せん妄 症状
せん妄は、突然始まって数時間から数日間続きます。
せん妄状態の人はさまざまな行動を取りますが、大まかにいうと徐々に悪酔いしはじめる人に似ています。
せん妄の顕著な特徴は注意力がなくなることです。
せん妄が起こると集中力が働かなくなるため、新しい情報が処理できず最近の出来事を思い出せなくなったりします。
不意に時間や自分が今いる場所が(少なくても部分的に)わからなくなるときは、せん妄の前兆かもしれません。
重症のせん妄の場合は、自分がだれかもわからなくなります。
思考は乱れて、うろうろと歩き回ったり支離滅裂な行動を取ったりします。
意識のレベルは不安定で、はっきり目覚めてきたかと思えば急に眠気が強まったりします。
せん妄の症状は分刻みで変化しますが、遅い時刻に悪化する傾向があります(日没現象と呼ばれます)。
せん妄の人は、睡眠中も落ち着きがなく、睡眠‐覚醒のサイクルが逆転して昼間に眠って夜に起きていたりします。
せん妄状態の人は、奇妙な幻覚におびえたり、また実際に存在しない人やものが見えたりします。
中には偏執的になったり、妄想(認識や経験を誤解したまま信じてしまう)を抱く人もいます。
せん妄は、人格や気分まで変えてしまいます。静かで内向的になってしまうため、だれからも気づかれない人もいます。
逆に興奮して休みなく動き回る人もいます。
鎮静薬の服用後にせん妄を起こした人は、非常に眠くなって黙りこむようになり、逆にアンフェタミンの服用後や鎮静薬を中止したために起こるせん妄では、攻撃的でやたらと動き回るようになります。
せん妄は、原因と病状の重さによって数時間から数日、あるいはそれ以上続くこともあります。
せん妄の原因を素早く突き止めて治療できないと、どんどん眠気が強くなって、よほどの強い刺激を与えなければ反応しない昏迷(こんめい)と呼ばれる状態になります。
昏迷は、昏睡や死につながるおそれがあります。
せん妄は、特に高齢者では、しばしば別の重大な病気の最初の徴候です。
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2011年9月29日木曜日
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