2011年9月12日月曜日

脳・脊髄・神経の病気『痛みの種類』 ②

神経障害性の痛み


神経障害性の痛みは神経、脊髄、脳で生じた異常で起こる痛みです。


神経障害性の痛みは、ヒリヒリ、チクチクする感覚、または寒さやものに触れた場合の神経過敏です。


これには幻肢痛、ヘルペス後神経痛、反射性交感神経性ジストロフィ、カウザルギー(灼熱痛)などが含まれます。


幻肢痛とは、体の一部(通常は手や足)が切断されたにもかかわらず、そこに痛みを感じるものです。これは幻肢感とは異なります。


幻肢感は切断した部分がなお残っているかのように感じるもので、これはより多くの患者にみられます。


一方、幻肢痛は四肢のどこかが悪いために起こるのではなく、切断面より上部の神経系に生じた変化が原因で起こります。


神経の信号を、失った四肢から来た信号と脳が誤って解釈するためです。


切断された下肢のつま先、足首、足が、または切断された上肢の指や手が痛むように感じます。


この痛みは、締めつけられるような、焼けるような、または幻肢がつぶれた感じに似ていますが、それまで経験したいずれの感じとも異なる痛みの場合もあります。


この幻肢痛は、時がたつとともに発症回数が少なくなる場合も、ずっと持続する場合もあります。


この痛みにはマッサージが有効な場合もありますが、薬での治療が必要なこともあります。


ヘルペス後神経痛は帯状疱疹(たいじょうほうしん)が原因で起こり、神経組織の炎症を引き起こします。


この痛みは、絶え間なく深くうずくか、または焼けるようだったり、鋭い断続的な痛みだったり、寒さやものに触れた場合の神経過敏のようでもあります。


痛みで衰弱することもあります。


反射性交感神経性ジストロフィ(複雑性局所疼痛症候群、タイプ1)とカウザルギー(複雑性局所疼痛症候群、タイプ2)は、慢性的な痛みが続く症候群です。


これらは焼けるような痛みが持続し、かつ痛みと同じ部位に何らかの異常所見を伴うものと定義されています。


この異常所見には、発汗の増加または減少、浮腫、皮膚の色の変化、皮膚、髪、爪、筋肉、骨の損傷(筋肉の萎縮や骨量の減少を含む)などがあります。


どちらの症候群も、けがをした後に起こるのが典型的です。


反射性交感神経性ジストロフィは、神経以外の組織が損傷した結果として起こります(たとえば肩手症候群)。


カウザルギーは神経組織の損傷が原因で起こります。


反射性交感神経性ジストロフィやカウザルギーのいくつかのタイプは、交感神経系の活動が亢進すると悪化します。


交感神経はストレス状態や緊急事態、つまり攻撃・逃避行動に対し体を活動準備状態にします。


このため、医師は交感神経ブロックによる治療を勧めます)。




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