2011年9月14日水曜日

・脊髄・神経の病気『痛みの治療』 ⑤

高齢者では、NSAIDsによる副作用のリスクが高くなります。


飲酒の習慣がある人がNSAIDsを服用すると消化器症状、消化性潰瘍、肝臓の障害などのリスクが高くなります。


心不全、高血圧、腎臓または肝臓の障害をもつ人がこの薬を服用する場合は、医師の管理が必要です。


心臓や血圧の処方薬の中には、鎮痛薬と併用すると効果が下がるものもあります。


NSAIDsの効果の出る速さや鎮痛効果の持続時間は、それぞれの薬によって異なります。


効果がほぼ同程度とされている薬でも、人によって反応が違い、特定の薬が自分にはより効くと感じたり、他の薬より副作用が少ないと感じることがあります。


アスピリン: アスピリン(アセチルサリチル酸)は約1世紀にわたり使われています。


アスピリンは経口薬で中等度の痛みを4~6時間緩和させます。


アスピリンは胃を刺激するので、それを緩和するために制酸薬を組み合わせて(緩衝配合薬として)、この作用を抑えます。


制酸薬はアスピリンの溶解を促進させるアルカリ性の状態をもたらし、アスピリンが胃粘膜と接触する時間を短くします。


しかしアスピリンは胃の内壁を保護する物質(プロスタグランジンの1種)の生成も減少させるため、緩衝アスピリンでも胃が荒れることがあります。


腸溶性アスピリンは、胃をそのまま通過し腸で溶けるように設計されているため、胃への刺激は最小限に抑えられます。


しかし腸溶性アスピリンの吸収は安定しません。


食べものと腸溶性アスピリンを一緒に摂取すると、食べものが胃の通過を遅らせるため、アスピリンの吸収も遅れます。


したがって痛みの緩和も遅れることになります。


アスピリンは血小板の凝集傾向を抑えるため、全身で出血リスクが増加します。


あざのできやすい人は、特にこの影響を受けやすくなります。


出血性の病気やコントロールの良くない高血圧のある人は、医師の指示なくアスピリンを服用すべきではありません。


アスピリンと抗凝固薬(ワルファリンなど)を併用している人は、命にかかわる出血を予防するためにも綿密な管理が必要です。


通常、手術予定日の前の1週間は、アスピリンを服用してはいけません。


アスピリンは喘息(ぜんそく)を悪化させることがあります。


鼻たけのある人がアスピリンを服用すると喘鳴(ぜんめい)を引き起こすことがあります。


少数ですが、アスピリンに過敏な(アレルギー性)人は、激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こすことがあり、発疹、かゆみ、重度の呼吸障害、ショック(ショックを参照)などが起こります。


こうした反応が起きた場合は、緊急治療が必要です。


非常に多量のアスピリンを服用した場合、呼吸異常などの重篤な副作用を起こす可能性があります。


過剰服用の初期徴候の1つとして耳鳴りがあります。




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