、
骨がつぶれるのを防げることもあります。
骨の変形がある50歳未満の人にも行われます。
この方法は痛みの緩和や軽減をもたらすので、
人工関節全置換術を行う時期を数年先に延ばせることがあります。
手術は1時間以内で終了します。
患者は術後4~6週間で松葉づえを使って歩けるようになります。
その他の方法としては骨移植があります。
股関節の無血管性骨壊死の場合は、
体の別の部分から病変のない骨組織と血管を取ってきて、
股関節付近に移植します。
移植された骨は新しく形成される骨の基盤となります。
手術が成功するには、
移植部分に血液を供給する血管が形成されていくことも必要です。
この手術は数時間で終了します。
患者は術後数カ月で松葉づえを使って歩けるようになります。
中心部減圧術や骨移植は、
骨がつぶれる前に実施すれば関節への重度の損傷の予防に役立ち、
特に股関節や膝の障害には有用です。
早期の外科手術は肩関節ではあまり実施されません。
肩は体重がかからない部位なので、手術をしなくても回復するためです。
骨を切る手術(骨切り術)は、
50歳未満で骨頭がつぶれている人に実施され、
人工関節置換術を行う時期を遅らせることができます。
骨切り術が適応となるのは、壊死による損傷が大きいため、
減圧術や骨移植手術ができなかった人です。
無血管性骨壊死は通常、体重がかかる部位に起こります。
このため、骨頭をいったん骨から切り離し、
骨頭を回転させたり傾けることで、
体重のかかる位置に壊死部分がこないようにした上で
再び固定する方法(骨頭回転骨切り術)もときに行われます。
人工関節全置換術は、
骨頭の無血管性骨壊死によって関節の反対側に明らかな変形性関節症が生じた場合の、
唯一の効果的な治療法です。
この手術の成功率は95%以上ですが、
その適応については慎重な判断が求められます。
それは人工関節は永久に使用できるものではなく、
若年者にこの手術を行うといつの日か、
人工関節を取り換える再手術が必要になるかもしれないためです。
このため多くの医師は、股関節の受け皿部分が侵されていない若年者に対しては、
むし歯の治療で歯に金属をかぶせるのと同じように、
大腿骨頭部に金属のキャップをかぶせて保護する方法を選択する場合があります。
この治療を行っても、その後いずれ人工股関節全置換術が必要になる場合もあります。
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2011年7月12日火曜日
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