2011年9月30日金曜日

せん妄!③

診断


軽いせん妄は認識しにくいため、入院中に起こるせん妄の最大8割は見逃されることがあります。


せん妄の可能性が高いときは、ほとんどの人が診断と保護のために入院することになります。


診断検査は迅速かつ慎重に行われ、その結果何らかの異常が見つかればすぐに治療が開始されます。


せん妄は急速に死に至る深刻な病気により起こる場合もあるため、可能な限り早く原因の究明が行われます。


原因となる病気が見つかり治療すれば、せん妄も回復します。


せん妄と、精神機能に影響するその他の病気とを識別するために、医師は診察時に患者の病歴についてできるだけ詳しく尋ねます。


友人や家族、その他の立会人が尋ねられるのは、錯乱はどのように始まったか、病状が進行する速さはどうか、患者の心身の健康状態について知っていることと薬の使用状況です(特に若い人の場合はアルコールや違法薬物についても聞きます)。


このほかにも病院のカルテ、警察の調書、救急隊員の記録、薬が入っていたびん、一部の書類などから情報を集めます。


書類とは小切手帳、最近の手紙、未払い金の請求書、予約先からの問い合わせなどで、患者の精神異常の変化に関する手がかりになります。


高齢者では、せん妄と痴呆を見分けるために、医師は錯乱の現れる速さと普段の精神状態をチェックします。


しかし痴呆患者はせん妄も起こすため、この2つを区別することは困難です。


そのため、精神機能が急激に悪化した患者には、たとえ痴呆があっても、診断がまだ確定してなくても、通常はせん妄があるものとして治療を進めます。


せん妄に興奮、幻覚、妄想、パラノイアが伴っている場合は、躁うつ病や統合失調症などの精神病との区別が必要になります。


精神病であれば錯乱したり記憶を失うことはなく、意識レベルの変化もありません。


しかし、高齢になってから始まる精神症状は、通常はせん妄や痴呆が原因です。


精神病による精神症状が高齢になってから始まることはまれです。


医師は、神経学的検査を含む診察を行います。


検査には血液検査、尿検査、感染症の徴候を探すための培養が含まれます。


CT検査またはMRI検査も実施します。


若い患者や一部の高齢患者では、脳脊髄液を分析するために脊椎穿刺(腰椎穿刺)を行うことがあります。


これの分析は、感染症と出血を除外するのに役立ちます。

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