肝硬変の診断
肝硬変は、症状と診察所見、
病歴聴取で判明した危険因子を基に診断されます。
触診を行うと肝臓は縮んで硬く感じられ、
また肝臓の表面に小さなこぶが感じられることがあります。
肝臓の働きにはかなりの余力があり、
また生化学検査は感度が比較的低いため、
肝硬変があっても肝機能検査の結果はしばしば正常値となります。
肝臓は正常時の働きの85%を失ってもなお、
重要な機能を保つことができます。
超音波検査やCT検査で、
肝硬変を示唆する肝臓の縮小や組織の異常がわかることがあります。
放射性同位元素を用いた肝スキャン検査では、
肝臓のどの部分が機能し、
どこが線維化しているかが画像に示されます。
診断を確定するには、
肝生検(組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)を行います。
肝硬変の見通しと治療、肝硬変は進行性の病気です。
肝硬変の初期に飲酒をやめれば、
肝臓のそれ以上の線維化は食い止められるかもしれません。
その場合もすでに線維化した組織はもはや回復しません。
一般に、吐血や腹水、
脳の機能異常といった重症の合併症が起きていれば経過の予後は悪くなります。
肝硬変は治癒しません。このため肝硬変を予防し、
初期のうちに進行を食い止めることが重要です。
肝硬変の治療では、
アルコールなどの毒性物質の摂取をなくし、
合併症が生じればその治療を行っていきます。
肝臓で代謝される薬の服用が必要な場合には、
過剰投与を避けるため用量を通常よりも大幅に減らします。
適切な栄養摂取を心がけ、
タンパク質や塩分の摂取制限、
ビタミン剤の服用などを行います。
肝硬変が進行した患者でも、
肝臓移植を行えば命が助かる可能性があります。
ただし、飲酒を続けていたり、
肝硬変の背景にある原因が解決されていない患者の場合には、
移植された肝臓もやがて肝硬変になってしまうため、
肝臓移植は普通は行われません。
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2012年1月28日土曜日
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