2011年10月15日土曜日

頭部外傷!『脳しんとう』

脳しんとうは、頭部外傷後の短時間の意識消失で、身体的損傷はみられないものを指します。


脳しんとうは一時的な脳の機能不全の結果ですが、体には損傷部分が見あたりません。


軽い頭部外傷であっても、頭蓋内で脳が揺れる程度によっては脳しんとうが起こります。


脳しんとうが起こると、一時的に放心状態になったり、軽い錯乱状態になったりします。


外傷を受ける直前や直後のことは、覚えていないでしょう。


ほとんどの人は、数時間から数日で完全に回復します。


一部の人、特に高齢者は最初の外傷を受けた後、数時間から数日にもわたって脳機能が悪化し続けることがあります。


その場合には、緊急に治療が必要です。


脳しんとう後症候群は、脳しんとうを起こした後に現れる一連の症状です。


数日から数週間続きますが、それ以上長びくことはめったにありません。


患者は幾分錯乱気味で、頭痛を伴い、異常な眠気を感じます。


めまい、集中力の低下、もの忘れ、うつ状態、感覚や情動の欠如、不安感なども現れます。


症状が現れている間は、仕事も、勉強も、人付き合いもうまくいかなくなります。


脳しんとう後症候群が、軽症の頭部外傷後によく起こる理由については不明です。


顕微鏡レベルの微小な損傷や心理的要因との関連については、専門家の間で意見が分かれています。


重大な損傷が起きていないと診断されれば、治療はまったく必要ありません。


症状が悪化していなければ、痛み止めにはアセトアミノフェンが使用されます。


成人で、外傷が重症ではなくCT検査で出血がないと確認されれば、外傷の3?4日後にアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬が与えられます。


薬をもっと早くから使用しないのは、これらの薬には血液凝固を阻害する作用があり、血管が傷ついている場合は出血が長びくためです。


脳しんとう後症候群が起きた人には、頭痛やめまいを抑える薬が与えられます。


精神医学的な治療も、一部の人には効果があります。











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